全員そろって朝食を!
「チーちゃん、起きたかーい?」
文恵は千春の寝室に入ると声を掛ける。
「んぁあ!?おばぁちゃん!」
「寝ぼけてる?」
「・・・あー!昨日泊ったんだっけ。」
「そうだよ、昨日遅かったからねぇ、朝ごはん食べるでしょ?」
「たべるぅ~。」
千春は大きなベッドをゴロゴロと転がりながら降りると服を着替える。
「みんなはー?」
「今モリーちゃん達が起こしに行ったよ。」
「ふぇ~い。」
応接室に入ると春恵は文恵を手伝い朝食を作っていた。
「おはよーおかぁさん。」
「おはよ、今日の予定は?」
「んー、なーんも。」
千春はポケポケした顔で返すとソファーに倒れ込む。
「眠いの?」
「うん・・・昨日のぱーちーで遅くまで起きてたからぁ。」
千春が話していると頼子達も入って来る。
「おふぁぁぁぁ。」
「おあよぉうぅ。」
「・・・くぁぁあああ。」
「おぃぃっすぅ。」
「おは!」
「・・・ダイア元気すぎぃ。」
JK達がゾロゾロと部屋に入って来る。
「おはよぉぅ。」
「チハル眠そうだねー。」
「ダイア寝起きなん?」
「もち、熟睡よ!」
大愛はニッコニコで答える。
「自分に睡眠魔法かけたからね~♪」
「は?何それ。」
「え?暗黒魔法で睡眠導入だけど?」
「・・・は?」
「自分にかけたの!?」
「ヨリも出来るの!?」
「え?私も教えてもらったけど自分にかけれんの!?」
「うん、かけたら熟睡出来たよ。」
ニッコニコで答える大愛。
「ウチも掛けてもらえばよかったぁ、ねむぅ。」
「その代わり最低3時間は起きれないよ。」
「3時間くらいなら逆に起きたくないわ!ぐっすり寝たい!」
「私も今度から自分にかけよ・・・(ぼそっ)」
「ん?暗黒魔法で眠らせるなら聖だとなんだろ。」
「起こすんじゃないの?」
「・・・うぇいくあっぷ!」
適当に英語で言う千春は魔力を溜め解放する。
「ふぉ!目覚めた!」
「マジか!」
「おぉー!スッキリ!」
「ちょっとまって、もしかして私も使えるって事!?」
初心者聖女の青空が千春に言う。
「使えるんじゃないの?」
「うぉー!これで毎朝布団天国の束縛から脱出出来る!」
嬉しそうに言う青空、千春は思わず突っ込む。
「青空・・・日本じゃ魔法発動しないからね。」
「あ”あ”あ”ぁぁぁわずれでだぁぁぁぁぁ!」
「どんまい、こっち限定で毎朝元気に起きてくれ。」
JK達が騒いでいるとママさんズ、パパさんズも部屋に入って来る。
「おはよう!」
「あら、元気ね皆。」
「おはよ~。」
「おはよ、お父さんお母さん。」
子供達は両親に挨拶する、ママさんズはそのまま厨房へ行き手伝いを始め、パパさんズはテーブルを囲み話始める。
「千春、今日お父さん達こっちで仕事するから。」
「ほーい、何すんの?」
「宰相さんに呼ばれてね、研究成果の確認と領で進めてる研究のすり合わせだね。」
「へぇ~・・・がんばって~。」
興味を秒で無くした千春は適当に相槌を打つ。
「千春どん、今日は?」
「の~ぷらん。」
「そっか、それじゃ今日は手に入れた大量のミスリルでイロハの改造しよう!」
大量のミスリルと聞き、パパさんズが一斉に頼子を見る。
「ちょ!ヨリ?!大量のミスリルって何?!」
「千春!ミスリル手に入れたの!?」
「おいおい、ミスリルが大量にあるなら分けてもらえないか!?」
「沢山あるのなら分けてもらいたいね、計画も進むよ。」
パパさんズが一斉に声をかける。
「うぉぅ、良いけど何に使うの?」
頼子が問いかけるとヨリパパこと勇が答える。
「合金を作っているんだよ、今はアルミ合金を作ってるんだけど魔法金属があまり手に入らなくてね。」
「あー、別に良いけど・・・ねぇ千春、アレまだ動いてるよね?」
「うん、処理してないからね。」
「動く?ミスリルが?」
「うん、ミスリルゴーレムそのまま収納してるから。」
「「「「ミスリルゴーレム!?」」」」
パパさんズが揃って声を上げる。
「うぉぅ!う、うん、面倒だからそのまま収納してるの。」
千春が説明するとパパさんズは相談を始める、そして千春達も話す。
「どうする?一匹ずつ壊していく?」
「ルプー処理できる?」
「あぁ、周りに被害が出ない所に行けば幾らでも潰すぞ?」
「ロイロにも頼めば早いかな・・・。」
千春は寝室の床で寝ていたロイロを思い出しながら呟く。
「チハルちゃん!そのゴーレムはどうやって動いているんだい?」
「魔石らしいけど、魔物じゃないらしいんだよね。」
「魔物じゃない?」
「うん、遺跡のガーディアン的なゴーレムだったんです。」
「ほほぉ?」
レナパパこと和也がニヤリと笑みを浮かべる。
「これはアレですね、行動パターンか指示を魔石に埋め込み動かすタイプですか。」
「そうすると書き換えれば護衛ゴーレムに出来ると。」
「その魔石だけ取り出したいな。」
「壊さず魔石だけ取り出すのは至難では?」
パパさんズがまたコソコソと話を始める。
「千春、ミスリルゴーレムは何体あるの?」
「え~~っとぉ、1匹はビェリーがボロボロにしたけど14体あるよ。」
「そんなに!?」
「核は!?そのボロボロのやつの!」
「ビェリーが壊しました、あ!でもテールカが核の書き換え出来るって言ってましたよ、取り出せるならとも言ってましたけど。」
説明をするとパパさんズはまた囲み話す。
「どうにか核欲しいですね。」
「うん、ミスリルじゃなくゴミになった合金を使ったゴーレムも再利用出来る。」
「問題は・・・。」
「取り出せるかだなぁ。」
コソコソと話すが千春達にも丸聞こえだ。
「千春、ミスリルゴーレム渡したら改造出来ないんじゃん?」
「いや、あの扉とか鎖とか全部持ってきたじゃん、アレぜ~~~~んぶミスリルだし。」
「そういやそうだったわ。」
「それにあの遺跡もっと探せば有りそうじゃん?」
「イイネ、足りなくなったら取りに行くか。」
JK達もコソコソと話すが、パパさんズは聞き逃さなかった。
「ヨリ!まだ有るの?!」
「あ、あると思う・・・よ?」
「場所は!?」
「えー!お父さん達取りに行くつもり!?」
「良いだろ?一杯持ってるんだろ?」
「まぁ有るけど。」
「その遺跡の所有者は誰になるんだい?」
「え?誰なの?千春。」
「さぁ?知らない、サフィー、こういう時って所有者誰になんのー?」
良く分からない千春はサフィーナに問いかける。
「発見者と攻略者が所有者になります、王国にも所有権が発生しますね。」
「あ、王国にもあるんだ。」
「あとはその遺跡の主人が存在していれば・・・。」
サフィーナは子供のドラゴン姿でコロコロしているミカとゼルを見る。
「・・・私は主人じゃないわよ?」
「俺も捕らわれていただけだ。」
「んじゃ私達が攻略者!」
「でも王国領地だからエイダン国王陛下の采配だにぇぇ~。」
「お父様なら持ってけって言いそう。」
「わかるぅ。」
「いや、流石にクラークさんが止めると思う。」
「宰相さんストッパー!」
「でも文献的な物はアリンさんが持ってったからチャラじゃん?」
「そう言うけどウチら別にいらなくね?」
「「「「「たしかに。」」」」」
結局所有権は要らないと結論付けたJK軍団はエイダン国王に丸投げする事にした。
「で、ゴーレム君は何匹必要なの?お父さん。」
「取り敢えず核が採れるなら無傷な核が1個、ミスリルも1体だけ欲しいね。」
「14匹も居るし1個くらい無傷で取れるんじゃない?」
「そだねー。」
話が付くとママさんズが話しかける。
「話終わったー?」
「朝ごはんよー!」
「ほら、皆席について。」
「お母さん達も今日はこっちで仕事するから何か有れば言いなさいね。」
ママさんズはそう言うと席に座る、そして皆が席につくと挨拶をし食事を始めた。
「「「「「「「「いただきまーす!」」」」」」」」
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