日葵、ブルーワグの日常!

「ヒマリ様、商会の方がお見えになっております。」

「はーい。」

 日葵はブルーワグ国の自室で寛いでいた、侍女に声を掛けられ立ち上がる。


「応接室に待たせております。」

「ありがとう。」

 そう答えると扉を侍女のコロソが開ける。


「ありがと、コロソ。」

 お礼を言うとコロソはニコッと微笑み返す、コロソと侍女ジエルはジブラロールから連れて来た侍女だ。


「こっち慣れた?」

「はい、ただ・・・。」

「何か有った?」

「ジブラロール王宮食堂の料理が恋しいです。」

「あ~、普段こっちで食べるもんね~。」

「はい。」

 コロソが言うとジエルもコクコクと頷く。


「チハルに言ってこっちの食堂も改善してもらおうかなぁ、私もコッチで美味しいの食べたいし。」

 ポツリと呟くと目をキラキラさせ頷く侍女2人、そして日葵専用の応接間に着くと扉を開ける。


「お待たせしました。」

「いえ!ヒマリ様、本日はよろしくお願い致します。」

 壮年の男性で仕事が出来そうな男はブルーワグ国商業ギルドのギルドマスター、カカトゥだ、カカトゥは頭を下げる。


「そちらは?」

「イデスと申します。」

 同じく年齢は30歳くらいの男イデスが頭を下げる。


「先日言われていた新しい商会の商会長を務めさせて頂きたいと思い、連れて参りました。」

 カカトゥは自信ありげにイデスを紹介する。


「生産の方は?」

「はい、問題無く。」

「了解です、シャンプーやコンディショナーに関してはマルグリット王妃殿下の商会長と話をお願いします。」

「はっ、ローガン殿には既にお話させて頂いております。」

「それじゃ問題ないですね、あとはー・・・。」

 日葵は日本語で書かれた紙を見ながら商品説明と製造計画を組んで行く、イデスは必至でメモを取り話を聞く。


「ヒマリ様、商会名の方なのですが。」

「あ、決めてませんでしたね。」

「はい、如何なさいましょうか。」

「えぇぇ、適当に決めて良いですよ。」

「いえ、それは困ります、次期王妃殿下直属の商会になりますので。」

「名前決めるの苦手なんですよねぇ。」

 日葵は後ろに立つコロソをチラッと見る。


「・・・ヒマリ商会で宜しいのでは?」

「嫌!」

「全力否定ですね。」

「だって私の名前とかハズいじゃん!」

「恥ずかしくはないと思いますよ?」

 コロソは気さくに話す、日葵、コロソ、ジエルの三人は同じ年と言う事もあり普段から友達の様に話をしていた。


「ジエル何か思いつかな~い?」

「・・・んー、ヒマリ商会で。」

「つかえねー!」

「次期王妃がそんな言葉遣いはダメだと思いますー。」

「つかえませんわぁ!」

「あ、皆さんに御聞きしたら如何です?」

「皆?」

「はい、すまほと言う道具でいつも会話してますよね?」

「ソレだ!ナイスジエル!」

 日葵は少々お待ちをと、カカトゥ、イデス2人に言うとスマホを触る。


(ひ~ま)急募!私の商会名!

(ちは~)あー例の商会?

(ひ~ま)うん!今商談中なんよ!」

(よりすけ)ひまり商会

(ひ~ま)それは嫌なのよ!

(MIO~N)ヒマ商会

(SORA)なにその暇そうな商会

(だいや)売れる物も売れなくなりそうな名前だなぁ

(ひ~ま)もうちょっと良いのない!?

(ちは~)ヒマワリ商会とか。

(ひ~ま)お、良いかも

(よりすけ)ヒマワリって英語でなんだっけ

(MIO~N)サンフラワーじゃね?

(だいや)サンフラワー商会はちょっと長いな

(よりすけ)ヒマワリでいんじゃね?

(ひ~ま)さんくす!ヒマワリで行くわ!


「ヒマワリ商会でお願いします。」

「ヒマワリですか、何か語源が?」

「あ、こっちヒマワリ無いのかな?花の名前で私の名前でもあるんですよ。」

 日葵はヒマワリを検索し説明をする。


「・・・ちょっと気になる花言葉が見えたけど気にしないでおこう。」

 最後載っていた花言葉、「愛慕」「崇拝」「情熱」そして「偽りの富」と最後は見なかったことにした。


「それではヒマワリ商会と登記させて頂きます。」

「はいお願いします。」

「ヒマリ様よろしくお願いします。」

「はい、イデスさんよろしくお願いします。」

 2人に礼をし日葵は席を立つ、そして部屋に戻る。


「ヒマリ様、最後気にしないって言ってた言葉何だったんですか?」

 気になったのかコロソが問いかけて来る。


「・・・偽りの富って花言葉もあるんだよ。」

「えぇ~!?大丈夫ですか?」

「ま、文章読んだらキリストさんを裏切ったユダさんの来ていた服の色って書いてたし、こっちキリスト教無いし大丈夫っしょ。」

「そうですね、神様は女神アイトネ様やモート様、ハル様で御座いますから。」

「あ、でもアイトネ様ならそこらへん分かるのかな?」

『呼んだー?』

「うわぁ!アイトネ様!?どうしたんですか!?」

『呼ばれた気がしたから~♪』

「いや・・・あ、名前は呼びましたけど、あの、花言葉の偽りの富とか意味有ります?」

『無いわよ~♪受け取る側の気持ち次第ね~♪』

「良かった、それじゃ問題無しと言う事で・・・で、なんで私が名前呼んだら来たんですか?」

『・・・ん?キノセイよ。』

「えぇ~?・・・ちょっと待ってください!?たしかヨリも何かしてましたよね!?」

『あ、ちょっとのっぴきならない用事思い出しちゃったわ♪』

「なんでそんな言葉知ってるんですかぁ!?アイトネ様ぁ!?」

 日葵が突っ込むと同時にアイトネは消えた。


「・・・ヤバい、私も何かされてる気がする!」

 日葵は直ぐにスマホを取り出す。


(ひ~ま)アイトネ様の名前読んだらアイトネ様が来たんだけど!

(よりすけ)お?( ´∀`)人(´∀` )ナカーマ

(ちは~)あー、やられてんねぇ

(MIO~N)・・・ウチらもヤバくね?

(SORA)って事は私も?

(だいや)うちもヤバないか?

(MIO~N)どうやって調べれるんだっけ!?

(よりすけ)たしかスキルだからアリンさんが鑑定できるよん

(MIO~N)ヨリ!今何処!?

(よりすけ)アリンさんの家~♪

(MIO~N)連れて来て!ウチも今から異世界行く!

(SORA)私も行くわ!明日そっちから学校行くからヨロ!

(だいや)うちも!ガンダするわ!

(ひ~ま)私もジブラロール戻るわ、ヨリ頼む

(よりすけ)りょ、すぐ戻るわー


「コロソ、ジエル、ジブラロールに帰るよ。」

「如何されました?」

「・・・なんか女神様にスキル付けられたっポイ。」

「おめでとうございます。」

「おめでたくないんだよなぁ!コレ!」

「女神様と交信出来るのですよね?」

「・・・ま、早く言えばそう。」

「お祝いですか!?」

「いや・・・ん?そうなのかな?ま、取り敢えず戻ろう!」

 そして急いで部屋に戻る日葵、部屋で遊んでいる妖精クゥクゥに声を掛け急いで日葵はジブラロールに戻った。





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