花音とバジェス良い感じ?!

「美味しいですねカノンさん。」

「はい、バジェスさん、あっちで食べるマグロより美味しいです。」

「あっち?」

「・・・あ!」

 花音は千春達を見る。


「ん、言っても多分大丈夫だけど、どうなの?ハルト。」

「あぁ、今はやめておこうか、バジェス明日王都に戻るが一緒に来れるか?」

「はっ!お呼びと有れば。」

「ハース卿には話を付けておく、準備しておいてくれ。」

「了解致しました。」

 頭を下げるバジェス。


「カノンちゃ~ん。」

 手首をクイックイッと動かし花音を呼ぶ美桜と麗奈。


「・・・なんでしょか~。」

「どうなんよ・・・(ボソッ)」

「良い感じじゃん・・・(ボソッ)」

「・・・まぁ、うん。」

 両肩に腕を回されホールドされる花音、そして目の前に千春達がのぞき込む。


「で?」

「でって何よでって。」

「お付き合い出来そうなの?」

「・・・まだそこまでは話ししてないって言うかー。」

「いや、もう決まりっしょ。」

「だよねぇ。」

 JK達が話をしている所にルプとビェリー、コンが猿のサンジュを捕まえ話す。


「どうだ?サンジュ。」

「どんな感じなん?」

「魂繋がってたらわかりますよね?」

「・・・ウキッ!」

 サンジュは親指を立てサムズアップし満面の笑みだ、それをみた千春達。


「はい!確定頂き!」

「え!?なんで!?」

「あ、説明してなかったね、魂繋がってる守護獣は感情が繋がるのでわかりまーす。」

「そんなの聞いてない!」

「言って無かったかぁ?」

「うん聞いてない!」

「まぁ今言ったけどな。」

「ちょぉぉぉ!!!」

 顔を真っ赤にして怒る花音、JKと違い男性陣はこっそりと話しをしていた。


「バジェス、どうなんだ?」

「はい、素敵な女性です。」

「まぁあの中では落ち着きもありそうですし。」

「アリン、まだ分からないぞ?」

「そうですか?」

 アリンハンドはエーデルとホーキンを見ると、2人はすっと目を逸らす。


「まだ食べる人いるー?」

 千春は周りを見渡す、エンハルト達はペロリと食べ終わり、ユラ達幼女軍団の横では、いつの間にかモートも一緒に刺身を食べていた。


「残りは夜の楽しみで良いじゃろ。」

「そうだな、酒と一緒にやりたいな。」

「楽しみばい~♪」

「サンジュも呑める口ですか?」

「うきっ!のめるっ!」

「それじゃ残りは夕食と言う事でナイナイしまーす。」

「手伝いますね。」

 千春とサフィーナは切ったマグロを次々とアイテムボックスへ収納していく。


「チハル様、この頭は如何なさいますか?」

 ワークスは自分よりも大きなマグロの頭を見ながら問いかける。


「これだけ大きいとカマとか頬肉も大きそう~。」

「そこって美味しいの?」

「めっちゃ美味しい。」

「捨てられないねー。」

「でもうまく取れるかなぁ。」

 千春はミスリルの出刃包丁を手にすると頬部分に刺す。


「うん、切れるね。」

「手伝おうかー?」

「お願いしようかな、ワークスさん、ここからここまでのカマ部分を切ってもらって良いですか?」

「はい。」

 ワークスは一瞬だけ刀を抜き収めるとカマの部分がするりと落ちる。


「この部分のお肉なんだけど、鉄の包丁で切れる?」

「ちょっとまってねー。」

 千春に受け取った通常の出刃包丁で刺す頼子、しかし。


「無理だわ!」

「皮かったいわぁ!」

「ハルト~、エーデルさーん、ホーキンさーん、ミスリルの剣だよねー?」

「あぁ、切るか?」

「おねがーい、ワークスさんはこっちの頭肉お願いしていい?」

 千春の指示を受けながらマグロの頭を解体し始める面々。


「チハルこの角どうするの?」

「え?いや、別に何もしないけど、使い道あんの?」

 マグロの頭からドリルの様に出た角をペチペチ叩く美桜と麗奈。


「鑑定・・・うん、食べられないね。」

「そっか、なんかこういうのって勿体ないって思っちゃう。」

「私もー。」

「あげるよ。」

「「いらんわwww」」

 千春はケラケラ笑いながら頬肉を削り取り脳天の頭肉もアイテムボックスへ入れる。


「よし!食材ゲットだぜー!」

『チハルーお代わり持って来たわよー。』

「千春、解体する?」

「・・・いや、もうこの一匹消費するのにどれくらいかかるのってレベルなんだけど。」

 アイトネと春恵が楽しそうに言うが、千春は勘弁してくださいと言わんばかりに答える。


「それじゃ無くなったら言ってね。」

『沢山食べれるわ♪』

「・・・何匹くらい・・・いや、何でもないです。」

 2人の事だ、沢山獲ったんだろうなと思いながら千春は言うのを止めた。


「これ部位で食べ方変わるの?」

 皆の作業を見ていた花音が千春に問いかける。


「変わるって言うか色々食べ方あるみたいなんだよねーほら。」

 スマホで検索した『まぐろ・脳天・レシピ』を見せる。


「・・・うわぁ美味しそう!」

「もうこれだけ大きいと希少部位でも何でもないよね。」

「チハルこれからどうするん?」

「ヨリまだ体力は?」

「ばっちしよ。」

「ミオたちはー・・・大丈夫そうだね。」

 皆は千春に向かって親指を立てていた。


「もうすぐお昼なんだけど・・・刺身沢山食べたもんなぁ。」

「お昼はもう良いんじゃね?」

「うん、お腹いっぱいって事はないけど良い感じ。」

「夜たっぷり食べれば良いし遊ぼうぜ~!」

 青空達も遊ぶようだ。


「チハルおねえちゃん、うみの中であそべるー?」

「水中で呼吸出来る魔法使えないからなぁ。」

「シャチ君も居ないもんね。」

「海獣を呼ぶなら儂が呼んでやろう。」

 ロイロはそう言うと歌う様に吠える。


『水中呼吸の魔法なら私が掛けてあげるわ~♪』

「あ、アイトネ全魔法使えるんだっけ、流石神!」

「俺が一緒に見ててやろう、刺身のお礼だ。」

 モートは子供達を見守るようで気付けば水着姿になっていた。


「モートさん水着姿になってもその仮面は付けてるんですね。」

「モートさまかっこいい!」

「うん!かっこいい!」

「かっこいいですー!」

 幼女達はキャッキャと楽し気に言う。


「ロイロ様お呼びですか?」

 人魚と海獣がワラワラと海から顔を出す。


「うむ、海中探索をしようと思ってな、出来るか?水中呼吸の方は問題無いんじゃが。」

「それでしたら大丈夫です、私達が海の中をご案内しますね。」

「やったぁ!」

 ピョンピョンと飛び跳ね喜ぶユラ達。


「私達も行く?」

「行くでしょ。」

「フリエンツも凄かったけど、こっちはどうだろうねー。」

「あっち凄かったもんねー。」

 頼子達はフリエンツを思い出しながら呟いているとアルデアが影から飛び出してくる。


「海の中行くのね!」

「うわぁ!アルデア!見てたの!?」

「海で遊ぶなら呼んでよね!」

「ごめんごめん、見てたの?」

「見てたわ!この子が!」

 アルデアはモリアンを指差す。


「へ?モリー?」

 千春がモリーを見ていると髪の毛からもそもそと蝙蝠が現れる。


「監視だそうですぅ。」

 モリアンは頭を指差しながら答える。


「アルデアおねえちゃんイーナちゃんは!?」

「居るわよ~♪」

 アルデアが言うが早いか影からイーナが飛び出す。


「イーナもいくのですー!」

「それじゃ海の中に行きますかっ!」

「おー!」

 皆は大きなシャチのような海獣に乗る。


「チハル、さっきの魚私も食べたいわ。」

「あ~アレも見てたのね、夕食に出すから楽しみにしといて。」

 千春はニヤリと笑うと満面の笑みでアルデアは返す、そして皆は海に潜って行った。





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