第10話 勉強会

 枋木こぼのき風香ふうか side


 図書室で摩耶まやちゃんと由鶴ゆづちゃんと3人で勉強していた時のこと。

 由鶴ちゃんは真面目に黙々と解いていくけど、勉強が苦手な摩耶ちゃんは私に甘えていた。


「どうして分かるの?」

「ちゃんと勉強しているからだよ」

「風香、マジで助けてー」

「今、そうしてるじゃん」


 すると由鶴ちゃんは「摩耶、ちゃんとしな」と一言いうと、摩耶ちゃんはビシッと姿勢を正した。

 それから1時間、摩耶ちゃんも真面目に勉強をした。

 最初からスイッチ入れてよと、心の中で苦笑した。



「終わったー」

「お疲れ様」

「疲れたね」


 各々リラックスをする。

 終わったからなのか、摩耶ちゃんは「ねえ?」と私に声をかけてきた。


「あれ、薮木やぶきじゃね?」


 摩耶ちゃんが指さす方向を見る。


「あっ…本当だ」


 摩耶ちゃんはニヤニヤしている。

 なんだか怖いなと思っていると、由鶴ちゃんがこう言った。


「彼氏でしょ?」

「うっ!?」


 驚いて反射的に直ぐに口を両手でふさいだ。

 危ない、ここ図書室なんだから。


「好きなんだ~」

「むぅ」


 2人にからかわれて顔が赤くなるのが分かった。


「んじゃ、私らは帰るね」

「えっ…だってこの後遊ぶんじゃ」

「水差さないから」

「由鶴ちゃんまで」

「ばいば~い」

「じゃっ」


 2人は本当に先に帰ってしまった。


 この後直ぐに、薮木君が私に声をかけてきたから、時間もあるしお茶しにファミレスに向かった。

 楽しい時間だったから、夜に2人にメッセージで感謝を伝えたのは言うまでもない。

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