第54話 臨時拠点の充実と砂糖作り、そして小麦畑をめざす
【異世界生活 56日目 7:00】
「おはよ、りゅう君」
そして寝起きにおはようのキスをせがまれる。
久しぶりの
「ん? どうしたの?」
「大好きだよ。
俺は心の底からそう思い、口にすると、
そして、テントから這い出すと、みんなに挨拶する。
最後の見張り役だった
朝食を食べながら今日の打ち合わせをする。
予定通り、俺と
「それと、
美容にうるさい
この世界にはまだ鏡がないので、
まあ、昔みたいに毛抜きで抜かれるよりはいいか。あれは本当に痛かったし、本数が本数だから拷問に近かったもんな。
こっちに来る前に倒したクマの脂身で石鹸ができたらしく、それでひげを剃ってくれるらしい。
「クマの油の石鹸はいいわよ。気持ち、お肌がすべすべになる気がするわ」
「こっちに来た時に、クマを1匹仕留めたんだが、油を濾すための麻布が無くて、もったいないけど、脂身捨てちゃったんだよな」
俺がそう言うと、
「
「まあ、また、クマを倒せばいいってことだ」
そんな雑談をしながら朝食をとり、朝食後は久しぶりにみんな揃っての
その剣道の鍛錬のおかげで、俺がレベル12になる。
ちょっと前に、
それと、
それと、昨日の夜から、お祈りするとMPが増えるようになった。
信仰心が低い、俺、
信仰心が中ぐらいの、
素直な
生活魔法がMP10、初級魔法がMP20必要なので、俺の場合、4日祈らないと、敵にダメージを与えるような攻撃魔法は使えないらしい。
そもそも、まだ、魔法は使ったことないし、使えるか分からないけどな。
【異世界生活 56日目 9:30】
とりあえず、水汲みと、竹を採りに行く。
ここの臨時拠点の周りに柵を作る為、多めに竹を持ってくる。3往復くらい必要かもしれない。
それと、
サトウキビ畑の側の川を南に、上流に向かって歩き、1時間半くらい歩いたところに竹林と小さな滝がある。こっちに来た時に
ここまで来ると水も綺麗で、そのまま飲めそうなくらい澄んでいる。
とりあえず、
「
そこで、
「
まあ、ここで冷やかすと、マジで怒りだすので、はぁ、とため息を吐いて、気持ちを入れ替えると、
そして、
たくさん抱き合って、キスもたくさんしてから、
「
俺がそういうと、
俺は後ろから、
「
「くうん、だめ、いくっ、いっちゃうの、
「っぅぅ~、イクぅ!!」
☆☆☆☆☆☆
俺の尻尾と耳の甘噛みテクニックに負けて、ぐったり、竹によりかかって息を荒らげている
俺もちょっと調子に乗って、尻尾や耳を責めまくって、3回ほど
俺も
少し休憩した後で、
「
1時間半くらい経っただろうか?
「
俺がそう言うと、
腰にはえらに荒縄を通されて並ぶ川魚がいっぱいぶら下がっていた。
「どうする、はらわただけでも取っておくか?」
「そうだな、鱗とはらわたを取って、腹を開いておけば臭みも出ないだろうし、歩きながら干物になるかもしれないしな」
俺はそう言って、3人で、川魚の下処理をしてから、水を汲み、狼の毛皮を洗ってからサトウキビ畑の臨時拠点に帰る。
それと、忘れていたが、
拠点に帰ると14時半になっていた。
3人は急いで遅い昼食を食べ、川魚を
柵を作るにはもう1回分足りないし、日が暮れてしまったので柵を作る作業ができなかった。
次の日も同じメンバーで竹を1回採りに行き、枯草を集めて荒縄も作り、午後は柵作りをして、なんとか、狼や猪くらいなら怯みそうな柵ができたので一安心だ。
1日遅れになったが、明日は小麦畑を見に行く。
それと、水を汲みに行ったところにある滝だが、
なんか、鍛冶を始めるのにふいごを自動で動かす水車が作りたいらしいが、滝のように高低差があると
まあ、小麦畑から少し離れてしまいそうだが、飲み水も汲めるし、竹林も近いし、竹林の反対岸には少し背の高い木の並ぶ林もある。薪集めやツリーハウスを作るのにも悪くなさそうな林だ。砂糖作りが落ち着いたらそのあたりに拠点を作ることになりそうだ。
砂糖や、小麦、お茶も大事だが、今一番したいのは鍛冶をできる環境づくりと製鉄だからな。
それと、こっちに拠点ができたら引っ越しもしないといけない。
あの石板たちを運び続けて移動する訳にはいかないだろうし、拠点がある程度固定になったら、保存場所? なんか、雨に濡れない、動物も悪戯しなそうな、洞窟みたいな場所を探さないとな。今は
【異世界生活 58日目 9:00】
今日も日課の
小麦畑に行くには、川を少し登って川が二股に別れるところ、サトウキビ畑の方向に流れる川とは逆の川を下ると小麦畑があるらしい。
二股に別れるところは川幅もあり、水深もあり、歩いては渡れないので、もう少し上流まで歩いてから川を渡り北に川を下る感じだ。
そういえば、川に危険な生物がいまのところいないのは助かるな。そのうちワニとかピラニアみたいな魚も出てくるのだろうか?
ちょっと心配になってアドバイサー神様の秘書子さんに聞いたが、この島にはピラニアやワニはいないらしい。ただし、この島にはということだ。
そんな感じで川を徒歩で渡り、川に沿ってサトウキビ畑とは逆の川、北東に伸びる川に沿って歩き、下っていく。
【異世界生活 58日目 11:00】
サトウキビ畑から2時間くらい歩いたころだろうか? 川沿いの林が途切れ、見晴らしがよくなったところで、目の前に大草原が広がり、その先に、目的のものが見える。
一見、草原と変わらないが、雑草に紛れて小麦の穂っぽい物も見える。まさに野生の小麦という感じだ。
そこからさらに20分くらい歩いて、小麦畑に到着。
「
俺は
「そうだね。確かに小麦だね。でも、ちょっと早かったみたい。もう少し成長して小麦色にならないと収穫は無理かな?」
確かに、まだ青々としていて、小麦って感じがしないもんな。
「2~3週間くらいしたらまたくればいいかな?」
「じゃあ、このまま、帰るか?」
俺がそう聞くと、
「少し時間があるし、草原を探索しようよ。トマトっぽいものとかキュウリやナスっぽい野菜があるんでしょ? 見つけて持って帰ったらみんな喜ぶと思うよ」
「そうだな、トマトはちょっと食べたいかもしれない」
俺はそう言う。
というか、この異世界なんでもありだな。さすが、ゼロから元の世界を真似て、いいとこどりな世界を作ったみたいで、結構無茶な物が並んでいる気がする。
そんな感じで、小麦畑から東に2時間弱くらい探索することになった。
おかげで、トマトやキュウリやナスが収穫できた。まあ、秘書子さんがマップにマークしてくれたのを探すだけでいいから楽に見つかったのだが。
そして、もう一つ、見つけたものがあった。
「
俺が想像したイメージの牛、白地の黒ぶちではない茶色い牛だ。
「ホルスタインじゃないっぽいね。ジャージー種かな?」
「飼いたいね。飼えなかったとしても、1匹欲しい。というか食べたい」
「なるべく飼う方向で考えようぜ、牛乳とか搾れるんじゃないか?」
俺は食べる方向ではなく、飼う方向に持っていこうと
「でも、野生の牛って、どうやったら家畜にできるのかな? 捕まえ方も全く分からないし、困ったね」
さすがに
そんな感じで、草の陰から牛の群れを観察することしかできなかった。
次話に続く。
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