綿菓子!
「ここにコレセットしてー。」
「ここ?」
「そう、そこに火の魔石ね。」
「ほいほい。」
「こっちはコレ?」
「そう、魔導モーター。」
「すごいね、パパさんズこんなのも作ってんだ。」
「これどういう仕組みなの?」
「あっちのモーターと同じって言ってたけどねぇ、よくわかんねぇ~。」
頼子は答えながら組み立てると千春を見る。
「千春出来たよ~。」
「ほいほい。」
千春は小瓶と割りばしを手に頼子の所へ来る。
「もうオッケー?」
千春は頼子達が組み立てた物を見ながら問いかける。
「ミオ、魔力流してー。」
「この二つ?」
「そ。」
「おっけー!」
美桜は手をわにわにと動かしながら電源の様な場所に手を置き魔力を流す。
ブィィィィィィ
「おぉー回った。」
中央部分が回り始めると千春は中央にスプーンで砂糖を入れる。
「ザラメよくもってたね。」
「いや、ジブラロールの砂糖ってこっちの方が多いんだよ。」
「ほほう?」
ザラザラ~~~っと砂糖を流し込み千春は割りばしを持った手でくるくると回りを掬う様に回す。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・お!出て来た!」
JK達は千春の割りばしをジッと見つめていた、すると白い綿が付き始める。
「いいねー!」
「できたー!」
「そりゃできるよ、お父さん達も作って食べたって言ってたもん。」
頼子は千春と麗奈に答える。
「綿菓子とか最後に食べたのいつだろ。」
花音は千春の作る綿菓子を見ながら呟く。
「ウチはたまに食べるよ?」
「え?縁日とか?」
「んにゃ?コンビニで売ってるよ?」
「うっそ?何処の?」
「わいショップ。」
「あ~・・・行かないな、近所にないよ。」
花音と美桜が話している間にも大きくなっていく綿菓子。
「千春それくらいじゃない?」
「おっけー、はいヨリ。」
「まかせれ!」
次は頼子が割りばしを手にし、ぐるぐると回す。
「ユラー、レンー、イーナー、シューミ、ベータ、出来たよー。」
千春は子供達に声を掛けるが、子供達の興味は老執事と無手の獣人の試合に釘付けだった。
「くっ!」
「もっと虚を使うと良いですよ。」
「いきなり言われてもわかんねーっすよ!?」
ファーノの拳はワークスの服にすら当たらず空振りする。
「足元もしっかり見ると良いですね。」
ぽんっと軽く足を当てるワークス、するとファーノはクルンとひっくり返る。
「・・・嘘だろ。」
「わーくすさんのかちー!」
「0勝何敗?」
「わすれたのです~。」
「ふぁーにーがんばれー。」
「おじいちゃんつよーい!」
パチパチと手を叩く子供達。
「千春様がお呼びなので休憩致しましょうか。」
ニコッと微笑むワークス、ファーノは額の汗を拭いながら頷くとバタリと仰向けに倒れる。
「ファーにぃおつかれー。」
「あ~・・・すまん、オランダ、情けねぇな俺。」
「ん~ん、かっこよかったよ?」
「負けたのにか?」
「ワークスさんが強すぎるんだと思うよ。」
「・・・あぁ、クッソつえぇ~。」
体を起こすとファーノはオランダから水を貰い、一気に飲み干す。
「ファーノ、気にするこたぁねぇぞ、俺達でもワークスに一発入れるのは骨が折れる。」
ルプはフェンリルの姿で近寄ると話しかける。
「やっぱこの中で一番強いっすか?ワークスさん。」
「強さの基準がわかんねぇな、素手でやって死ぬまでヤレと言うならロイロ、何でも有りならワークスだろうな。」
「ルプの兄貴は?」
「俺か?術を使って良いならワークスに勝てるが、刀を持たれたら勝てねぇな。」
「・・・いや、おかしいっすよ、姫様の護衛メンバー。」
呆れるように話すファーノ。
「ファーにぃーちゃんわたがしー!」
「わた?」
「あまいよー!」
ユラ達と遊んでいた女の子、シューミが綿菓子をちぎると、ファーノの口に押し込む。
「んぐっ!?・・・甘い!」
「さとうつかってるっていってた。」
「砂糖?!」
「え?あの砂糖?」
オランダとファーノが驚く。
「うん、たぶんそのさとう。」
ポカンとした顔で答えるシューミ。
「チハルお嬢!」
「お、生き返った。」
「いや、死んでねーっす・・・って砂糖こんなに使ってんっすか!?」
「これ?」
千春は瓶に入った砂糖を機械に入れながら答えていると、ラティス王妃が早足で寄って来る。
「チハルちゃん!これ!」
手には綿菓子を持っていた。
「ティーちゃん美味しい?」
「はい!美味しいです!これ砂糖ですよね!?」
ラティスが言うとファーノも一緒に話始める。
「高級品っすよ?!」
「こっち砂糖高いんだ。」
「滅茶苦茶高いっす!」
2人の話にオランダが問いかける。
「チハルお嬢様、ジブラロールでは砂糖が安いのですか?」
「安くはないけど、前程高くはないよ?魔国でサトウキビも見つけてジブラロールの領でも作るようになったから。」
「ウチらは魔国で買えるからね~♪」
「ね、サトウキビが牛の餌とかビックリだったよね。」
ジブラロールの砂糖事情を話しながら皆は綿菓子を作り続ける。
「ベータ、アルビーとラッシュもつれといでー。」
「はーい!」
ユラと一緒に遊んでいた男の子、ベータは一番小さな子二人を呼びに行く。
「あんまり食べ過ぎるとお昼ご飯食べれなくなるからね。」
「おひる?」
シューミはユラ達と綿菓子を食べながら問いかける。
「うん、お昼ご飯作ろうかなって思ってるから。」
「何つくるの?」
「簡単な料理作るよ、テュリップさんが作れそうなヤツ。」
「おぉー・・・で?」
「小麦粉は安いらしいし、野菜もあったじゃん。」
「うん。」
「だからこれを作ろうかと。」
千春は頼子にスマホを見せる。
「お好み焼き!」
「おぉー!」
「チハル、ソースは?」
「大量に有るよ。」
「いや、こっちで手に入らないじゃん?」
「はいるよ?」
「え?」
「これ、なんちゃってウスターソースとケチャップと砂糖だもん。」
千春が出したソースを頼子は手に持っていた割りばしに付けると口に入れる。
「・・・ちょっと違う。」
「・・・ヨリは本家知ってるから。」
「そう言われたらそうだね。」
「大丈夫、これにマヨと鰹節かけたらわかんないから。」
「青のりは?」
「無かったね。」
「流石に無いか。」
「探せばあるかもね、港町あるし。」
千春はそう言うとソースをアイテムボックスにしまう。
「なに?お好み焼き作るの?」
「ねぇ!チハル!タコ焼きも作れない!?」
「作れるけど?」
「両方作ろう!」
「タコ焼きソースなくね?」
「お好み焼きと似てるし同じで良いじゃん。」
「えー!違うじゃん!」
「ほぉ?ソラは違いが判る女?」
「分かるよね?ダイア。」
「・・・いや、同じじゃん?」
「うっわ!裏切者がいた!ヒマリ!」
「似て異なる物・・・と言いたいけど前お好み焼き作った時タコ焼きソース掛けたらちょっと甘いな・・・くらいの差だった。」
青空は花音を見ると、花音はフッと目を逸らす。
「はい!ソラ、諦めな。」
頼子に言われブツブツと呟く青空の肩にポンと手を置く千春。
「ちなみに、焼きそばソースも似たような物だよ。」
千春はニヤっと笑いながら青空に言う。
「流石にそれは違うっしょ。」
「んじゃ今からお好み焼き、タコ焼き、焼きそば作りまーす!」
「焼きそば麺は?」
「あるよー、日本で買った奴だけどね。」
「んじゃウチはタコ焼き!」
「千春と一緒にお好み焼き作るわ。」
「うちは焼きそばつ~くろ♪」
それぞれが作る物を決める、気付けば綿菓子機はサフィーナ達が綿菓子を量産しドラゴン達にも食べさせていた。
「それじゃテュリップさんに厨房聞いて作りますかね!」
「「「「「「おー!」」」」」」
JK達はテュリップと一緒に厨房へ向かった。
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