スライム捕食するヤツを食う!
「ダイエットとは!」
頼子はソファーに倒れながら言う。
「もう食べれない・・・。」
「お腹いっぱい食べたら意味なぁぁぁい!」
千春、麗奈もソファーに座ると大きな声で話す。
「美味しかった?」
「「「「「美味しかった!」」」」」
『トモミ達の料理ほんっと美味しいわ、幾らでも食べれそう。』
アイトネも満足そうに話す。
「でもこれじゃダイエットにならないわね千春。」
「おかぁさん何かいい方法無い?」
「動けば?」
「・・・はい。」
春恵に言われ素直に返事をする千春、しかし何かないかと考える。
「ねぇ、千春。」
「なにーヨリ。」
「ゼリーとかは?」
「あー、蒟蒻で出来たゼリー的な?」
「いや、こっちに有るじゃん、アレでゼリー作ったらカロリーどんな感じなの?」
「さぁ?アイトネ、あのスライムってカロリーあるの?」
『どうかしら、カロリーってエネルギー量よね?』
「えっとぉ・・・多分!」
『ほとんど無いと思うわよ?』
「マ?もうゼリー作るしかないじゃん。」
千春はアイテムボックスの中身を確認すると、溶かしたスライムを取り出す。
「加工済?」
「うん、固める前のヤツ。」
「でも少ないね。」
「余り物だからねー。」
「明日捕りに行けば?」
「せやね。」
明日スライム捕獲を計画しながら皆は満腹なお腹を抱え夜を過ごした。
---------------
「スライムぅ!」
「おー、いるねぇ。」
千春と頼子はスライム養殖場に来ると穴を見下ろす。
「いらっしゃいませチハル王女殿下。」
「おはようございまーすジイータさん。」
大人の女性と言う感じのジイータは千春に礼をすると微笑む。
「スライムですか?」
「はい!ちょっとゼリーを作ろうかと思って。」
「どれくらい捕りましょうか。」
「えっとー、あのサイズを3つくらい?」
バスケットボール程のサイズでウニョウニョしている精霊喰いを指差す千春、ジイータは手慣れた手付きで網を使いスライムを捕獲する。
「入れ物に入れますね。」
「あ、アイテムボックスで保管するのでこの中にお願いします。」
千春はアイテムボックスを開くと、ジイータは網からスライムを取り出し中へ入れる。
「千春、アレ何かな。」
頼子がスライム養殖場の隅を見ながら指差す。
「んぅー?何だろ。」
「あ!またでた!」
ジイータは養殖場の隅にいる動物にファイアーボールを投げつける。
「ファイアー!」
ボゥッ!
「アレ何?」
「このスライムを食べるモグラです。」
「あ、モグラいるんだ。」
「はい、美味しいですよ。」
「モグラ食べるんかい!」
「最近よく出て来るんです、もしかしたら繁殖して地下に沢山いるのかもしれません。」
ジイータはそう言いながら土魔法で穴を埋める。
「害獣だね。」
「スライム好きなのかな。」
「このモグラ凄く淡泊で、ルノアー様に持って行くと料理してくれますよ。」
「淡泊?」
「はい。」
「・・・ネズミっぽいけどね。」
動かなくなったモグラを見ながら頼子が呟く。
「スライム食べてるモグラって何か効能あるのかなぁ。」
ジイータは網でモグラを掬い上げる。
「アイトネー、このモグラ何か効能あるー?」
((んー・・・魔力豊富ねぇ、あとカロリー少ないわよ))
「なんですと?」
「なんて?」
「カロリー少ないって。」
「マ?」
「ちょっと何匹か捕まえたいねぇ。」
「ビェリー、モグラ居るかわかる?」
「わかるばい、あっちの林の地下におるね。」
「ルプ捕まえれる?」
「出てくればな。」
少し離れて見ていたルプとビェリーが答える。
「うん、これはスライムの害獣を処理する仕事です。」
「そうだな。」
「そうやね。」
「千春、わざわざ言う必要あった?」
「なんとなくね。」
千春達は養殖場を離れ林の入り口に移動する。
「こっちばーい。」
ビェリーはにょろにょろと林に入っていく、そして。
「・・・ボスおるね。」
「ボス!?」
「ボスって何!?」
「さっきのモグラの親やない?デカいばい。」
「それがポコポコ子供産んでるのかな。」
「子供が子供産んでその子供がまた産んどるけん。」
「そんなに居るの?」
頼子が言うとルプも気配を探る。
「あぁ結構居るな、殲滅するか?」
「んー、美味しいらしいし、ある程度数減らしたら良いんじゃない?」
「そうだねぇ~、ボスは倒しておいたら良いんじゃん?」
「ビェリー出せるか?」
「出さんでも降りりゃ早ない?」
ビェリーは土魔法で大きな穴を開ける、すると空洞が現れた。
「おおー?」
「地下に穴があるー。」
「この奥におるばい。」
人が通れそうな穴が幾つもあり、所々に木々の根が張っている。
「あ!あそこにちっちゃいの居る!」
千春が指差す方に小さいと言われたモグラが居たが、子犬程の大きさがある。
「小さくねぇ~。」
「・・・なんかこっちの世界じゃちっちゃい気がした。」
「たーしーかーにー。」
2人が話をしているとビェリーが影に落とす。
「モグラげっとばーい。」
「どんな味なんだろうねー。」
「淡泊って言うしカロリー低いならササミ的な?」
「でも鶏肉っぽいイメージじゃないけどね。」
魔法で階段を作るビェリーはニョロっと階段を降りる、ルプはギリギリ通れないほどの穴を見ると、狼男に変身する。
「あ、久しぶりだルプの人狼。」
「人狼って・・・村人襲うアレじゃん。」
「意味わかりゃいいじゃんよ~。」
千春は以前買った懐中電灯を手に持ち穴に向かう。
「もぐらさ~ん。」
「呼んで返事有ったら怖いよね。」
「そりゃそうだ。」
「そこ出たらおるばい。」
「暗くて見えないね。」
「俺が行こう。」
ルプはそう言うと暗闇に消えた、そして数回打撃音がすると声が掛かる。
「もう良いぞ。」
「はやっ。」
千春は奥の部屋に入ると懐中電灯を照らす。
「でかっ!!!!」
「なんじゃこりゃ!!!!」
ルプの横に転がる大きな物体、3mはあろうかと言う程の丸い塊が転がっていた。
「コレがボスモグラ?」
「やねぇ、これやっとって良かったばい。」
「なんで?」
「魔石できよるけん。」
「げ、魔物化する所だった?」
「やね~。」
「んじゃ回収しまーす。」
千春はボスモグラをアイテムボックスに入れる、そして出口に戻り掛けに数匹のモグラを頼子が回収し表に出た。
「よし、それじゃジイータさんに挨拶してルノアーさん所行こっ!」
ホクホク顔で言う千春、頼子も満足そうに頷き厨房へ向かった。
---------------
「ルノアーさんきたよー!」
「いらっしゃい!何か作るのか?」
「んにゃー、これ調理してほしくて。」
そう言うと頼子を見る、頼子はモグラを床に落とす。
「あぁモグラか。」
「解体してないけど良い?」
「問題無い、おい!」
ルノアーは料理人を呼ぶと、料理人はモグラを別の部屋に持って行く。
「あれってどんな味なの?」
「ん~、少し硬い兎みたいな感じだな。」
「・・・兎食べた事なーい。」
「わたしもー。」
「ま、食べてみれば分かる、昔は美味しいと思わなかったがチハルさんの調理法で作ると美味しいからな。」
「あ!ルノアーさん、カロリー低めで調理お願い!」
「カロリー?」
「えっと・・・その、ダイエットしてるの。」
「あぁ、了解した。」
ルノアーは微笑み肉を取りに行った。
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