第1話 出会い
~9年前 ~ 例年通りに多くの子供達が小学校に入学をした。学生なら誰しもが不安と期待に胸を弾ませ、群がる掲示の前に彼らはいない。
集まるのはそう、彼らの保護者達だけだ。
見知らぬ顔ばかりの知らない校舎。憧れ待ち望んだ小学校を前にして不安と恐怖で落ち着かない。
それもそうだ昨日までは生まれた時からすぐ近くで暮らしていて気がついたら一緒にいた友達がいて。優しい幼稚園の先生に甘やかされていたのだから。
さて入学式も終わってしまったようだ。それぞれが自分のいや、自分達の教室に入り、足が床につかないほど大きな椅子と机に座った。
そしてある少年は1人の少女に目を奪われる。
彼こそこの物語の主人公だ。
彼の名は「安元陽太」
一目惚れだった。彼自身にそんな気は全く無かったが、間違いない一目惚れだ。
徐々に上がる体温かけっこをした時のように早くなる鼓動。幼いながら自分の異変に気づいたのだろう「おかしいなぁ…」小さく誰にも分からないくらい小さくそっと呟いた。
彼女は「南原加奈」というそうだ。
入学初日はあまり時間が無い。授業なんてものはまだない。あっという間に時間は過ぎ陽太の中に違和感を残したままその日は帰宅することとなった。家に帰ってからも陽太はあの不思議な感覚のことを気にしていた。「なんだったんだろう。」ボソッと呟く。いくら考えたって分からない。初めての感覚。今までこんなことはなかったのに。加奈の姿を見た時加奈の声を聞いた時。その時した現れない。不思議だ。訳が分からい。なにかの病気かもしれない。考えれば考えるほど分からなくなる。頭が破裂しそうだこんなにも頭を悩ませたことがあるだろうか。いやない。あまり良くない頭をこんなにも使ったのは初めてだ。今日は何もかもはじめての体験だった。今日陽太の恋は始まった。初めて出会った彼女に心奪われた日。輝かしい出会いの日。さて陽太の物語ペンを取るとしようか。
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