魔王を倒した勇者(童貞)は美少女ハーレムを築いて隠居するが、勇者に隠居という選択肢はないらしい。

昼寝部

第1話 童貞、美少女メイドを雇う

 この世界は数100年おきに、勇者と魔王が現れる。


 俺、シオンは10歳になった時に神から『勇者』というスキルをいただく。


 その日から、小さな村で過ごしていた俺は、この世界で最も大きい国である『クルーガー王国』通称、王都で暮らして、魔王を倒すための特訓を課せられた。


 そして、10年後の20歳となったある日、俺は3人の仲間と共に魔王を倒した。




「勇者パーティー諸君。よくぞ魔王を倒してくれた。諸君らのおかげで、魔王軍は壊滅し、平穏がもたらされた。そこで、それぞれに褒美をやろう」


 俺たち、勇者パーティーは現在、『クルーガー王国』の国王であるロミオ•クルーガーと謁見している。


「まずは聖女フィアナよ。其方の望みはなんだ?」


 聖女フィアナ。この国にある教会の出身で、俺たちの回復や支援を行っていた。


 胸が大きく、黒髪を腰まで伸ばしている美少女で、俺たちのお姉さん的存在だ。


「私に褒美は不要です。私の望みはただ一つ。貧しい方々を救うこと。私へのお金は貧しい方々に使っていただき、一人でも多くの方を救っていただきたいです」


「わかった。貧しい方々を一人でも多く救うと約束しよう」


(さすがフィアナ。その精神、俺も見習わないといけないな)


「次に戦士、レオルド。其方の望みはなんだ?」


 戦士レオルド。男性のドワーフで主にタンクの役割を担ってくれた。ちなみに100年は生きているらしい。


「俺は鍛冶屋を開きたい。年々、冒険する体力や力が衰えてきている。ここらが潮時だと思ってな。だから、この国で鍛冶屋として働き、この国に貢献したい」


「わかった。鍛冶屋を開くための建物や道具を全て準備しよう」


(さすがレオルドさん。引退してもこの国のために働くなんて)


「次、魔術師ルナ。其方の望みはなんだ?」


 魔術師ルナ。攻撃魔法に特化しており、魔術を使っての攻撃役を担っていた。


 赤い髪をツインテールにしており、俺と同い年のはずだが、背が小さく可愛らしい美少女。ちなみに胸も成長してない。


「そうですね。アタシは魔術師専門の学校を作ろうと思ってますので、学校を建てていただきたいです。若い子たちの魔術を少しでも底上げできるよう、この国に貢献させていただきます」


「わかった。学校の建設を急がせよう」


(さすがルナ。魔術師としてこの国の繁栄のために、優秀な魔術師を育成するつもりなんだな)


 俺は3人の褒美内容に感心する。


「では最後に勇者シオン。其方の望みはなんだ?」


「あぁ、俺は……」


 大事なことを言うため、あえて溜めを作る。


 そして…


「美少女ハーレムを作って、毎日淫らな隠居生活を送るための屋敷と金が欲しい!」


 俺は堂々と言う。


「「「「「…………………」」」」」


 しばらく無言の時間が続きました。





(なぜかみんなの視線が痛かったが、無事に大量の金と立派な屋敷を手に入れたぞ!)


 その際、ルナから「バカ!アホ!死ね!シオンのバカ!」と、ひたすら罵られてしまった。


(だが、ルナから罵倒されるなんて日常茶飯事だった俺には耐性がついている。そんな罵倒如きで、俺の望みは変えない!)


 そして、現在、俺は大量の金を持って、美少女メイドを雇うため、メイドを雇うことのできる店の前にいる。


「すみませーん」


 俺が店に入って店員を呼ぶ。


 すると、一人の女性がやってきた。


「はい、いらっしゃ……って勇者様!」


 その店員は俺を見て驚く。


「あ、ははは……」


(さすがにわかるよな。俺たちが魔王を倒した時にパレードとか色々したからな)


 俺は驚いている店員に用件を伝える。


「これから生活していくため、メイドを雇いたいと思ってな。若くて可愛い女の子を数人頼む」


「わ、わかりました!」


 しばらく待つと、一人の女性が現れる。


「も、申し訳ないのですが、今、可愛いメイドはコチラのメリッサしかおらず…」


「おぉ」


 店員から連れられてきた女性の可愛さに俺は声を漏らす。


 肩のあたりで切り揃えられたピンク色の髪。メイド服からでもわかる巨乳。


「数人とのことだったのですが……」


 店員は申し訳なさそうに言うが……


「いや、問題ないよ。この子を雇おう」


(できればメイドで美少女ハーレムを築きたかったが、いないなら仕方ない)


 俺は即決し、簡単に自己紹介をする。


「俺はシオン。勇者をやっていた。今後は冒険に出らず、淫らな隠居……じゃなくて隠居生活を送る予定だ。そのために、俺の生活をサポートをしてほしい。これからよろしくな」


「私はメリッサです!ご主人様の身の回りのサポートをさせていただきます!よろしくお願いします!」


 笑顔で俺に自己紹介をしてくれるメリッサ。


(おー!笑顔がすごく可愛い子じゃないか!しかも巨乳!)


 俺はメリッサの自己紹介を聞いて、メリッサを雇うための手続きを行う。


 金は有り余っているので、契約内容は俺が契約を破棄するまで。


 契約の手続き中、俺は気になっていることをメリッサに聞かれないように聞く。


「なぁ、メリッサの了承があれば、その……エッチなことをしても問題ないんだよな?」


「はい!無理やりとかではなければ大丈夫です!ちなみに、メリッサと結婚することも可能ですよ!」


「そうか、ありがとう」


 店員の答えに満足し、俺はメリッサと契約して、国王からもらった屋敷へと向かう。


 道中、メリッサから様々な質問をされる。


「ご主人様は勇者シオンですよね?冒険に出なくても大丈夫なのですか?」


「あぁ、魔王が死んだことにより、魔物が生まれることはないから、俺が戦わなくても、この国の冒険者たちがなんとかしてくれるはずだ」


 魔物、それは魔王によって生み出される生物。


 魔物は魔王の命令により、街や村を壊滅させ、人を殺してきた。


 しかし、現在は魔王が死んだため、魔物が生み出される心配もない。そのため、国の冒険者たちが手分けをして魔物の残党狩りをしている最中だ。


 そんな会話をしていると、俺が王都内にある国王からもらった屋敷に辿り着く。


(おー!なかなか立派な屋敷だ!)


 俺は立派な屋敷に驚く。


(立派な屋敷をゲットして、了承があればエッチ可能な美少女メイドも雇った。本来はメリッサ以外にもメイドを雇って美少女ハーレムを作る予定だったけど、こればかりは仕方ない。別の方法で美少女ハーレムを築こう)


 そんなことを思いながら、メリッサと一緒に屋敷に入った。

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