夏恋

@39sakura

第1話

 BGMがわりに流していた高校野球の応援歌に似つかぬ「愛してる」の声に、何事かと思わずスマホの画面に視線を向ける。


 私が高校生の頃どんなに好きでも言えなかったその言葉を、イマドキの乙女達はいとも簡単に言えるのだろうか。


 というか、スマホの中の若き乙女達は野球の応援歌で絶叫している。


 こんなの反則だろう。


 彼女のいる選手ならにやけてしまい、

打てるものも打てなくなるはずだ。


 …が


 打つんだな、これがまた…。


 さすが現代っ子。


 時代はかわったらしい。


 純愛はどこへ行ったのだ。

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