第46話 決戦!! ジューサvsイチ

- レイの意識の中 -



「ひぐ……ぐす……私…また殺されるの…?」



震え、怯え、ずっと泣き続けるもう一人のレイ



それを見ていたレイは優しく微笑みレイを抱き締める




「え……?」






「大丈夫だよ、ほら」





白き光の空間を作っていたガラスにヒビが入る




「助けに来てくれたからもう大丈夫



その過去を全部殺してくれた」




ピシッ




ピシッ






「とっても優しい黒色の男の子」







パリイイイイイン!!!!!






白い空間を破った黒い彼、2人の白に手を差しのべる







「レエエエエエエエエエイ!!!!」









- 現実世界 -





「……光そのもの? レイア?」




賢人のように姿が変わったレイに唖然とし驚きを隠せないNo.0、それに対しレイアと名乗った自分の胸に手を当て答えるレイ







「そう、それが私の本当の名前、レイは煌羅咲紀元…私のお兄ちゃんが作った私のオートマタ(体)、私達は元々は人間……でももう失った体は取り戻せないから、人間もオートマタの過去も全部殺して光そのものになった」






「あり得ないよ!!」






叫びながらレイアに近づくNo.0、彼女の額に手を伸ばし脳を取ろうとする






「脳みそさえ奪っちゃえば良いんだ!!」





だが







「え………」




掴めない






「くそっ!!くそくそおおおおお!!!!!」





何度も何度もレイアの頭を掴もうとするが掴めない




「…無駄だよ」




「だ!!だったら!!」




No.0は自分の体を透明にする!!




「No.8(ハチ)の【ゴーストネクロ:システム】で体を霊体にして憑依してやる!!」






体を霊にしてレイアの体に憑こうとするNo.0




だが







「!?うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」





光と共に弾き出されてしまう!!しかも体が焦げるのだ!!







「熱い!!あついよおおおおおおおおお!!!!!」




熱さと痛みで転がるNo.0



その彼女の所へレイアはゆっくり歩き始める






「今の私は光…太陽と同じ熱さそのもの……



光に【脳みそも体もシステム】もない」





ゆっくりと、またゆっくりと近づく





「!?ひっ」




今まで見せなかった顔をするNo.0、それはまるで自分が壊されるかもしれないという恐怖に包まれた表情だ





「そういう顔ができるようになったんだ」





「こ、こないで!!」




後ずさる、勝てない、怖い、壊される、殺される!!!!!




構いなく近づくレイア





「人間くさくなったね……」




そっとNo.0の額に手を当てる






「あ…あ…」






「壊す前に見せて貰うよ」










「あなたの過去」









- 一方のジューサとイチ -





「ジューサ…てめえ良くもやってくれたな」




ジューサの言葉で納得したイチ



過去に渡りリセットセット=システムが発動する前にレイを殺しNo.0を弱体化させる




「ああ、だからもうNo.0は目覚めない事になっている。リセットセット=システムの使用回数が彼女を起こすきっかけになったのだから……だから彼女ももう時期で眠りにつくだろう



【目覚めなかった事になる】」




だがとジューサ






「彼女がどうやって作られたか、それは知りたいからレイ…いや、レイア姉さんが確かめているんだ、それをみて壊すか壊さないか」






「それよりもお前らが姉弟だったことがバレちまったのも気に入らねえなあ」




苛立ちを見せるイチ…天晴一渡




「それはずっと姉さんの過去を渡っていれば知ってしまうことだね、僕らが元人間で長男の煌羅咲紀元に改造され半人間半オートマタなのもイチ、君は隠蔽してたんだな?」






「だったらどうするよ?、俺を恨むか」





首を横に降るイチ





「いや、寧ろ感謝してるよ」









「そのお陰で自分の名前が【アーサ…煌羅咲アーサ】だっていうのも思い出せんだから」




あくまでもこれまでの出来事があったからこそ自分の過去を思い出せたことに感謝するジューサ





天晴一渡は怒りを震わせゆっくり歩いてくる




「こちらとしては最悪だ、ペケを取り戻すために必死だったんだからな」





それに対しジューサ…アーサもゆっくり歩く




「そうか…未来が見える力があるのにその本人は過去に執着してるとは…哀れだな」







「ペケを……侮辱したな?」




コッ






「いや……侮辱したのは君だよ、いつまでも未来に進めない哀れな男」




コッ






互いにゆっくり近づき、そして









「……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!お!!!!!!」 






剣を抜いて飛びかかった!!







ガキイン!!



ガキイン!!





 混じ合う刀が火花を出す!!





「過去に囚われるな天晴一渡!!



いや、1月の管理者【イチ】!!!!!」






「俺はオートマタNo.1(ファウスト)の【天晴一渡】だ!!!!!ペケが!!ペケだけが助かればそれで良いんだあ!!!!!!!」






とても今までのイチからは考えられない子供のような言葉



それを聞いてアーサは歯軋りをたて、一旦離れる!!





「このっ……君はそんな奴じゃなかったろ!!」





間合いを離れ様子を見る二人……





「………………」





先に攻めたのは








「……ハッ!!」






アーサだ!!







「馬鹿か!!俺には1秒先が見えるファーストップ=システムがあるんだぞ!!」




システムが起動しアーサの動きを予測する!!





「その機能に対してそのまま接近戦とかなめてんのか!!!!!」





剣をあげるアーサ、それを見て避けようとする一渡だが……










ズバッ!!






「な……?」







なんと……攻撃が当たったのだ!!






「なんだと…?」





「ハァ!!」




驚く一渡を他所に追撃をしに行くアーサ





「今度こそ!!」





突きを避けようとする一渡、しかし!!






スッ…





「…………」





「………何?」





一渡の胸の先で剣を寸止めしたのだ、




唖然とする一渡……





その時!! 






ズブシュ!!





「!?ぐあああああ!!!!!」




思い切り剣の突きが一渡を貫いた!!






「何でだ!!何でファーストップ=システムが読めねえんだよ!!!!!」




そのまま続けて寸止めを続けては一渡を切り裂くアーサ





「ぎゃあああああ!!!!!」





血とオイルが混ざったような液体が飛び散り続ける!!!!!




「ファーストップイチ=システム…一秒先が見える確かに協力な能力だ…だが読めるのはあくまで一秒先…つまり」






一渡の小型剣を持つ左腕の肩の上で寸止めをするアーサ




そして








「【2秒先】からの攻撃は読めない!!!!!!」





ズンッ!!






「………かはっ(そういうことかよ)」





一渡の左腕を肩から切り裂き落とした







そのまま倒れる一渡







ファーストップ=システムが読めるのは一秒先




だからジューサは攻撃を2秒遅らせていたのだ







「…………」





朦朧とする意識、ぼやける視界の中で空を見上げる一渡






「ああ……ペケ……ペケ……ごめんな



兄ちゃん……助けられないみたいだ」





そこにいない大事な女の子に涙を流しながら謝る一渡





「………」




アーサはゆっくり近づき、一渡の胸の上に剣を構える





「……なあ、ジューサ」




薄い瞳をアーサの方に向けて彼に訪ねる





「こんなことになるんなら…初めからお前らに頼ってれば良かったのかなあ………」


  


涙を大粒流しながらアーサに聞く




彼は静かに答える





「うん…そうかもね、けど」






構えた剣が近づく







「君が【煌羅咲紀元に勝利した】そんな未来が作れたらこうならなかったかもしれないね…」






「………」





涙群だ瞳を右手で隠し笑うイチ





「ハハ……だな、根本的にそれが…そんな未来になれたらホントに良かったな」






もう何もかも諦めたように笑う一渡





そして、そんな彼を静かに見ながら








「- ラグナロク=システム




起動」







ジューサの剣が一渡を貫き…終焉の光を放ち……彼を終わらせた






「……悪用されないようにファーストップ=システムの機能も終焉した、もうこれでNo.0が脳を取ったとしても力は使えないだろう」





そう呟き、動けなくなった物に背を向けるアーサ……そして最後に呟く








「……さよならイチ



僕の……【365の最初の相棒】」










----- 何処かわからない場所 -----




「……ここは」






そうか、俺は死んだのか





ようやく人としても…オートマタとしても死ねたんだな






「おーい!!」






何処かで俺を呼ぶ声が聞こえる





「……その声」







振り向くと見慣れた懐かしい奴ら







「クイ…リーヴェ…オルストロ…アスパシア…ルギアン……そして」








「頑張ったねお兄ちゃん…でももういいんだよよ」





俺の元にとてとて走り、切られたはずなのに存在する左手を掴むちび助、妹のように可愛がったいっつもこけそうで危ないガキ








「……【×(ペケ)】」







「行こう!!お兄ちゃん!!!!!



ずーっと一緒!!!!!」







「………」






ああ、そうだな、またお前らと





「ああ……行こう」





ずっと一緒に






いつまでも






ずっと 







- 俺のとっての家族だから -
















- 残り4話!! -





































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