将棋に夢を見た兄妹は?

burazu

2人でプロに

 俺の名前は向田洋介、子供の頃に将棋と出会い、そのままプロを目指す為に奨励会に入った。


 現在は20歳で今は三段リーグに所属している。


 ここを勝ち抜けばプロだ、今日はその三段リーグの日であり、向かおうとすると後ろから声がする。


「待って、お兄ちゃん。私も一緒に行く」

「琴子、昔ならともかくもう俺20歳なんだぞ」

「いいじゃない、どうせ同じ将棋会館に行くんだし」


 彼女の名前は向田琴子、俺の妹であり、現在15歳だ。こいつは俺が将棋をしているのに影響され、将棋を始めてあれよあれよと強くなっていった。

 

 それだけならまだしもなんと琴子も奨励会に入会したのだ、兄の俺がいうのもなんだが、天才かこいつは。


 琴子は現在2級で俺とのクラスは大分離れている。


 2人で将棋会館に向かっている途中で琴子が俺に声をかける。


「お兄ちゃん、私達が2人共プロになったら史上初だよね」

「まあな、そもそもお前1人がプロになっても史上初なんだけどな、女性プロ棋士は歴史上1人もいないし」

「うーん、でもやっぱり私はお兄ちゃんと一緒になりたいな」


 こんな無邪気な発言を俺も琴子も信じていたし、俺達ならできると思っていた。

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