第62話 サーシェル学園

 これは半年前の話 エスカルド サーシェル学園


 今日はいい天気だったので外で昼食を取る事になり私達は食事をしている

 そして私達はお弁当を食べ終わり、友人と談話している


「ねぇーマリアは居ないの? 好きな人」


 私は友人の一人にそう問いかけられる

 な、何を言い出すのよ行き成り……


「い、居ないわよ、そう言う貴方はどうなの?」

「わ、私は居ないよ~」


 嘘おっしゃい、顔に出てるわ

 まぁでも追及はしてあげないであげましょう、ふふふ


「それより貴方、今日は当番でしょ? 午後の授業の準備をしなくて良いの?」

「あぁ! そうだった!! ごめんね、私行くわ」


 と言って青髪のエミリーが教室を飛び出し廊下の奥へ消えて行く

 彼女はこの学校に入学して以来の親友、彼女の明るさには何度か助けられている、時々鬱陶しいと思っちゃう時もあるけれど……


「……」


 そして私の横で黙って私を見つめているのはサシャ

 私以外の人と彼女は殆ど喋らない、だけれど私とは話してくれる、それでも少し声は小さいけど


「ねぇ、サシャ私達も行きましょ」


 先生の手伝いをしているエミリーを少しからかってやりましょう

 そういう意地悪心が私の中に生まれていた。


「……うん」


 サシャは何時もの様にとても小さな声で返事をする

 サシャの手を握る


「さぁ、行きましょ!」


 これが私の普段の学園生活だった。

 それが崩れたのはそれから二日後の事だった。

 エミリーがシルフィア先輩にぶつかりエミリーが持っていた花瓶の水がシルフィア先輩の服に掛かってしまった。あの日


「ご、ごめんなさい! せ、先輩」


 エミリーは必死に謝っている、その横で私も一緒に謝っていた。場所は多くの生徒が居る食堂

 シルフィア先輩は周りに必ず取り巻きを引き連れている数は三、四人、取り巻き達はエミリーの前に立ちエミリーを叱っていた。


「貴方! 何処を見ていたの!?」

「……ごめんなさい」

「この服どうするつもりなの? 貴方が弁償するのかしら?」

「あぅ……それは……」

「こらこら、お止めなさい、水が服にかかっただけよ」


 とそんな取り巻き達を制するシルフィア先輩


「で、でもお姉さま……」


 彼女は取り巻き達にお姉さまと呼ばれている


「ごめんなさいね、でもこの子達には悪気が無い、ね? 許して貰えるかしら?」


 と笑顔でそう私達に言ったのだ……

 この時私は思った。なんて心の広い人だろうと

 その場はそれで治まった。


「良かったぁ~一時はどうなるかと思ったよぉ~」


 等と呑気に言っているエミリーに私は苛つき


「全く! シルフィア先輩が許してくれなきゃ本当にどうなってたか分からないんだからね!? ちゃんとしなさい!!」


 と思わず声を出すのにも力が入ってしまう


「あぅ、ごめんよ、マリア、マリアもあの時一緒に謝ってくれてありがとうね」

「そんな事どうでもいいのよ、次からは本当に気を付けなさい!」

「う、うん」

「貴方が先生の手伝いや何やらで忙しいのは分かるけどそれで他の人に迷惑を掛けては元も子もないわ」

「うん……」

「……本当におっちょこちょいだね、エミリーちゃん」

「全くよ」

「うぅ、面目ない……」


 そして全ての授業が終わり、私が一緒に寮に帰ろうとエミリーの元に行くとエミリーに「用事があるから先に行っていて」と言われたので私は聞き返した。


「用事って何よ? また先生の手伝い?」

「ううん、違うよ、こんなのが私の机の引き出しに入っててさ」


 とエミリーが一つの手紙を私に差し出して来た。

 宛先も書いていない封筒を開け中身の紙を広げて見る

 そこには


「下校後 旧校舎 第三教室にて待つ」


 とだけ書かれた手紙が有った。


「何これ……」

「わかんない、とにかく行ってみるよ」

「ちょっと待ちなさい、おかしいわよこの手紙、行くのは止めて置きなさい」


 旧校舎 第三教室

 今はもう旧校舎自体使われておらず普段は鍵か閉められ生徒は入れない様にされている

 なのであそこには生徒は勿論、教師だって全くいない場所

 そんなとこに呼び出すなんてきっと何かある、私の直感がそう言っていた。


「さぁ、一緒に帰りましょう」

「でも……」

「いいから!」


 と私はエミリーの手を強く引く


「やっぱダメだよ……もしかしたらこの人困ってるのかもしれないし……」


 でもエミリーも強情で自分の意思を曲げなかった……

 この子は本当に優しい……

 もう、仕方が無いわね……


「……もう、分かったわ、でも貴方も行くのなら私も行くわ」


 そうするとエミリーは嬉しそうに私の顔を見てお礼を言った。

 彼女もあぁは言っていたが正直怖かったのだと言う

 そうでしょうね、私もそんな手紙が送られてきたら怖いわ

 エミリーと共に旧校舎に向かった。普段は閉まっているハズの旧校舎の扉も開いていた。

 不気味な音を出しながら開く木製の扉

 旧校舎の中はまだ日が有るというのに薄暗い、それがますます私を不安にさせた。


「……」


 エミリーは私の右手を握っている、その右手がぎゅうとエミリーの手が食い込む、エミリーも不安なのだろう

 私もエミリーを離すまいと握る手に力が入る

 埃っぽい廊下を歩く

 第三教室? 何処に有るのかしら?

 旧校舎なんて来るのは初めてなので一切知識がない


「何処にあるんだろうね? 第三教室」

「ん~扉にプレートが付いてるんじゃないかしら? 確信は無いけれど……」

「うん、そうだね」

「此処は第二教室だそうよ」


 と私が第二教室と書かれた扉のプレートを指差す。


「あ、本当だ。じゃあ次の教室が第三なのかな?」

「きっとそうね」


 次の扉に移動する、すると狙い通りそこには第三教室と書かれたプレートが掛けてある扉があった。

 そして確かにその扉の奥から人の気配がする

 恐る恐る扉のノブに手を掛け開ける

 すると教室には私達より上級生であろう女性が三人立っていた。

 見た事の無い人たちだな……何の用なんだろう?


「あら、ごきげんよう」


 とその内の一人が礼儀正しく挨拶をする

 なので釣られて私達も挨拶をする


「ごきげんよう」

「こんにちわ!」

「あら、良いお返事ね、こちらにいらっしゃい」


 と笑顔で手招きをする

 何かその笑顔に嫌なモノ感じて怖気づく私、しかしエミリーはその笑顔に安心したのか簡単に彼女の元へ向かおうとするのを私がエミリーの手を掴んで止めた。


「? どうしたの? マリア?」

「……」


 何も言い返せない、それもそうだ何故なら嫌な予感がしただけなのだから、それだけでこの部屋から出て行く訳にはいかない


「な、何でも無いわ、ごめんなさい」


 私はエミリーの手を離す。


 私とエミリーは三人の上級生の元に近寄る

 するとその内の一人が口を開いた。


「私が呼んだのはエミリーだけの筈だけれど、貴方は?」


 私を威圧する様にそう質問をする黒髪の上級生


「わ、私はエミリーの友人のマリア・ワルクルスです。付き添いで着いて来ました……」

「あら……そうなの」

「あぁ、この子あの時にも居たわね」


 とまた別の上級生が何かを思い出したかのようにそう言う

 あの時? あの時っていつの事かしら?


「隣で一緒に謝っていた子ね」


 謝っていた……? 隣で? まさか昼の食堂での事を言っているのかしら?

 私を意を決して聞いた。


「あ、あの、何故エミリーを此処に呼んだんですか?」

「……」


 三人は何も答えない

 や、やっぱり何かおかしいわ、この人たち、何を考えているの?


「ふふ、まぁいいわ、貴方も同罪ね」

「え? どうざい……?」

「そうよ、貴方達はお姉さまに泥を塗った。その罪を償いなさい」

「え?」


 私は思わず間抜けな声が出てしまった。な、何を言っているの……? この人?

 黒髪の上級生が怪しく笑う


「貴方達は私達のお姉さまの服に水を掛けた……間違いないわね?」

「で、でもそれはワザとじゃありません!」


 そう私が言った瞬間私の右頬に衝撃が走り、パチン!! という音が教室に鳴り響いた。


「マリアちゃん!!?」

「止めなさい! もし傷になったらどうするの? この事が教師にバレてしまうわ、少し頭を使いなさい」

「ごめんなさい、でも仕方が無いじゃないこの子が生意気なんだもの」


 と悪びれる訳でも無く飄々とそう言う上級生……

 私は思った。とんでもない所に来てしまった……と


「も、もう止めて下さい……全部私が悪いんです……」

「そうよね? この子は本来関係の無い子よね? 可哀そうにおバカなお友達を持ったばっかりにこんな目に遭って」

「本当よ本当、貴方の所為よ」


 な、何よこの人たち……おかしいわ、逃げなくちゃ……

 隣に居るエミリーの手を握りいつでも逃げれるようにする


「でさ、手を出しちゃいけないならどうするの? どうやって”制裁”する?」

「簡単よ」


 と上級生の一人が私達に向かって来る

 私はそれに反応し後ろへ後退する、勿論エミリーも一緒に

 しかし此処で絶望の音が鳴る

 後ろから戸が開く音がしたのだ。

 私は恐る恐る振り返る……


「お待たせ、どう?」

「あぁ、良い所に来たわね」


 後ろにもまた女性が居た。この口ぶりからするとあちらの仲間の様だ。

 出入口を塞がれた。

 逃げる事が出来ない


「なに逃げようとしているのよ!」


 と私の髪を引っ張る上級生

 痛い……けど決して口にはしたくない、だって私のプライドがそれを許さない


「や、やめて……!」


 と瞳に涙を浮かべたエミリーが止めに入る


「じゃあどうするの? 貴方は何をしてくれるの?」

「な、何をするって……」

「じゃあ、そうねぇ、私の靴でも舐めて貰おうかしら?」


 !?


「え?」

「や、止めて! エミリーこんな人たちの言う事聞く必要無いわ!!」

「アンタは黙ってなさい!」

「キャッ!?」


 とまたしても髪を引っ張られる


「マリアちゃんがどうなっても良いの? ねぇ?」

「……分かりました」

「エミリー!! 私の事はどうでもいいの!! 止めて、そんな事しないで!!」


 私は暴れて髪の毛を掴んでいる手を振りほどこうとするが今度は相手は全身を使って床に押し付けられる


「大人しくしてなさい」


 エミリーが私の言う事を無視して地に膝を突く

 や、止めて……私の為にそんな事をしないで……

 幾ら言っても無駄だった。靴を舐める、文字で書き出せば簡単な事の様に思うかもしれない、だけど違う、そんな簡単な事じゃない

 エミリーは上級生の言われるがまま靴を舐め、それを笑われた。

 そんな光景を見せられて私が正気で居られる訳が無い


「ふ、ふざけるな……! 私の親友を笑うな!!」

「貴方さっきから五月蠅いわねぇ、そうだ! 貴方も舐める? 靴」

「この子と同じではつまらないわ、此処に居る全員分の靴を舐めて貰いましょうよ」

「それいいわね」

「止めてよぉ! マリアは関係無いんだよぉ!!」


 必死に上級生の足にしがみ付くエミリー

 上級生はエミリーの首元に両手を移し首を絞める

 苦しむエミリー

 私はその手を解く為に全身の力を使い私を伏せさせている腕を振り解こうとする、が勝てない

 そんな私の前に上級生が来て、靴を差し出す。


「ほら、早く舐めなさい、でなきゃあの子が大変な事になるわよ」

「止めて!! 関係無いって言ってるのに!!」


 エミリーを見る

 もう首は絞められていないがもし此処で私が言う事を聞かなければ、何をするか分からない……

 悔しい、こんな奴らに好きにされて親友もバカにされて……私は何も出来なくて

 私の視界がぼやけ頬に熱いモノが走る


「あら、かわいい泣いてるの?」

「本当だ。泣いてる、フフッ」


 そしてその場に居る上級生達がニヤニヤと不気味に笑いながら私を囲み始める


「早くしなさい、次があるんだから」


 ……目の前にある、靴に舌を伸ばす。


 「クスクス、いい子ね、いい子いい子」


 と全員の靴を舐めた私の頭を撫でる黒髪の上級生

 ふざけるな! バカにしているのか! 頭に血が上る

 頭を振りその手を振り解く、目と頬にあった涙が飛び散る


「今日がこんな所で勘弁して上げるけど明日から休み時間になったら此処に来なさい、必ずね、もし来なかったら貴方達のもう一人のお友達、サシャちゃんだっけ? あの子に犠牲になって貰うわ、この事を他の人に言っても同じよ」


 その言葉を最後に私達は第三教室から追い出される

 エミリーとお互い口も交わさず旧校舎から出て行く

 旧校舎を出た瞬間、エミリーが泣き出し、私に謝罪をする

 ごめんね、ごめんねと自分の両手で顔を隠すように覆いながら……

 良いのよ……私は貴方の事を恨んでいないわ

 と言ってエミリーの頭を撫でる

 エミリーの柔らかな青色の髪から温かさが伝わり私の心を癒してくれる

 エミリーも同じな様だ。


「良いのよ、私は、こんな事なんて事無いわ」


 と精一杯のやせ我慢をする

 安心しきって今にも涙が零れそう何てことは言えない


「……嘘だよ、あんな事させられて大丈夫な訳無いよ、私より、ひどい目に遭ったんだもん……」

「な、何よ! 靴を舐めるくらい何てこと無いのよ、別に悔しくとも何ともないわ! エミリー! これは嘘じゃないんだからね!」


 嘘だ。

 そんな嘘を受け止めてくれたのかエミリーはそれ以上その事を追求してこなかった。

 その代わりにお礼を言われた。


「ありがとう、マリア、マリアは私の大切な友達だよ、ずっとずっと一緒に居ようね、約束だよ」


 私はそれに「うん」と答えた。



 次の日から上級生からのいじめが始まった。

 犬の真似をした床に零れた紅茶も舐めた彼女達から言われた事は何でもした。


「……大丈夫? 最近様子がおかしいよ」


 あれから数日が経った。

 ”彼女達”からはこの事を他の人に悟られる様な事はするな、と言われていた。

 もし悟られてしまったらサシャもこの件に巻き込まれてしまう

 なので私達はこう答える


「大丈夫よ、なんでおかしいと思ったの?」

「そうだよ、マリアは何にもおかしくないよ、普段通りだよ」

「そうかな……」


 サシャは納得していない様子だったがこれ以上何も言わなかった。

 それがいけなかったのだ。彼女の様子が”おかしかった”事に私は気が付かなかった。

 とある日、第三教室で私が上級生の椅子になっていた時だった。

 第三教室に教師が飛び込んで来たのだ。

 その教師は私達の担任の先生、サシャが私達の事を怪しんで後をつけ、この事を知った。それで先生にそれを報告して今に至る

 先生は私達を救ってくれた。その場でその場限りで

 上級生達を制裁してくれた。彼女達を停学にしたのだ。

 私は救われたと思った。

 しかし違った。

 彼女達が停学を受けた次の日

 サシャが階段から転び降り、大けがをした。これは事故だと先生達は言った。

 私達二人の見解は違った。

 これは制裁

 私達があの事を悟られてしまった事に対する制裁

 私達をイジメて居たのは五人

 しかし他にも仲間が居たんだと私達は悟る

 そして私の机に手紙が入っていた。宛先も送り主の名も書いていない手紙

 第三教室にて待つ

 そう手紙には書かれていた。


 放課後、私達二人は急ぎ第三教室に向かう

 すると知らない上級生が二人居た。

 彼女達は私達が入って来た所を見ると

 ギロッと睨みつけ


「呼ばれた理由は分かるわよね?」


 と私達を威圧する


「……はい」


 もう私のプライドはへし折れ素直に彼女達の問に何の疑問も持たず私は素直にそう答える様になってしまった。

 後で考えればそんな自分を軽蔑する所だけど今の私にはそんな事を考える余地が存在しなかった。


「貴方達が下手な事をしてくれたお陰で私達の”仲間”が停学になってしまったわ、どうしてくれるの?」

「ごめんなさい」

「すいません」


 本当に私達は素直になってしまった。これでも三日目までは抵抗していたのだが……それも無駄だと悟り私達は諦めてしまった。無駄な抵抗だと


「あの子達の制裁は甘かった様ね、でも私達は違うわ、私達はあの子達程甘くないの」


 そう言い上級生は黒い怪しくてらてらと光る鞭を取り出す。

 それを見た瞬間私の身体は凍る

 エミリーも同じ

 震える事も無い、身体が恐怖で固まってしまって動けない

 目の前の鞭を持った上級生からは前までの上級生とは明らかに違う、異常性を感じた。


「上着を脱ぎなさい、露出する所は傷つけられないからね、ほら早く」


 私達は抵抗も反抗もせず、キャミソール姿になるまで上着を脱ぎ、体罰を待つ

 羞恥を感じ、顔が熱くなる、何の意味も無いが両手でキャミソールを精一杯隠す。

 これから痛みが来るという恐怖よりも羞恥が勝ったのはこれから来る痛みについて私が甘く見ていたからだ。

 羞恥は一発の鞭で消え去った。

 うぐっという声にならぬ悲鳴を上げ

 私は崩れる

 鞭の当たった所を手で押さえ痛みを和らげようとするが無駄、刺さる様なその痛みは消えない

 痛い! と叫ぶ事も出来ない、そんな余裕は無かった。

 そしてその痛みが四回続いた後私達は解放される

 しかし明日、また同じ痛みが私達を苦しめる

 服の下の傷は日に日に増え赤い傷に青い傷が雑じり、一番最初の傷が治ってもまた新たな傷が出来上がった。

 そんな毎日でも何とか私達は耐えていたがとうとうエミリーが堪えられず、私にこう洩らし


「ごめんね……マリア、ごめんね、もうたえられないよ」


 次の日から学校に来なくなってしまった。

 私の心も揺らいだ。今まで苦渋を共にする人が居たから耐えられていたがもう居ないのだ。

 サシャも階段から落とされ大けがをしてから学校に来ていない、もう私には味方が居ない

 しかしそれは裏を返せば私ももう彼女達の奴隷になる必要も無くなったという事だ。何故なら彼女達はサシャやエミリーを人質に取り私を奴隷にしていた。

 その脅しの材料が無くなってしまえばもう私を脅せない……今なら彼女達の事をあの事を先生に言ってしまう事だって出来る、そう思っていた。

 だが私は甘かった。

 次の日、同じクラスの女の子が二人怪我をした。

 一人は上から落ちて来た花瓶が割れその破片が足に刺さり

 一人は靴の中に何故か入っていた小さな釘に足が刺さり

 完全部外者の二人が怪我をした。そしてその意味を私は知っていた。警告

 脅しの材料なんて幾らでもあったんだ。私達の事でクラスの子に迷惑を掛ける事は出来ない……

 私は向かう手紙は無い自らの足で、第三教室へ






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