第11話 様子
永澤のおかげか、直後数日の三日月はすっきりとした顔で仕事に精を出していた。
「三日月さん、最近元気になりましたね。」
そう言って食堂に入ってきた木場にちら、と目をやった後、すぐに食事中のラーメンに視線を戻す三島。
洋食調理の休憩は午後2時、和食調理が1時間前、フロントやサービススタッフは更に1時間前と、被らないように時間が決まっている。
それは、最大で20人程しか入れない従業員食堂が混み合わないようにする為だ。
更に今はコロナ対策で、間隔を開けているため、更に収容人数は少なくなっているのだった。
現在は午後2時すぎ、洋食調理では空前の弁当ブームの為、食堂に来るメンバーはこの場にいる三島や木場含め、数人であった。
三日月は毎日弁当を持参しているため、こちらには来ないと2人は知っている。
「……まぁ、自分で考えられる奴だからな……。」
「でも1番気にかけてたのは三島さんの癖に。」
鋭い返しに軽くむせ返りながらも、お気に入りの信州味噌ラーメンを構わず啜る三島。
「……そういう木場は、いいのか?」
そう皮肉めいた返しをしつつ顔を上げると、木場は出来上がった定食を取りにその場を離れた後だった。
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