みんなでマグロを食べましょう!

「こんばんは~♪」

「いらっしゃいませ宇迦之御魂様。」

「ウカで良いわよ♪」

 春恵が玄関を開けると宇迦之御魂とラルカ、そして弓削陽菜が入って来る。


「梅乃さんは?」

「今LIMEで連絡しましたから、すぐ来られますよ、取り敢えずあちらへ。」

 クローゼットを見るとアイトネも手を振りながら異世界に迎える。


「アイさんお邪魔するわね~♪」

『どうぞ~♪ヒナさんもどうぞ~♪」

「・・・なんで名前知ってるんですか?」

『記憶読んだから♪ラルカちゃんおかえりなさい。』

「ただいまですぅ~♪」

 アイトネに手を引かれ異世界に入るラルカ、周りを見渡しながら恐るおそる扉の中へ入る陽菜。


「チハルちゃん達は?」

『今お出かけしてるの、すごいわよ!マグロなの!』

「こっちにもマグロ居るのね。」

『えぇ!沢山確保したからいくらでも食べれるわよ♪』

「・・・管理者がそう言う事してぇ、ダメじゃない?」

『大丈夫♪ハルにやってもらったから。』

「あー、まぁハルちゃんならセーフねぇ。」

 2柱はクスクスと笑いながら千春の応接室へ移動する。


「いらっしゃい!陽菜ちゃん♪」

「お母さん!本当に居た!」

「居るわよ、ビックリしたでしょー♪」

 日葵の母、弓削梅乃は陽菜の手を取りソファーに座らせる。


「ヒマリは?」

「今LIMEで連絡したわよー、もうすぐ来ると思うわよ?」

「・・・何処に行ってるの?」

「ん、ハース領ね。」

「・・・領?」

「えぇ、この世界、分かりやすく言えば異世界なんだけれど・・・。」

 梅乃は陽菜に異世界の説明を始めた。



-------------------



「げぇ!」

「どうしたの~?ヒマリ~。」

 シュシュは下品な声を出しながらスマホを見る日葵に声を掛ける。


「ねーちゃん来たらしい。」

「へー、それで?」

「お母さんが説明中っぽい。」

 日葵はブルーワグの自室で呟く、するとノックが鳴り侍女のコロソが扉を開く。


「お待たせ、ヒマリ。」

「ハチェット様、すみませんお忙しい所。」

「大丈夫だよ、それで?ジブラロールのハース領へ行くんだね?」

「はい、ルペタも今そこに居ます。」

「何か準備する事は?」

「無いです!」

「それじゃ行こうか。」

「護衛は?」

「・・・皆居るんだよね?」

「居ますね。」

「それじゃうちの護衛は居ても居なくても一緒だよ。」

 アハハと笑いながらハチェットは答える。


「まぁ・・・あ!一度ジブラロールに行きます!」

「何か取りに行くのかい?」

「いえ・・・ねーちゃn・・・姉がこちらに来たらしいんです。」

「家族が揃ったね♪」

「えー、まぁそう言う事になります。」

「紹介してもらっても?」

「勿論です!」

「それじゃ行こうか。」

「はい!」

 日葵はそう言うとシュシュに連れられフェアリーリングに入るとジブラロールに飛んだ。



-------------------



「お、おかぁさんからLIME来た。」

「こっち来れたって?」

「うん、今ヒマリママが説明中らしい。」

 アイトネがLIMEを見て春恵と2人ジブラロールに飛んで行ったのを見ていた千春達が呟く。


「ヒマリからもLIME来たじゃん。」

「ヒマリは一度ジブラロール経由して来るって。」

「へー・・・マグロ料理待ってんのにな。」

「アイテムボックス入れたからいつでも出来立てだけどね。」

 JK達が話をしているとエンハルト達が話しかける。


「チハル、一度ジブラロールに戻るか?」

「なんで?」

「なんでって・・・ニホンからヒマリの姉が来たんだろう?」

「うん。」

「・・・挨拶しなくて良いのか?」

「今皆で行ったら混乱しない?」

「もうしてるだろ。」

「そりゃそうか、んじゃ挨拶行くかぁ。」

「この人数で?」

「・・・。」

 頼子が言うと千春は見回す、千春達JK軍団に侍女軍団、そして彼氏達と騎士団、竜騎士団、それにドラゴン達。


「別に私達だけで良くね?」

「ねぇチハル、あっち呼べば?アイトネ様ならぴゅ~っと呼べるじゃん?」

 美桜が言うと千春はソレだ!とアイトネに声を掛ける。


「アイトネー。」

((なにー?))

「そっちのみんなこっち呼べない?」

((呼べるわよ?))

「マグロ料理みんなで食べながら話ししない?」

((皆連れて行くわね♪))

 アイトネが返事を返す、そして少し間が空き人がワラワラと現れた。


『ただいまー!』

「おかえりアイトネ、ありがとー♪デザートもあるからね!」

『♪』

 アイトネにお礼を言う千春。


「やっほ♪千春ちゃん。」

「ウカ様!なんか色々有難うございます!」

「お呼ばれしちゃったけど大丈夫?」

「大丈夫です!沢山作ったんで♪」

 千春と宇迦之御魂が話をしていると日葵が陽菜に説明を始める。


「ねーちゃんココがハース領だよ。」

「分からないって、何処よそれ。」

 無表情に言葉を返す陽菜、日葵と梅乃はクスクス笑っている。


「初めまして!千春です!」

「頼子でーす。」

「美桜で~す♪」

「麗奈で~す♪」

「青空です、よろしく!」

「大愛です~♪」

「・・・花音です、みんなノリ軽くない?」

「コレが私の友達、高校の同級生だよ。」

「「「「「「コレ言うなし!」」」」」」

「陽菜です・・・で・・・アレなに?」

 外を指差す陽菜。


「あードラゴンと竜騎士団だよ。」

「・・・この・・・人?は?」

「あ、ウチの婚約者!エーデルさんです虎の獣人なんですよ!」

「獣人!?そっちは!?」

 陽菜はルプ達を指差す。


「これは私のペットのルプで~す♪」

「よろしくな、ヒナ。」

「こっちは私のペット~♪」

「わっちはビェリーばい。」

「この子はコンだよ。」

「よろしくお願いします!」

「えっと、このおさるさんはサンジュ君です。」

「ウキッ!」

 いつもの様にペット達を紹介すると三珠が彩葉を乗せ歩いて来る、そして彩葉はグリンと首を動かす。


「イロハよ♪」

「あ、どうも。」

「驚かないの!?」

「え?あぁ、人形が話すのね、ビックリしたわ。」

「・・・そう。」

 なぜかしょんぼりする彩葉。


「イロハで驚かない人初めて見たよ、ねーちゃん。」

「いやいや、あんたコレ見てもう驚きようがないでしょう!?ドラゴンに獣人!話すでっかい狼に蛇!狐!サル・・・は話ししてないけど!」

「はなせるよ?」

「話せるんだ・・・。」

 キョトンとした顔でサンジュと話す陽菜。


「さて、積もる話もあるでしょうけど~♪」

 千春は軽く話しをしめると皆をテーブルに座らせる。


「マグロ料理食べましょう!」

「食べよー!」

「よっしゃマグロ!」

「ウチ鉄火丼!」

「私頬肉のステーキ♪」

「脳天のステーキも美味しそう!」

「ミオ鉄火丼のタレコレねー!」

「さんきゅー!」

「お母さんどれたべる?」

 日葵は梅乃に声を掛ける。


「どれも美味しそう!ヒマリちゃんコレシェアしない?」

「いいよーん♪ねーちゃんどれたべる?」

「・・・え?」

「え?じゃなく、どれたべたいか言ってよ。」

「・・・えっと、説明は?」

「さっきしたじゃん、異世界で生活してますー、私には婚約者居ますー、お母さんとお父さんもコッチで仕事してますー・・・以上!」

「ザクっとしすぎなのよ!もっと詳しく!」

「・・・マグロ食べてからね。」

 日葵はそう言うと適当に置かれていた皿を手に取る。


「はい、これはカルパッチョかな、ねーちゃん食べなー。」

「・・・うん、頂きます。」

「ハチェット様!こっちで一緒に食べましょう!」

「良いのかい?」

「はい!」

「いや・・・お姉様は。」

「あ、そっちは気にしなくて大丈夫です。」

 日葵はそう言うとマグロのステーキをハチェットの前に、そして梅乃と一緒にヅケ丼や海鮮丼を味わった。


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