マグロ料理を作りますのよ!
「麺つゆー、刺身醤油も買っとこ。」
「あっちの使わないの?」
「美味しく食べたいじゃん、あっちの醤油だとねぇ。」
「まぁわかる。」
わかってしまった頼子は頷く。
「ワサビあったばーい!」
子供姿でテコテコ歩いてくるビェリーは楽しそうに山葵チューブを持ってくる。
「後何か必要な物あるかな?」
千春、頼子とビェリーは店内を歩く、鮮魚コーナーでビェリーが立ち止まる。
「どうしたん?ビェリー。」
頼子が覗き込むとそこにはイクラや雲丹が並んでいた。
「おー、イクラいいねー。」
千春はイクラのパックをヒョイと手に取り買い物かごに入れる。
「ビェリーウニもいる?」
千春が問いかけるとニパッと満面の笑みで頷く。
「どうせルプ達も食べるだろうし多めに買っとこ。」
「人魚ちゃん達持ってきたヤツにウニは無かったもんね。」
「マグロだけじゃ飽きるかもだし甘エビとかも買っちゃお。」
「イイねー、豪華な海鮮丼になりそう♪」
頼子も嬉しそうだ、そしてお約束のお菓子コーナーでお菓子を買い漁り精算を済ませると家路に着く。
「お酒届いてるね。」
「ビェリーよろ。」
「あーい。」
影収納すると異世界に戻る、応接室にはサフィーナ、サリナが、そしてルノアーも居た。
「ルノアーさんどうしたの?」
「イッカクマグロの話を聞いたので。」
「あー、そう言う事ね、厨房に来てー。」
千春はブロックに切ったマグロを取り出す。
「ルノアーさん刺身に出来る?」
「あぁ大丈夫だ、これは陛下にお出ししても大丈夫かな?」
「うん、お土産の約束してたし大丈夫、あとこのお酒も一緒にお願い。」
千春は日本酒を一本取り出すとルノアーに渡す。
「あと刺身醤油とワサビはコレねー。」
「了解した、ありがとう。」
「明日は別のマグロ料理も教えるから。」
「色々あるのかい?」
「めっちゃあるよ~ん。」
ルノアーはカートに乗せると料理人達と戻っていった。
「んじゃ戻ろっか。」
「千春、メグ様は?」
「明日料理作るよー。」
「今日連れて行かないの?」
「・・・連れて行くとさぁ、お父様寂しがるらしいんだよねぇ~。」
「あー・・・うん、明日みんなで作ろう。」
アハハハと笑いながら千春達はハースに戻った。
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「ただ~いまっ!」
「おかえりチハル!」
美桜と麗奈が出迎え声を掛ける。
「みんなはー?」
「まだだよー。」
「そっか、取り敢えず料理始めるかなー。」
千春は厨房に移動するとマグロを取り出す。
「うぉ!イクラじゃーん!」
「甘エビもあるじゃん!」
「ウニもあるよー。」
「おぉぅ!」
「ま、私はウニ苦手なんだけどね。」
千春は苦笑いしながら呟く。
「ウニ嫌い?」
「食べれないことはない、くらいかな。」
「それを嫌いと言うんだよ。」
「なんと言うか・・・ほら、微妙な苦みと臭味がさぁ。」
「おこちゃまだからしょうがない。」
「おこちゃま違いまーす♪」
千春と美桜が話をしていると麗奈が魚介類を捌き始める。
「さぁぁ!海鮮丼は私に任せろぉ!」
「ウチも手伝うー。」
「まかせた~♪それじゃぁまずは~。」
千春は一口サイズの刺身を沢山切り始める。
「ん?コレはヅケかな?」
「ぴんぽーん、良く分かったね。」
「まぁ目の前に調味料ならべてっからねぇ。」
みりんと醤油、酒を見ながら頼子が言う。
「千春割合は?」
「醤油2みりん1酒1。」
「うぃっす、どれくらい作る?」
「そのバットに浸けるから半分くらいかな?」
「りょー。」
慣れた手付きで頼子は調味料を混ぜ合わせ火にかける。
「チハル、手伝いますよ。」
「サフィーの方は細切りにしてもらえる?」
「細切りですか?」
「うん、ユッケにするから。」
「ゆっけ?」
「そ、おいしいよ~ん。」
「私もてつだいまーす!」
「モリーは調味料お願い。」
みりん、醤油、ごま油、そしておろしにんにくを混ぜ合わせるモリアン。
「よし!次!」
千春はヅケ用と刺身用を切り終わると、頭肉を取り出す。
「刺身も良いけど煮つけも作りたいなぁ。」
「あら、お母さんがつくる?」
「うん!おねがいおかぁさん♪」
厨房に顔をだした春恵はマグロの頭肉を手に取ると一口サイズに切っていく。
「よし、次はステーキかな。」
「ステーキは私が焼くー!」
麗奈が手を上げると、美桜がスマホを見せる。
「チハル!これこれ!」
「あー、さっきLIMEしてきたやつね、はいパン粉。」
「さんくす!」
「ミオが作る?」
「うん!やってみるー、簡単そうだし。」
「油気を付けてね。」
「まかせろい!」
美桜は赤身の部分を厚めに切る、そして卵液を作り小麦粉を混ぜるとそれにマグロをくぐらせる。
「これにパン粉~♪」
「ミオ様、油の方は準備出来ました。」
サリナは菜箸を油に入れると温度を測り美桜に言う。
「あーい!それじゃ揚げまーす。」
マグロのカツを作り始める美桜。
「毎回思うけどさー・・・作りすぎじゃね?」
頼子はそう言いながら大量の刺身をヅケにしていく。
「あまりそうならアイテムボックスに入れてルノアーさんに試食させるよ。」
「あー、明日作るって言ってたもんね。」
「そ、何を作るか見てから教えた方が早いっしょ。」
ウンウンと頷く頼子、そして酒の肴用にとマリネやカルパッチョも作るとサフィーナがアイテムボックスへ次々収納していく。
「チハル!とろろ!とろろある!?」
思い出したように麗奈が千春に問いかける。
「あるよ!おじぃちゃんから貰った山芋!」
「あら、立派な自然薯ね。」
春恵が自然薯を手に取る。
「これ出汁と混ぜたいんだけど、おばぁちゃん居ないんだよねぇ。」
「お母さんが作るわよ。」
「え?作れるの?!」
「勿論♪何度食べたと思ってるのよ。」
春恵は自然薯をあっという間に摺り下ろすと卵、鰹ダシ、味噌、砂糖と目分量で混ぜ合わせる。
「はい、おばあちゃんの味で作ったわよ~♪」
「うひゃー美味しそう!」
「チハル、これマグロ無しでも最強じゃん。」
「うん、めっちゃ美味しい。」
「マグロ丼にかけたら?」
「無敵になります。」
ゲラゲラと笑いながら楽しく料理を作るJKや春恵、そしてマグロ尽くしの料理が大量生産された。
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