第7話 アンとユージ

 見事、婚約破棄を勝ち取ったアンはユージと共に居た。



「アンが婚約した時はもう別れを覚悟したけど……まさか、相手と結託して婚約破棄をしてくるなんて、びっくりしたよ」

「だって……私が好きなのはユージだけですし……両親が勝手に決めただけですもの」

「そう言ってもらえると嬉しいよ。でも大丈夫だったの? ご両親怒ってるんじゃ……」

「それがそうでもないのですよ。多少叱られましたが……元々、結婚が目的ではなく、ローム様の国の軍事力が欲しかっただけみたいですから」



 アンとユージは和やかに話す。久しぶりに会えた恋人と、これまでの出来事を共有していた。



「……ローム王子の方も恋人と幸せになっているといいね」

「そうですね。きっと、幸せになってますよ」



 互いに顔を見合わせて微笑む。そのまま流れるように唇同士が触れ合った。



「ねぇ、アン」

「なんでしょう?」

「もう……今回みたいなことは起こしたくないんだ。だから……その、僕と結婚してくれ」

「もちろんですわ、ユージ」

「ありがとう、アン」



 こうして、二人は結婚を誓った。


 そして、あっという間に時は流れ、二人は結婚をし、子供も生まれた。邪魔されることのない、幸せを掴み取ったのである。

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