ドラゴンの里でゴミ拾い!

「あったー!」

「こっちいっぱいあるー!」

「ここゴミ捨て場?」

「じゃない?」

 JK達はドラゴンのゴミ捨て場の様な場所でせっせと鱗を拾っていた。


「そんな物どうするんだ?」

「ドラゴンの鱗は貴重なんだよー。」

「そうなのか?」

 パパドラは不思議そうに千春達を見る。


「パパドラさんの鱗も有ります?」

「あぁ寝床に落ちてるが、メイド係が掃除してるかもな。」

「ドラゴンのメイド!?」

「世話係だな。」

「流石長だー。」

 パパドラに案内され千春と頼子はパパドラの寝床に向かう、人の家と比べれば質素だが中は広くドラゴン形態のパパドラがのんびり出来るスペースがあった。


「・・・無いね。」

「掃除しちゃったのかな。」

「メイド係に聞けば判るぞ。」

 そう言うとパパドラが軽く吠える、すると奥からドラゴニュートの娘が現れる。


「長、お呼びですか?」

「この人間達が俺の鱗を欲しがっているんだが。」

「鱗ですか?」

 不思議そうに首を傾げるメイド。


「あります?」

「あります、家の裏にまだ残っていると思いますので。」

 メイドに案内され家の裏に行くと数枚の黄金に輝く鱗が落ちていた。


「おぉぉ・・・流石パパドラさんの鱗、一枚がでけぇ。」

 千春は一枚手に取ると顔に合わせる、千春の顔は完全に隠れる程の大きさだ。


「貰って良いですか?」

 頼子はメイドに聞くと不思議そうに頷く。


「これってこれまでの鱗はどうしてるんですか?」

「ごみ処理担当の者が一か所に集めて焼却します。」

「「もったいなぁぁい!!!」」

 思わず叫ぶ2人。


「次から取っておいてもらって良いですか?!」

「はい、構いませんが。」

 メイドが答えるとパパドラが声を掛ける。


「その心配は要らないぞ。」

「へ?」

「俺もジブラロールに行く。」

「「・・・は?」」

「ん?聞こえなかったか?俺もジブラロールに行く。」

「・・・ヤバいね。」

「ヤバいなぁ。」

 2人はコソコソと話始める。


「お父様倒れるかも。」

「でもこっそり増えてたら分からないかもよ?」

「パパドラ目立つじゃん。」

「黄金だもんねぇ、他に居ないからなぁ黄金のドラゴンとか。」

「パパドラさん。」

「なんだ?」

「パパドラさん1人ですか?」

「いや、そのメイドと数人連れて行くつもりだが。」

「あ~、うん、ま、どうにかなるっしょ♪」

「千春考えるのやめたでしょ。」

「てへっ♪」

 ペロっと舌を出す千春に頼子もクスクス笑う。


「次は何処を見たい?」

「えっと、あ!羊がいっぱい居る所見たいです!」

「そうか、それでは案内しよう。」

「え?パパドラさんが?」

「そうだが?」

「それじゃお願いします~。」

 千春と頼子は鱗拾いをするJK達の元へ戻る。


「チハル!見て!大量!」

「結構処分したらしいけどそれでもこ~~~んなに!」

 美桜と麗奈は嬉しそうに鱗を見せる。


「こっちもあったよー。」

 黄金の鱗を手に取り顔を隠す千春。


「でっけぇ!」

「それ幾らくらいになるんだろ。」

「金貨1000枚は行くね!」

「幾らだっけ1000枚って。」

「1億円!」

「うはっwwwww」

「ねぇ、羊捕まえに行かない?」

「お?羊毛?」

「そそ、ちょっと飼おうかなって。」

「ほほぉ~?」

「何処で?」

「ジブラロールが良いんだけど、寒い所が良いっぽいからユラの所で育てれたら良いなーって。」

「公国の方ね。」

「あっち涼しいもんね。」

「いつ行くの?」

「今から。」

「「「「「おっけー。」」」」」

 JK達は鱗をそれぞれ片付けると杖や箒を取り出す。


「ん?何だそれは。」

「空飛ぶ箒ですよ。」

 千春は箒に跨り地面を蹴ると宙に浮かぶ。


「あぁ魔力結界で浮いているのか。」

「さぁ?重力遮断と重力操作?」

「どっちも操作だよー。」

 魔石を作った麗奈が答える。


「少し離れているからな、俺達の背に乗って行けば良い。」

「んじゃ私はロイロに乗せてもらおうかな。」

「ゼル、お願い。」

「ミカおねがーい♪」

「ルプおねがいばーい♪」

「ルプさんおねがいしまーす♪」

「ルプ~うっきぃ~♪」

「・・・お前ら。」

 ルプの背にはビェリー、コン、サンジュがピョンと飛び乗る。


「☆♭●♯▲★※お前もついて来い。」

「はい。」

 メイドに声を掛けるパパドラ。


「ンシャブジェ?」

「ンジャブジュェじゃね?」

「ンジュァブジェでしょ。」

「☆♭●♯▲★※だぞ。」

「「「分かりません!」」」

「パパドラさんそのンジャブジェちゃんもジブラロール行くんですよね?」

「あぁそのつもりだ。」

 パパドラの言葉に反応したのは翡翠だ。


「姉様もジブラロールに行くのです?!」

「そのようです。」

「私も行って良いですか!長!」

「あ~、数人連れて行くつもりだからな。」

「やったぁ!」

「ヒスイちゃん、その人お姉さんなの?」

「はい!姉様です!」

「へぇ~。」

 青み掛かった紫色の鱗を持つメイドをJK達が見つめる。


「あの・・・なんでしょうか。」

「ちょっとじっとしててね。」

 そう言うと美桜はメイドの写真を撮り検索を掛ける。


「・・・これだね。」

「何出た?」

「えっと、フローライトとムーンストーン、あ、オパールも出た。」

 鱗の色で宝石検索を掛けた美桜は皆に見せる。


「フローライトが一番近いね。」

「ちょっと長いね。」

「フローラでいんじゃない?」

「イイね。」

「メイドさん、フローラって呼んで良い?」

「え?」

 急にあだ名をつけられるメイドは戸惑いパパドラを見る。


「人間には俺達の名前が聞き取れない、俺もパパドラと呼ばれている。」

「姉様私はヒスイです!」

「えっと・・・。」

「ジブラロールに来るって事は呼び名が必要なのでー♪」

「・・・そう言う事でしたら。」

 フローラと名付けられたメイドはお辞儀をする。


「宝石の名前って可愛いね。」

「ジブラロールのドラゴンが可哀そう。」

「なんで?」

「だって、レフトとライトなんて左右に居たからって千春が付けたし。」

「うわぁマジか。」

「それ言うならイー、アル、サンとか中国語の1、2、3だよ。」

「チハル・・・ちょっとは考えてあげなよ。」

「・・・アベリア達はちゃんと考えたもん。」

「あー、ミリカ達ね。」

「花の名前だっけ?」

「そ、鱗の色で決めた。」

「・・・どんまいやでレフト、ライト。」

「イーアルサンもな。」

 JK達は気を取り直しドラゴンにそれぞれ跨る。


「ロイロちゃんよろ~♪」

 頼子は千春と一緒にロイロの背に乗る。


「父よ、どの方向だ?」

「俺が先に行く、ついて来ればいい。」

 そう言うとパパドラがドラゴンに変化する。


「おぉ~やっぱデカいしカッコいいなぁ。」

「黄金ってだけで物凄く存在感あるよね。」

「今まで会ったドラゴンで一番デカいじゃん?」

 青空達が話していると千春が話しかける。


「実はティスケリーさんが一番デカい。」

「え?クジラじゃん。」

「クジラに見えるけどドラゴンなんだよ。」

「マ?」

「マ?」

「マ?!」

「ま。」

「ほれ!行くぞ!」

 大きく翼を広げたパパドラが宙に浮く、そしてロイロは千春達に声を掛けると同じく大きく羽ばたく。


「羊狩りだー!」

「いや、千春捕獲でしょ。」

「そうだったわ、テヘッ♪」

「「「「「あざとかわいい!」」」」」

 そしてドラゴンは編成を組み羊の居る平原に向かった。







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