第26話 黒曜石で刃物を作ろう
【異世界生活 12日目 8:00】
「おはよう、
俺はステータスウインドウの時計についているアラームで起きて
「おはよう、りゅう君。ご飯できているよ」
そう言って
結局、昨日はイノシシを捌いて、薄切りにして、海水につける作業で夜になってしまった。
それと、
「おはよう、いい匂いね」
「おはよう。今日はどうする?」
朝ご飯をみんなで食べながら今日の予定を考える。
とりあえず、
「りゅう君、黒曜石を加工する時、イノシシの牙使うといいかもよ? 昔見た動画で動物の角使って仕上げをすると細かく砕けていい感じに尖るらしいよ。石で割ると細かいところが上手く割れなくてどうしてもうまくいかないみたい?」
俺もアドバイザー神さまの秘書子さんに色々聞いて情報共有する。
そして、昨日、イノシシの牙とか骨を少し残しておいた方がいいって言ったのはそういう事か。というか、骨は加工すれば他にもいろいろ使えそうだもんな。
そんな話をしながらイノシシの肉100%の朝食を食べ終わり、日課の剣道の特訓をしてから各自作業を開始する。
「あ、レベル上がったみたい」
「ああ、私も上がったわ」
剣道の特訓もそうだが、イノシシやクマの肉を食べるとマナ(経験値)が増えるのでそれも地味に効いているのかもしれない。
ちなみに現在の仲間のレベルはこんな感じだ。
結構この世界、ゲーム要素もあるみたいで、レベルが上がると確実に筋力や動きが良くなっている気がする。
例えば、俺のスキル、投擲にしてみても投げられる石の大きさや投げた時のスピードや正確性が上がっているので、初めてイノシシと戦った時より、昨日のイノシシとの戦いの方が格段に楽になっていた。これがステータスの効果ってやつか?
そんな感じで順調にレベルを上げつつ、サバイバルもしっかりやらないと死活問題、特訓の後は各自作業に移る。
俺、
それぞれ、作業台になりそうな大きな岩の上に黒曜石を置きなるべく大きい石をハンマー代わりになるべく薄く割れるように叩き割っていく。
「結構、固いし、上手く割れないものね」
「結構、適当に割って、良さそうな物をピックアップしていく方が楽な気がするぞ」
「とりあえず、黒曜石は切れ味が良いが、刃こぼれするのも早いらしいから、石斧とか切れ味がそこまで必要ない物や摩耗が激しい物は今まで通り普通の石を研磨した方が良さそうだな。使うとしたら、ナイフの代わり、槍の穂先、矢の
俺はそう言う。石斧として使うには割れやすい、大きな刃物を作るのは難しそうだしな。
3人が作りたいものを聞いていくと、俺は石包丁と槍の穂先、
「それじゃあ、とりあえず、槍の穂先になりそうな黒曜石、もしくは石包丁をめざしつつ、失敗して小さく割れてしまったものをカミソリに、小さいものでも形が良さそうな物は
俺はひたすら鏃を作る気満々な
「そうだな。それも一理ある。今一番必要なのは全員が使えて攻撃力のある槍だしな」
「それと、石斧とかに使えそうないい感じの大きさと薄さで割れたものは取っておいてくれ。切れ味のいい石斧も必要になるかもしれないからな」
俺はダメもとでそう言っておく。黒曜石で大きな刃物を作るのは結構難しみたいだからだ。
そんな感じで、とりあえず、3人とも槍の穂先や石包丁をイメージして黒曜石を割っていき、一度共有して自分の必要な黒曜石をピックアップしていく。
俺は槍の穂先に使えそうな比較的大きく、形もいい物をさらに槍の穂先っぽく加工していく。
「そういえば、
俺は黒曜石の豆知識も教えてやる。
「そうね、じゃあ、この黒曜石あたりは残しておきましょ? 大きく平らに割れていい感じだから、この塊は私がもらうわね」
そういって、綺麗に平らに割れた大き目な黒曜石をキープする
「そうだ、土器ができたあと、イノシシかクマを倒せたら油をとって、石鹸を作りましょ? 石鹸、というか、泡が無いと、
と
そう言えばそうだな カミソリ代わりの黒曜石がたくさん作れても、水で髭剃りはちょっとカミソリ負けしそうで怖い。女の子達も石鹸があった方がいいだろうしな。
「そうなると、貝がらも集めないとな」
俺はそう言う。石鹸づくりには強アルカリ溶液が必要で、強アルカリ溶液を作る為には灰と焼いた貝殻が必要らしい。灰はたき火から意識して集めるようにしているが、貝は準備していない。鍋代わりの土器ができたら集めた方が良さそうだな。
そんな雑談をしながらやりの穂先を俺と
「
「穂先を固定するのに麻糸とかあった方がいいんじゃない?」
「そうだな。この間皮剥いて干した麻の繊維を少し分けてもらうか。まだ半乾きだろうけど」
俺は
結局、俺が槍の穂先作り、
「
俺は
「ああ」
そっけなく手を振り森に入っていく
「布にするときはもっと柔らかくないとダメね。木の棒とかで叩いて繊維を柔らかくしないと」
そう言って
作業用の麻糸なら十分すぎるけどな。俺は
「
俺は感心してそう言う。
「
手を止めずにそう言う
手芸全般が趣味だったもんな、
俺も手を動かさないとな。俺はいい感じに割れた黒曜石を槍の穂先っぽく加工していく。石で叩いたり、イノシシの牙や骨でそぎ落としたりしながら。
黒曜石は研磨するより割った方が切れ味は良さそうだな。
そんな感じでそれぞれ作業していると、
「お、いい感じじゃないか?」
俺は
「このあたりの木は削って矢が深く刺さるようにしないとダメだな。
そんな感じで
なるほどな、木も上手くとがらせないと黒曜石の穂先と木のつなぎ目で止まってしまいそうだ。
槍の穂先ができたので、俺が今まで使っていた木の槍の尖らしていない方に穂先をつなぎ合わせる。
「反対側につけるのか?」
「ああ、穂先が外れた時、反対側も使えた方がいいかなって」
俺がそう答えると、
その後も分担して、俺は槍作り、
途中で、昼食を食べ、午後も作業。人数分+予備の槍を数本作って気づいたら15時になっていた。
「ちょっと、弓矢と槍を試しに行こう」
こいつは、順応しすぎだ。
「
俺は
「えー、私も森に行きたい。山菜とか取りたいし」
「
「
麗美さんが干し肉を干しながらそう言う。二人だと苦戦しているようだ。
「俺も干し肉作り手伝おうか?」
俺は
「
「あと、
とりあえず、
「森行くなら、粘土と砂も取ってきてね。石板づくりが結構楽しくなっていたし」
麗美さんが俺にそう言う。
俺たちの知識を後世に残す石板づくり。麗美さんが結構やる気になってくれたようだ。とりあえず、粘土を採ってきて、葉っぱに包んで地面に埋めておくと麗美さんが暇な時に石板づくりをする。そんな感じにしたいみたいだ。
とりあえず、俺、
俺は昨日捕ったイノシシの皮と竹筒の水筒を背負いかごに入れて。飲み水の補給と、毛皮の洗浄、粘土の採取も目的に追加された。
それと、さっき作った黒曜石の石包丁も持っていく。動物が取れたらさっそく使ってみたいしな。
狙うは鳥かイノシシ。クマが出たらどうするか。
俺はそんなことを考えながら森を進むのだった。
次話に続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます