第44話 管理者総攻撃!!
ここはレイの意識空間の中
「うぐ……えぐっ……」
レイの前で泣いている少女……もう一人のレイだ
「ねぇ、どうして泣いているの?」
レイは泣いているレイに話しかける
「怖いの…」
「怖い?」
「私…何度も殺された…その度にリセットして、生を繰り返した…それでもまた殺されて…リセットして……」
レイ自身記憶にはない、だが潜在意識はちゃんと覚えていたのだ
「……大丈夫」
「え」
レイは涙を流すレイを優しく抱き締める
「きっと、もうそろそろ終わるはずだよ」
「…………!!」
涙を流すレイは目を大きく見開き、そして落ち着き頷く
「………うん」
----- 一方 -----
「はぁはぁ……」
体を支えながらゆっくり歩くNo.0、一体何があったんだと考える。
「(俺のファーストップ=システムが反応しなかった……)」
ファーストップ=システム
イチの持つ機能だ。
全ての1秒先の未来が見える最強の機能
だが反応はしなかった
「何故…見えなかった」
無敵だと思っていたのに、信じたくなかった
?「なーんだ、その機能対したこと無いんだねぇ~」
「!! 誰だ!!」
声の方を見上げるイチ、木の上から聞こえる
木の上にいた人物はとおっ!と下に降りてきた
「ハロ~イッくんメリクリ~」
「……ジュニ」
サンタの格好をした少女、そうジュニだ
「……わざわざ敵の前に現れるとはどういう意味だ?」
ノンノンノンと首を横に降るジュニ、争いに来たわけではないらしい
「いやいや~、あなたたちを助けに来たんだよぉ」
「は………は?」
息を荒げながら何を言ってるんだ?とNo.0
「どういうこと?…まさかわざわざ敵に自分の脳ミソをあげに来たとか?」
嫌味で言ったつもりでにやにやするNo.0
しかしジュニは
「………うん」
サンタ帽を脱ぎ捨て頭を抱え……開けた
「そうだよ」
「!!!!!」
驚く二人
「お前…どういうつもりだ」
「だからあげるって、ほら、入らないの?」
「…………」
何を考えている、そう警戒する二人
こういうときジュニの内面が知れたらどれだけ楽だろう、けどわからなかった
「………見えない」
その言葉にジュニの真剣な顔になり答える
「ふぅ~ん、やっぱり見えないんだ
そのファーストップ=システムってやつ【相手の内面】は読めないんだね」
「!!」
その言葉に驚くイチ
「そういうことかよ……」
言われて知ることができた。いや、本人が知らなかったのも問題ではあるのだが
ファーストップ=システム、確かに一秒先の未来が見えるのは無敵に思えるだろう
ただ弱点は多かった
その一つとして【相手の行動は読めるが相手の内面は読めない、外(行動)は読めるが中(思考や心)は読めない】
ということだ!!
「………まじかよ」
「自分でもわからなかったんだ♪」
首を傾げて煽るジュニ
「はぁはぁ…関係無い!!」
No.0は右手をミナゴの力を使いドリルに変える
「倒せば良いんだもん!!」
「だからさあ」
ストップストップとジュニ
「あげるって言ってんじゃん、てかどのみち私戦闘型じゃないし戦っても勝ち目ないもん」
「知るかあ!!」
飛びかかろうとするNo.0、しかし
「……待て!!」
手を伸ばし制止するイチ
「何で!!」
どうして止めるの!?とNo.0
「……わかった、ならありがたく頂く」
「え!?」
と驚くNo.0
「罠だよ!!駄目だって……」
「黙ってろ!!!!」
「………!!」
いつもより厳しめな口調に驚くNo.0、そのままたじろいでしまう
「うふふ♥️ やっぱり少し迷ってるんだ」
確かにイチは裏切った、ペケを助けるために
けど今の仲間を殺すことに葛藤はしていたのだ
「そんなに悩むんなら最初からこんなことしなければ……いや、レイちゃん殺さなきゃ良かったのに~」
「…てめえ!」
煽られて怒りに来るイチ、しかしクスクスと嘲笑っていたジュニは真面目な顔になり
「……未来が見えるのに過去に囚われてるなんて……ほんと哀れだね」
「………!!」
その冷たい目付き、今でジュニがしたこと無かった目付きと痛い部分を付けられ手が震える、そして焦りと怒りの余り
「…うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
グシュッ
勢いおく片手剣を持って飛びかかりジュニは突き刺した!!
「……かはっ」
吐血をするジュニ、いや、オートマタだからオイルの方が正しいのかもしれない
ジュニを突き刺したイチ…もとい天晴一渡の頭にジュニの口からポタポタと液体が垂れる
まるで終始くっついてやると呪うかのように
「そのまま…あげるよ…って…言ったのに……もう…救いようがないね……」
震える眼をイチに向けて倒れる前に一言放った
「もう……取り返し付かないよ……断罪人」
「………!!」
その言葉を残したままジュニは倒れた
「はぁはぁ…はぁはぁ…」
この短時間でイチの心は疲弊した
ファーストップ=システムの弱点を知ってしまった
ジュニに心の隅に閉まっておいた触れられたくない所を着かれた
自分はペケ…過去の友を助けるためにやってる。しかしその為に今の仲間を殺してる
「はぁはぁ……!!」
「ああ…うあああああああああああああ!!!!!」
葛藤し自暴自棄になり片手剣を振り回すイチ
「はぁはぁ……ぐっ…!!」
自分の腕に剣を突き刺した事で落ち着いたようだ
「……何も考えるな俺」
そういってジュニの脳ミソをぐちょぐちょと取り出し動けないNo.0の頭に混ぜ入れる
「とにかく…これで事は進んでる」
脳を回収し安堵したイチ、しかしNo.0の体に異変が
「………いやあああああああああ!!!!!」
「なっ!?なんだ!?」
ジュニの脳を混ぜた瞬間、No.0の体が黒い灰のように崩れ始めてた!!
「何でだ!? 何で!!」
何が起きているのかわからないイチ、その時背後から声が聞こえる!!
「それがジュニの機能【イヤーエンド=システム】じゃ!!」
「……お前ら!!」
イチが背後を見上げるとそこには星を抱えるオリとヒコの二人、そして巨大な満月を片手で持つクゥがいた!!!!
「お前ら……まさか!!ジュニのやつ」
オリとヒコの持つ機能【スターコマンド=システム】星に命ずる力を持つ
そしてクゥの持つ【ムーンインフェルノ=システム】月を世界に侵食させ巨大に増すことができる
そしてジュニの【イヤーエンド=システム】
この機能を持たない相手にこの機能を移すことで【対象は徐々に頭の中で除夜の鐘に響く度に終わりを迎える】
ゴーン、ゴーン
「ああああ!!!!!うるさい!!うるさい!!うるさーい!!!!」
全てはジュニの思いどおりだった
ジュニにはさらに2つ目の機能がある
【ジングルレター=システム】
どんなに遠くはなれている相手にもプレゼント箱に入れた通達を転送させ贈ることが出きるのだ。
予め残りの管理者達はこのジングルレター=システムで情報を贈られ作戦を練っていたので
「ジュニのやつ……!!」
はめられたと怒るイチ
「逃げるぞ!!」
あれを喰らったらまずいとNo.0を抱えて逃げようとするが
「グルルルルルルルル!!!!!!!!!」
ガブシュっ!!
「!!ぐあああああああああああ!!!!!」
背後から何者かに噛みつかれ動きを封じられる
?「ハチの機能【ゴーストリック=システム】だ
よ」
噛みついたのは、ハチ!! そしてハチと共に押さえるのは飼い主である長政だ!!
「ゴーストリック=システム【ハチそのものが霊体になって姿を消すことができる】んだ!!」
「ちっ!!離せ!!」
長政がハチの機能を説明しながらイチを抑える!!
「くそっ!!」
抑えられながらNo.0の方を見ると
「うっ!?なに!?体が抑えられたみたいに動かない!!」
体をじたばたしても動かない!!
そしてNo.0の方にだけ降り注ぐ雨
「まさか……!!」
イチは見えない存在に叫ぶ
「お前か…ムー!!」
「………逃がさない……!!」
イチの言葉にすうううと実態が出てくるムー
彼女の機能レインステルス=システム【雨に隠れて体を透明化できる】
「く、くそおおおおおお!!!!!」
ここまでなのかよ……と前を見上げるイチ
「あ………」
もはや顔の0距離まで無数の星と大きすぎる満月が落ちてきていた
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
無数の星と巨大な満月が落ちた衝撃は大きく365から代償として星と月が消えた
地面はひび割れ木々は倒れ建物は崩壊
まるで砂漠のような無法地帯へと世界が変わった
「……ふぅ、一度きりの機能とはいえ凄い威力じゃのう」
腕を組んでうんうんと頷くクゥ
「それはそうとこうなってはここはもう住めないな」
「なら火星にでも行く?♥️」
と終始イチャイチャしてるオリとヒコ
そういえばイチとNo.0を抑えていた、長政、ハチ、ムーはというと……
「いやぁ~あの衝撃でアフロになるだけで良かったよ~💧」
「バウバウ!!」
生きてた、一人と一匹は頭がアフロになるだけで住んだ、横にいるムーに至っては「う~ん」と目を回して伸びている
星と月が無くなり真っ暗になった365、そんな中でも勝利したことを管理者達は喜んでいた。
「それはそうとレイを探しにいかないとのう」
「うん、さっきの衝撃で何処かに吹き飛んでるかもしれないし」
「それなら私がアルタイルを使って探させよう」
クゥと長政の言葉にヒコが答える
「ただ先ほどの戦いで消耗した分、使える力はこれで最後………」
アルタイルを呼び出す
………はずだった
ズブシュ!!!!!
ズガガガガガガ!!!!
「!!!!!!!!!!!!!!!」
無数の刃物が管理者達の背中を貫いた
「なっ……!!」
倒れる管理者達……的確に急所を狙われ全滅した
煙の中から現れる人物……なんとイチとNo.0だった
「ふぅ………ありがとうな【ペケ】」
イチとNo.0を助けたのは管理者でも誰でもない
なんとイチのかつての仲間…ペケの力だった
あの時、星と満月の直撃を喰らうとき、覚醒したのだ。
No.0の頭にあるペケが
「……ダメ」
そう呟いたのはNo.0なのかペケなのかはわからない、しかしそう呟かれた星と満月にバッテン印が付けられ軌道を変えたのだ
それがペケの機能なのだろう
イチは心の中でペケに感謝をしながら倒れた管理者達の脳ミソを纏めて回収しNo.0の脳に混ぜる
「……そんな一変に入れられると気持ち悪い」
「我慢しろ、これで残りはレイとジューサの脳だけだ」
メインディッシュだろ?と言うイチに対してくすっと笑みを浮かべ立ち上がるNo.0
「そうだね」
「んでどっち先なんだよ」
No.0はとっくに決めている
「今回の件で管理者の脳には入らないのもあるのがわかった、だからそれをリセットするために行くよ」
ボロボロの体をよろよろと無理矢理目的の場所まで歩かせる
「……レイの所へ」
- 続く -
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