石田邸を見学だ!
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「ポテチうめぇ~、パリッ!」
「ミオ~勉強終わり?」
「おわりっ!パリッ!」
「だぁ!私もポテチ食べる!」
「コーラ飲みたーい。」
「コーラあるよー。」
「コカ?」
「ペプもあるけど?」
「ウチはコカ派。」
皆はパタパタと参考書を閉じだらけ始める。
「正月休み終わるね~。」
「終わったらセンター試験で御座いますなぁ。」
「言うなぁ!」
「時は待ってくれぬよミオどん。」
「レナは良いよねー、A判定取ってんだっけ?」
「Aでも落ちる人は落ちるからね。」
「そりゃそうだろうけどさ~。」
ダルそうに話す美桜と麗奈、すると南が部屋に入って来る。
「あら、勉強終わり?」
「おわりー、アヤネちゃん何してたの?」
「・・・家見て来たの。」
「家!?」
「そう・・・貰っちゃったのよ。」
「そう言えばハルトが言ってたなぁ~。」
「何?南ちゃんに家をあげるって?」
「うん、某貴族の屋敷をリフォームしたらしいよ。」
「中古物件なんだ。」
麗奈が言うと南は首をブンブンと横に振る。
「中古とは思えないほど綺麗な屋敷だったわよ。」
「へぇ~・・・見たいなー。」
「遠いの?アヤネちゃん。」
「歩くとちょっとあるかも。」
「飛んで行くから大丈夫だよん!」
「私飛べないわよ!?」
「ルプー、南せんせー乗せてくれるー?」
「おう!まかせろ。」
皆は飽きた勉強を放り投げ立ち上がる。
「チハルさ~ん、黙って行くと怒られますよ~?」
「モリー、ハルトに連絡お願い!」
「は~い♪」
モリアンに伝言を頼むと千春達は着替えに向かう、そして応接室に戻るとエンハルトが立っていた。
「チハル、イシダ邸に向かうのか?」
「うん、王国があげたんでしょ?」
「あぁ、空いた家が有ったからな。」
「へぇ~空いた家とか有るんだねぇ。」
「結構あるぞ、色々あったからなぁ。」
苦笑いで答えるエンハルト。
「色々かぁ、色々あんだねー王国も。」
「そうだな・・・概ね原因はチハルだがなぁ(ボソッ)」
「ん?」
「何でもない、で?どうやって行くんだ?」
「箒で行きまーす♪」
「護衛は?」
「部隊の子が来るよね?」
千春はサフィーナを見ると頷く、部隊は既に庭で待機していた。
「ふむ、ヒマじゃし儂も行くかのぅ~。」
ロイロはそう言うと立ち上がる。
「ハルトも行くのか?」
「そうだな、俺も見に行くか。」
楽し気に言うロイロとエンハルト、ペット達はそれぞれJK達にくっつくと皆は箒や杖を取り出す。
「先生俺に乗れ。」
「ありがとうルプさん。」
ルプに跨る南、そして皆は南の案内で石田邸へ向かった。
--------------------
「あれよ。」
空から向かうJK達は南の指差す屋敷を見る。
「・・・でけぇ!」
「うわっ!マジでコレ!?」
「大豪邸じゃん。」
「ハルトさんコレって何処のどなたさんの屋敷だったの?」
「侯爵家だな。」
「へ~侯爵家なんだ~、何で空き家になったの?」
千春はエンハルトに問いかける。
「聞きたいか?」
「・・・いや!やめとくわ!」
そう言うとJK達は屋敷の敷地へ降りて行く、そして正面に向かうと数人が出入りしていた。
「誰かいるー。」
「家具とかを運んでくれてるの。」
南は出入りする男に挨拶をするとJK達を家に迎える。
「どうぞー。」
「おじゃましまーす。」
「ひゅぉー!すごいエントランス!」
「広いなぁ。」
エントランスは大きく取られ正面には左右から登れる階段が、吹き抜けは3階まであり大きなシャンデリアが煌びやかに光り輝いていた。
「ココ何か飾るの?南せんせー。」
「ん~、何か置いた方が良いかしら。」
「こう!ドーンと何かデッカイ剥製的な奴とか!」
「えぇ~?剥製?何を置くのよ。」
皆はエントランスの中央を見ながら話す。
「ロイロ、何か狩りに行こうか。」
「ふむ、また地竜でも狩るか?」
「アレはデカすぎじゃん?」
「シーサーペントでも良いんじゃねぇか?」
「ルプ、それ生臭くならない?」
「さぁなぁ。」
ペット達も何を置こうかと話す。
「アヤネ奥様お帰りなさいませ。」
年配の執事が南に声を掛け頭を下げる。
「執事さん居るの!?」
青空は紳士を見ながら驚く。
「エンハルト王子殿下いらっしゃいませ。」
「ノイガー、どうだ?」
「問題無く。」
「頼んだぞ。」
「はっ。」
エンハルトがそう言うと千春が問いかける。
「この方王国の?」
「あぁ、イシダ邸を頼んでいる、侍女もな。」
「それって特殊な?」
「勿論だ。」
ニヤリと笑うエンハルト、千春はクスッと笑うと周りを見渡す。
「南せんせー!他の部屋見てもいいー?」
「良いわよ~。」
「ウチ2階みてこよ!」
「私も付いて行くわ!」
「うちらは1階探索しよ!」
「私はキッチン見たいな♪」
皆は南に許可を貰うとそれぞればらけて探索を始めた。
「うわぉ!キッチンも綺麗!」
「それはそうだろ、全部作り直したからな。」
千春の後ろからエンハルトが答える。
「へぇ~、監修はサフィー?うちの厨房と似てるけど。」
「私はしてませんよ?」
サフィーナは首を傾げながら答える。
「ここは私が指示したのよ?」
「へ~南せんせー監修かぁ。」
「使いやすそうでしょ♪」
「南せんせー料理するの?」
「・・・するわよ?」
「へぇ~♪」
「信じてないでしょ。」
「信じてますよぉ~ん♪」
「チハルちゃんほど上手くはないけどね♪」
南は微笑みながら答えると頼子が走って来た。
「ちはるぅぅぅぅ!!!!!」
「ん?どうしたん?」
「お!お!お!おば!おばけ!」
「へ?」
「幽霊居た!」
頼子と一緒に探索していた日葵が叫ぶ。
「へぇ~幽霊居たんだ。」
「チハル?!」
「千春に言うのが間違いだったわ・・・。」
「幽霊くらい居るんじゃん?」
千春の言葉に驚く南。
「ちょっと!?チハルちゃん!?どういう事?!」
「あ、こっちって結構居るんですよ、幽霊。」
「うそでしょ?」
「本当ですよ、私が作った旅館にも居ましたもん。」
「うっそぉ!どうしたら良いの?」
「アイトネなら手を振るだけで消してくれるけど。」
『呼んだー?』
「呼んでないよー、幽霊居たらしいんだけど消せる?」
『ん~・・・あ~アレね。』
アイトネは天井を見る、南や頼子は驚きながらアイトネが見る方を見つめる。
「ちょっ!?チハルちゃん?」
「こっちの幽霊って魔物系と残滓系が有るんですよ。」
「・・・で?」
南はビクビクと天井の方を気にしながら続きを促す。
「で、魔物系はヤバいらしいんですけど、残滓系は怖くないらしいです。」
「誰情報?」
「ユラ。」
「大丈夫なの!?」
「大丈夫ですよー、ね、アイトネ。」
『えぇ、今2階のミオ達の所に向かってるわね。』
「え゛?」
『人が来て反応したみたい、人に執着してるわねぇ~。』
「大丈夫なの?」
『大丈夫よ、何も出来ないわ。』
アイトネの言葉と同時に悲鳴が聞こえた。
「ぎゃぁぁぁ!!!」
「いやぁぁ!!!」
「おばけぇぇぇ!!!」
「おぉ、驚いとるwww」
千春はケラケラと笑いながらエントランスに戻ると、這う這うの体で駆け下りて来る美桜達を見る。
「ちはる!ちはる!おばけ!」
「おばけいた!」
「こっわ!せんせーヤバいココ!」
悲鳴を上げながら駆け下り千春と南に抱き着く美桜達。
「あ、来た。」
千春はエントランスから2階を見ると、ボロボロのドレスを着た女性の霊がフワリと現れる。
「・・・こっわ!」
「ね!ね!怖いよ!」
「せんせーココヤバい!」
JK達の声にビビりながらも南はキョロキョロと2階を見回す。
「何も見えないわよ!?ねぇ!何処!?」
「あ、南せんせー見えないと思うよ、アレ。」
「なんで!?」
「聖女って霊視がデフォで付いてるらしいんだよねー。」
千春は平然と呟く、すると女の霊はエントランスに飛び降り千春達の方へ向かって来る。
「アイトネ消せる?」
『えい♪』
何も無い空間に手を振るアイトネ、すると女性の霊は霧の様に消滅した。
「おぉ~、消えたよミオ。」
「ほんとに?」
南の腹に抱き着き震える美桜。
「まじまじー、アイトネアレなに?」
『この屋敷に住んでいた婦人の霊ね。』
「へぇ~。」
千春はチラリとエンハルトを見ると頬を掻いていた。
「そう言う事?」
「あぁ、そう言う事だ。」
「他にも誰かいるかも?」
「そうだなぁ・・・たしかこの家の者は3人処分したからな。」
「居そうだなぁ~。」
千春とエンハルトの言葉に南が顔色を変える。
「ち・・ち・・・ちはるちゃん・・・お願いしていい?」
「お願いって言われても消すのアイトネだしなー。」
「アイトネ様!今夜お食事致しませんか!?」
『する!』
「南せんせーもアイトネの使い方分かって来たねぇ。」
クスクス笑う千春。
「だってぇ!」
「はいはい、それじゃ私達もお手伝いしますかね。」
「千春!?何するの?」
「ん、幽霊見つけてアイトネの前に連れて来る?」
「嫌ぁぁ!!!」
「無理っ!」
「今の見たっしょ!?お化けだよ!?」
「怖いって!」
「マジで怖いわ!」
嫌がるJK達。
「魔物より可愛いもんだよ、残滓だし成仏させるのも聖女の仕事だよ♪」
「いや、女神が消してるじゃんよ。」
「見つけてあげるだけだよ。」
「ヨリちゃん!ミオちゃん!お願い!ご飯作るから!」
「せんせー私アイトネ様じゃないんだから~。」
「そうだよアヤネちゃん、ご飯でJKが動くと思ったら大間違いだよ!」
「勉強教えてあげるから!」
「・・・それは有難い。」
「確かに有難い。」
「しゃーない、千春本当に大丈夫なんだよね?」
「うん、大丈夫だよ・・・多分(ボソッ)」
JK達は立ち上がると手を合わせる。
「怖いけど・・・。」
「がんばろうか・・・。」
「ダイア、一緒に行こう?」
「ソラ、一緒に行こう!」
「千春、一緒で良いよね?」
「ミオ・・・は当てにならないな。」
「まてい!レナも怖がってたじゃんよ!」
ぎゃいぎゃいと騒ぎながらJK達はチームを組む、そして幽霊探しの探索を始めた。
--------------------
「アイトネ様。」
『なに?アヤネちゃん。』
「あと2体幽霊居るんですか?」
『ん~・・・今調べたら5体くらい居るわね♪』
「事故物件んんんん!!!!」
アヤネは思わず叫んだ。
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