メリーナちゃん救出するぞぉ!
「この屋敷だ。」
モートに飛ばされた頼子、麗奈、大愛、日葵は屋敷を見上げる。
「流石貴族ってかー。」
「ジブラロールでもこんな大きな屋敷あんまり見ないよね。」
「アルデアちゃんの屋敷これくらいじゃね?」
「そう言えばデカかったねぇ。」
4人はそう言いながら敷地に足を踏み入れる、後ろからは侍女が3人付いて来る。
「ヨリコ様。」
「どうしました?エリーナさん。」
「このまま突入されるので?」
「ん~、取り敢えずノックして様子見ようかと思ったんだけど。」
「モート様白金狐の子は何処に居ます?」
麗奈は後ろを歩くモートに声を掛ける。
「・・・屋敷の地下だな。」
「地下!?」
「地下室あるんだ。」
「うわぁ・・・嫌な予感しかしない。」
「リリ、姿消して様子見て来れる?」
「クゥクゥ、探せる?」
「まかせて!」
「見て来るわ!」
妖精2人はそう言うと屋敷をぐるりと回り屋敷へ侵入した。
-----------------------
「リリ、こっち。」
「どこ?」
「そこ、魔力が動いた後あるわ。」
「ほんとだ、コレかな・・・。」
地下の入り口と思われる扉を見つめる2人。
「流石に開けるのは無理よね~♪」
「壊す?」
「ちょっとまって、人が来たわ。」
姿を消した2人はパタパタと天井に向かうと張り付く、食事を持って行くのか手には皿があり、片手で扉の鍵を開け中へ入る、2人は直ぐに扉を抜け先回りしながら飛んで行く。
「くっさぁい。」
「臭いわねぇ~。」
パタパタと飛びながら鼻に手をやりながら奥へ進むと幾つかの扉がある、扉にはのぞき窓が有りそこから2人はのぞき込む。
「ココはなにもなーい。」
「リリ!こっち!」
「居た?!」
クゥクゥが覗く窓をリリも覗く。
「!?」
「酷いわ!」
2人が見た者は確かに白金狐族の少女だ、しかし体中に痣があり倒れる様に寝ていた。
「生きてる!?」
「生きてるわ~。」
2人はのぞき窓に体を押し込み中へ侵入する、そして少女の様子を見る。
「酷い・・・。」
「ねぇ、あなたメリーナ?」
クゥクゥが少女に声を掛けるが反応せず寝たまま動かなかった、すると足音が聞こえた。
「来た!」
「入って来る?」
2人は姿を消したまま様子を見ていると、のぞき窓とは別の場所が開き食事が押し込まれる。
「パンとスープね。」
「不味そうねぇ。」
「不味いと思うわよ?」
「チハルのごはんが美味しすぎるのよねー。」
2人はコソコソと話しをしていると足音が遠ざかる。
「メリーナよね?おきてー!」
「ねぇ、大丈夫!?」
2人は少女の顔をペチペチと叩きながら声を掛けると少女が目を開ける。
「ん・・・んがぅあ”・・・・かっ・・・ケホッ。」
「大丈夫?」
「あなたメリーナ?」
「ん”・・・。」
「もしかして話せない?」
コクリと頭を動かす少女。
「メリーナよね?」
もう一度確認をするリリ、少女は頷く。
「・・・メリーナ、もしかして喋れなくされた?」
クゥクゥは眉間に皺を寄せながら問いかける、そして少女は涙を流しながら頷いた。
「・・・待ってなさい!絶対に!ぜ~~~~~~ったいに助けてあげるからっ!!!」
「メリーナ!ここでおとなしくしてて!直ぐに助けるから!わかった!?」
2人は力強くメリーナに言うと、ビックリしたメリーナはコクリと頷く。
「クゥクゥ、あそこ!風が流れてるわ!」
「出れそうね!」
2人はそう言うと羽をパタパタと動かす、そしてもう一度メリーナを見る。
「絶対に助けるからね!」
「待ってて!必ず助けるから!」
そう言うとリリとクゥクゥは急いで外へ飛び出した。
-----------------------
「レナ!」
「ヒマリ!」
「リリ!」
「クゥクゥ!どうだった!?」
「居たわ!」
「大丈夫そうだった?!」
「・・・酷いの!」
「可愛そうなの!」
2人の必死な形相に驚くJK達、そして詳しく話を聞いていると皆の顔が険しく、そして怒りが溢れだす。
「ねぇ~ヨリ。」
「なに。」
「ぶっころしていいかな。」
「同じ事考えてたわ。」
「許せないわ~。」
「ないわ、マジないわ。」
4人は睨みつける様に屋敷を見る、するとモリアンが声を掛ける。
「ダメですよー。」
「モリーちゃん?」
「ヨリさん達が人を殺めるのはダメですー。」
「なんで?」
「厳命されてますから~。」
「厳命?」
「はい、チハルさん達もそうですけどぉ、皆さんに人を殺める事が無い様にと厳命されてますぅ。」
「そうなの?」
「はい!」
モリアンの言葉にエリーナとナッテリーも頷く。
「わっちらも聞いとるばい。」
「あぁ俺も念押しされてるぞ。」
ビェリーとゼルも頷く。
「この怒りどうしたら良いのよぉ!」
頼子は大声で叫ぶ。
「ヨリ、敵陣よ、大声出したらダメっしょ。」
「良いでしょ、出てきたらぶっ飛ばす。」
「だねぇ、モリーちゃん、ヤらなきゃ良いんだよね?」
「半殺しOK?」
「全殺ししなきゃいいんじゃね?」
「ビェリー戦闘態勢。」
「まかせり~♪」
「ゼル、戦闘態勢。」
「おう、格闘で行くか。」
ビェリーは大きく、ゼルはドラゴニュートの姿になり4人の前に立つ。
「私達が先に行くわ!ついて来て!」
リリはそう言うと扉の前に行く。
「こんな扉いらんやろ。」
ビェリーはそう言うと尻尾を大きく振りかぶり扉を叩き割る。
「何事だ!」
「なんだ!」
「誰だお前達は!」
執事と思われる男、そして護衛だろうか帯剣した男2人が現れる。
「黙りなさい!」
「あっち行け!」
リリとクゥクゥは叫びながら魔法を飛ばすと男達は壁に叩きつけられる。
「・・・死んでね?」
「・・・リリ達は厳命されて無いからいんじゃね?」
「・・・妖精が激おこなの初めて見たわ。」
「・・・それくらい酷いって事なんだよね。」
妖精2人は邪魔者を吹き飛ばすと更に奥へ飛ぶ、皆は走ってついて行くと扉の前で止まる。
「この扉よ!」
「開くかな。」
頼子は扉のノブを手にするが押しても引いても動かない。
「ヨリ、変わろう。」
ゼルはそう言うとノブを握るそして。
バキャッ!
「よし、行くぞ。」
扉ごと引き抜き廊下に投げ捨てたゼルは階段を下りる、後ろにはビェリー、そしてJK達、殿はナッテリーだ。
「こっちよ!」
リリは扉を指差す、ゼルは先程と同じ様に扉を手にすると引っこ抜く。
バキャッ!
「メリーナ!?」
頼子は直ぐに部屋に入ると、隅で丸くなる少女に声を掛ける。
「あ”・・・あ”ぅ。」
「無理しなくて良いよ、怖かったね、大丈夫だからね。」
頼子は優しく声を掛ける、そして麗奈、大愛、日葵もすぐに手を取る。
「酷い・・・痣だらけ。」
「殴られたの?」
「痛いよね・・・いたいよね。」
JK達は目に涙を溜めながら声を掛ける、頼子は直ぐに魔法を唱える。
「ヒール!」
頼子はメリーナの手を握り回復を掛けると手の痣がじわじわと消えていく。
「こっちも。」
頼子は足を摩りながらヒールを唱える、体中に在る痣や傷を見ながら、涙を流しながらヒールをかけて行く。
「喉はどうする?」
「わかんない、回復出来るのかな。」
「万能薬は?」
「どうだろう、使ってみよう。」
「そうだね、悪くなることは無いし。」
麗奈は影から万能薬のジャムを取り出すとスプーンで掬う、そしてメリーナの口へ入れる。
「どうかな?」
「・・・あ”ぅ・・・ぅぅぁ。」
「ダメかぁぁ!」
「ヨリこっちも傷あるよ。」
「背中?見せて!」
頼子は後ろに周り魔法を掛ける。
「ヨリさん!」
「何?!」
「魔法使いすぎですよ!?」
モリアンは連続して魔法を使う頼子に声を掛ける。
「大丈夫!泉の水あるから!」
ペットボトルに入った水をグビグビと飲み干す頼子。
「・・・なんで私聖女じゃないんだろう。」
ポツリと呟く大愛。
「アイトネ様呼びまくったら聖女になるかな。」
「いや、ヒマリ、直接お願いしたらワンチャンイケるかも。」
大愛はそう言うと祈る様に手を握り目を瞑る。
「アイトネ様・・・。」
((ダイア、どうしたの?))
「聖女にしてください。」
((・・・その子の回復ね、良いわよ♪))
「アイトネさま!私も!」
日葵にも声が聞こえ叫ぶ。
「私もお願いします!」
麗奈も声を上げる。
((おっけー♪みんな聖女になったわよ♪でもその子の回復は4人でもキツイかもしれないわ。))
「どうしたら良いですか!?」
頼子は頭に聞こえる声に問いかける。
((モートにお願いしてマナを増やしてもらって頂戴。))
「了解です!」
頼子はそう言うとモートを見る。
「モートさん!」
「あぁ大丈夫だ、4人とも上限を一時的に上げるが、使ったらすぐにその水を飲め。」
「モートさん、この子の回復出来ないですか?」
「出来る・・・が、対価が必要になる。」
「あぁ・・・アレかな。」
話を聞いた頼子が呟く。
「対価?」
「うん、確か千春が言ってたんだけど、直接神様にお願いすると寿命取られるはず。」
「マ?」
「マ。」
「MPはOKなの?」
「うん、確かケーキで大丈夫・・・ですよね?」
頼子はモートを見ると笑みを浮かべ頷く。
「めっちゃケーキ奉納するのでお願いしまっす!」
「私もお願いします!」
「よろしくお願いします!」
「お願いしまーす!」
4人は何故か手を出すと、モートは頷き手を触っていく。
「ふぉー!イケる!イケるぞぉ!」
「おぉ~魔力が溢れとる。」
「一斉に行く?」
「どうやんの?」
「確か治し方分からない時は「治れ!」でいけるらしい、MPめっちゃ使うけどって言ってた。」
「おっけ、みんな一斉ので行くよ?!」
「おっけー!」
皆はメリーナを掴む、メリーナはキョトンとした顔で4人を見つめる、そして。
「「「「ヒール!」」」」
フワリと光るメリーナ、そして暖かい光が消えると。
「どう?メリーナ。」
「あ・・・あ・・・は・・・はなせます。」
「「「「よっしゃぁ!!!!!」」」」
皆は満面の笑みで腕を上げる。
「んじゃこっからわっちらの仕事ばいね。」
「そうだな、ダイア達がこれだけ頑張ったんだ、俺も頑張らないとなぁ。」
腕をグルグルと回すゼル、ビェリーは尻尾をペチペチと動かし地面を叩く。
「私達もやるわよ。」
「全力よ。」
妖精2人もブンブンと飛び回りながら言う。
「エリーナさん、良いですよね?」
「えぇ、構わないわ、ヨリ様達は私とナッテリーで護衛します、私の代わりに暴れて良いわ。」
「了解っす!」
モリアンは悪い顔をしながら笑みを浮かべる、そして頼子達と手を繋ぐメリーナは聖女達を見ながら呟く。
「おねーちゃん。」
「ん?なに?」
「どうしたの?まだ痛い所ある?」
「なにかな?」
「歩ける?」
「・・・ありがとうございます。」
ボロボロと涙を流すメリーナ、聖女達4人はメリーナを抱きしめた。
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