第21話 尻尾のないしょ(with麗美)、そして魚を捕る
【異世界生活 10日目 12:30】
「で、何をすればいいの?」
と、新しい仲間、
「とりあえず、今は、土器が乾燥するのと川に浸けた麻が腐るのを待つ、って感じか? 鉄の鍋もナイフもない世界だから、鍋代わりの土器ができないと何も出来ない感じなんだよな」
俺はそう言う。
「麻があるのね。麻から繊維が取れるようになれば、麻糸ができて、布も作れる。私が活躍できそうね」
「まあ、繊維を取り出して乾かす作業もあるらしいから、まだ先の話だな。とりあえずは、食料集めたり、水を汲んだり、生活し易い環境作りが今の仕事だな」
俺はそう言ったあと、
「ん? 何?」
「何って、お前、尻尾も耳もすごいな」
俺は
「すごいよね、ふわふわのもふもふだよ。多分、狐さんかな?」
そう言って、我慢できなかったのか、尻尾を撫で回す
「ひぃん!!!」
びくっ、っと跳ねる
ごくん。
「俺も、触ってみていいか?」
魅惑のもふもふに、俺も、自然と手が伸びる。
しかし、俺の手を避けるように、もふもふの尻尾を振り、
「ダメ、絶対、触っちゃ駄目。特に
顔を真っ赤にして
めちゃくちゃ拒絶されてしまった。
「私の尻尾なら、いっぱい触ってもいいわよ」
あまりに魅惑的な動きをするので、迷わず手が伸びる。おお、これもなかなか。おれは麗美さんに誘われるまま尻尾を掴み、にぎにぎと感触を楽しむ。
「あふっ。 そ、そういうことね」
「かぷっ!」
俺は、
「!!! くうん!!!」
そして、地面にしなだれる
「り、
なに? もしかして痛かった? 俺、ヤバいことしちゃった?
「
「とりあえず、
いつもの、
確かに
そんな事を考えていると、
そのあと、残る、もわっ、とした、何か、甘い、美味しそうな匂いが気になったが、お手洗いに行く女性に声を掛けるのは失礼だと思ったので、とりあえず、
「まあ、とりあえず、干し肉も減って来たし、明日あたりは、魚を取りに行ってみるか」
俺は
「
「なんか、そういう事らしいから、ちょっと、行ってくるな。何かあったら大声あげろよ。ここから海岸なら、多分聞こえるし、走って帰って来られるし」
俺は
「
「
俺は、仕方なく、早足で
「んんんっ」
「なるほどな。これは、
女の子達がお手洗いとして使っている岩場、普段、俺が近づいてはいけない場所に向かって背中を押される。
「俺が行っていいのか?」
俺は困惑して
「行けば分かる。多分、
俺も、重症と聞いて、
「
俺は声を掛けながら、岩場の陰に足を踏み入れる。
「きゃっ!
そして、岩場に立ち込める、甘い匂い、女の人の匂いだ。
イノシシの皮でできた上着をたくし上げ、スカートをずらして、胸と下半身を露出した
大事なところは両手で隠して体をくねらせ隠しているが、鼻をくすぐる女の人の匂いで
「ごめん!
俺は慌てふためき言い訳を並べる。
「そっか。
そして、俺を見つめながら、四つん這いで俺にお尻を向ける。衣類の乱れを直さないまま、丸見えの
「とりあえず、もう一回尻尾、噛んで欲しいなぁ〜。後ろからギュッと抱きしめながら、尻尾を優しく噛み噛みして欲しいの」
俺は誘われるまま、麗美さんに後ろから抱きつき、体を密着させて、目の前でふりふりと逃げる尻尾を口で追いかけ、何度も優しく噛み付いては離す。
嬉しそうに震える
後ろから
☆☆☆☆☆☆
「くうぅぅぅん!!」
俺も
岩場の陰で抱き合う2人。
「女の子の尻尾は二人きりの時、相手が噛んで欲しい、って言った時しか噛んじゃ駄目だからね。あれは、本当に駄目。女の子の大事なところを甘噛みされちゃったみたいな電気が全身に走るから、本当にやっちゃ、駄目よ」
これは、
【異世界生活 10日目 14:00】
俺たちは少し休憩してから、海に入り、体を洗い、
「
「そうだな。今度、一度お願いしよう」
「それより、な、魚捕ろうぜ。
俺はそう言って場の空気を濁す。
「で、どうやって魚捕るんだ?」
俺は気を取り直してそう聞く。
「水中用の弓矢を作った。弓も小さいし、羽もついてないからかなり近づいてから射る感じだ。返しもつけてあるし、矢の後ろには紐をつけてあるんで紐をたぐれば魚が手に入る。手元までたぐったら矢を差し込んで止めを刺す。以上だ」
矢の先を見ると先がとがっていて、その横には確かにいくつかギザギザに切り目が入っていてこれが返しになるってことか。
「素潜りして、魚がいたらこれで射ればいいんだな」
俺はそう言って海に向かう。
「そういうことだ。
海に顔をつけると魚が見える。浅瀬から結構魚影が濃い。ただし、水中メガネがないので、これはキツイな。ぼーっとしか見えないし、目が痛い。これは長くは潜れないな。
一度海面に浮きあがると
「水中メガネが無いと素潜りはキツイな。ほとんど見えないし、目も痛い。多分、そんなに回数潜れないぞ」
海上に浮きながら、俺は
「そうだな。ただ、こっちの世界に転生した時に、目は良くなっているみたいだ。遠くが見えるし、海の中でも少しは見える。多分、元の世界じゃ水中眼鏡なしではこれほど見えないだろうな」
そう言われるとそうだな。耳も鼻も良くなったが目も良くなった気がする。
とりあえず、もう少し沖まで泳いで、短期決戦で素潜りを開始する。
運よく、俺も
水中に潜ると、岩が多く、海藻も多く、小さい魚がたくさん泳いでいる。
そしてそこの方に大きな魚影。水中メガネが無いのでぼやっとしか見えないのだが。
そして近づいていくと結構大きい。そして、人間を知らないせいかあまり動かない。石の間にじっとしている。
とりあえず、近くまで寄って、自分が浮いてしまわないように大きな石に足を絡めて体を固定し、なるべく魚に近づけるように体を寄せながら、弓矢を絞り、お祭りで射的をするように、身を乗り出して少しでも矢が近くなるようにして、一気に矢を放つ。
おお、いい感じで矢が飛んで魚に刺さる。そして魚が暴れる。
ヤバい、逃げられる。
俺は急いで泳いで近づき、矢を魚に押し込む。これ、紐ついているけど、引っ張ったら多分逃げられるな。
そんなことを考えながら魚の体に矢を貫通させ魚が逃げないくらいまで矢を通すと海上に浮き上がる。
そして腰に事前に巻いておいた(
もう一度潜って魚を探す。これの繰り返しだ。
弓矢というより小さい銛を弓で飛ばす感じだな。弓の大きさに比べて矢が長めだし、矢が刺さった後は急いで魚に押し込まないと逃げられる。そんな感じだ。そして、なるべく近づかないと刺さらないし、刺さった後に追いうちがかけられない。
まあ、よく考えられているな。
何度か魚を逃がしてしまったが、なんとか3匹の形のいい魚を捕ることができた。
そしてもう、限界だ。海水で目がものすごく痛い。
海上で浮いていると、
「そろそろ、上がるか? 目が痛いだろ?」
俺たちは、そのまま泳ぎ、岸までたどり着くと、
「お、すごいわね。初めてなのに結構捕れたんじゃない?」
「魚が人間慣れしていないみたいだ。ギリギリまで近づけるから何とか捕れる。そんな感じね」
「まあ、私は弓道をやっているから仕方ない」
まあ、一番大きい魚は俺のだけどな。数で負けたので大きさで自己弁護する。さすがに口には出さないけどな。
とりあえず、目が洗いたい。海水で目が痛い。
3人でキャンプに帰ると、魚を見た
「すごい、すごい。魚だよ。魚がいっぱいだよ」
「
俺は
「まあ、魚が人間に慣れていないみたいで逃げないから捕り易かったっていうのもあるな」とり
「それと、
俺はそう言って
「はいはい、これ。りゅう君も
まあ、あまり意味はないかもしれないが水筒に入った真水で目を洗う。
「水中メガネがあるといいけど、この世界にはガラスもプラスチックもないし、ペットボトルすらないし、透明な物がないのは厳しいね」
水中メガネはだいぶ先だろうな。まずはガラスを作れるようにならないとな。
水で目を洗い落ち着いたところで、
「大丈夫よ。少し疲れたのと、胃腸が弱っていたのかしらね? 少し海を見て休憩したら落ち着いたわ」
俺も
男はこういう時に、どうしても都合よく考えてしまうな。男が女性より幼稚だと思われるのはこういうところかもしれない。
次話に続く。
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