閑話休題:王宮庭園!
「凄いわねぇ。」
マルグリットは王宮にある庭園を散歩しながら呟く。
「はい、今この庭園はユラ様、イーレン・ゴールマン伯爵令嬢が見ております。」
「ユラとレンと言うよりも・・・妖精よね。」
「はい。」
マルグリットの言葉に答えるエリーナ。
「おかあさま!」
「ユラ、走ったら危ないわよ。」
遠くからユラが可愛いドレス姿で走って来る。
「おうひさまごきげんうるわしく。」
「レンも元気そうね。」
ニッコリ微笑むマルグリット。
「おかあさまおさんぽ?」
「そうよー、少しは動かないとね。」
軽くお腹を摩りながらマルグリットは答える。
「王妃さま~お花どうぞ~♪」
「綺麗な王冠だぜー!」
妖精のルルとポポが花で出来た王冠を手に飛んで来る。
「ユラ達が作ったのかしら?」
「はい!」
「作りました!」
「ありがとう、ルル、ポポ、いつも二人を見てくれてありがとうね。」
「一緒に居るだけよ?」
「楽しいからな!」
マルグリット達は話しをしながらガゼボまで移動すると椅子に座る。
「見ない花が増えたわね。」
「ルルとポポと、リリとクゥクゥもおはなのたねを持ってきてくれたの!」
「アミちゃんたちもそだててくれてるんです!」
ユラとイーレンは花畑を見ると、他よりも小さい軍隊蜂が花の周りを飛んでいた。
「軍隊蜂を最初見た時は驚いたけれど、凄いわねぇ。」
マルグリットが呟くとユラの横に立つ侍女コラリーとドロテが話す。
「チハル王女殿下から御聞きした話ですが、花や果実の蜜を取り、その時に受粉を手伝うとの事で御座います。」
「他にも蜜に加えローヤルゼリーと言われる物を集めると、それから蜜蝋と言われる物は化粧品にもなると言われておりました。」
「それは凄いわね、その蜜蝋は?」
「ミツバチでは無いのであまり集まらないと言われておりましたが、アミさんが採れるように古い巣を入れ替えるようにしたようです。」
「蜂と話しが出来るレナが居るからそんな事が出来るのね。」
少し呆れ気味に話すマルグリット。
「果樹園の方も収獲が増えていると聞いております。」
話を聞いていたアルベルは思い出しながらマルグリットに言う。
「凄いわね軍隊蜂・・・いえ、アミが凄いのかしら。」
皆が話をしていると他の蜂よりも大きな軍隊蜂が飛んで来る。
「あ!アミちゃんだ!」
「アミちゃーん!」
ユラとイーレンが手を振るとアミは一直線に飛んで来ると目の前でホバリングする。
「アミ、いつもありがとう、ユラ達の護衛もしてくれてるのでしょう?」
「ブブブブブッブブブブ!」
「フフッ、謙遜しなくても良いのよ、それに果樹園やチハルの畑も見てくれているでしょう、話では街の護衛もしてるそうね。」
「ブブブブッ。」
「えぇ、いくらでも持って行ってちょうだい、それにこの花や果樹園の花を増やしてくれているのは貴女の子だもの。」
「ブブブッブッブブブブブ!」
クルクルと回りを飛び回る軍隊蜂の女王アミはマルグリットの周りを数回飛ぶと姫桜へ飛んで行った。
「おかあさま、アミちゃんともお話できるの?」
「出来たわね、私もビックリしたわ。」
「おうひさま凄いです!」
「この石のおかげなの・・・秘密よ?」
フフッと笑い口に人差し指を当てこっそり話すマルグリット、するとユラは上を見上げる。
「ラティだ!」
「ヤマト君もいます!」
ユラにつられ上を見上げるイーレンも鳥を見つける。
「最近仲が良いのよあの2人。」
ガゼボから少し顔を出し空を見上げるマルグリット、二羽の鳥はゆっくりと羽ばたきマルグリットの前に降りて来る。
「いらっしゃいラティ、ヤマトさん。」
「クィッ!」
「コケっ!」
「あら、デートなの?」
「クィックィッ!」
「・・・コケっ。」
「ヤマトさん、ラティをよろしくお願いしますね。」
「コケッ!!!」
「かめきちさんは?」
「・・・こけっ。」
「そう、あの人最近かめきちさんに愚痴るのよねぇ、かめきちさんは苦に思って無いって言ってくれるけれど。」
「こけ~、コケッ。」
「そう?それなら良いけれど、お礼しないといけないわねぇ、ヤマトさん何かかめきちさんの喜ぶ事知らないかしら?」
「コケッコケコケっ!」
「そうなの?魚・・・チハルに聞けば手に入りそうね、ありがとうヤマトさん、ラティも今日は楽しんでらっしゃい。」
マルグリットがそう言うと二羽は大きく羽ばたき空へ飛んで行く。
「ヤマト君って空とべたんだぁ。」
イーレンは千春に鶏は空を飛べないと聞いていた為少し驚いていた。
「ヤマトさんは聖獣なのよ、あの姿も一番楽な姿って言ってたから、本当の姿は凄いのかもしれないわね。」
イーレンにそう答えるマルグリットはエリーナに声を掛ける。
「今日はココでお茶しましょう。」
「はい、ユラ様、イーレン様こちらへお座り下さい、ルル様、ポポ様もどうぞ。」
エリーナはそう言うとアイテムボックスの魔道具に加工された袋を広げお茶セットやお菓子を取り出す。
「ほんと便利ねこの魔道具。」
「はい、チハル王女殿下とサフィーナの作る魔道具とは違い、アルデア様が作ったアイテムボックス魔道具は入る量が倍くらいありますので。」
「アルデアにもお礼しなくちゃいけないわねぇ。」
フフッと笑みを浮かべながらマルグリットはお礼する人達を思い浮かべる。
「・・・困ったわ、お礼する人が多すぎるわ。」
「王妃殿下、お腹の方が落ち着きましたら一緒にお考え致しますので。」
「そうね、エリーナ、アルベル、ありがとう。」
「おかあさま、ユラもかんがえます!」
「わたしも一緒にかんがえます!」
「あらあら、ユラとレンも?ありがとう。」
2人の頭を撫でながらマルグリットは庭園で安らかな一時を過ごした。
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