ダイエット料理と言えば!
「おから~おから~おからくっき~♪」
「お約束だね。」
千春が歌いながらオカラを混ぜ合わせる、頼子も手伝いながら呟く。
「ダイエットにはタンパク質なお菓子だよね。」
「お菓子はダメじゃん?」
「・・・。」
「はいはい、食べたいもんね~。」
黙る千春をナデナデしながら手伝う。
「チハルー、こっちは~?」
「それはオートミールだよ。」
「え?こっちの世界にもあるの?」
「うん、米と一緒で動物の餌だった。」
「可愛そうに、オートミール君。」
「で?コレで何作るの?」
「何でも出来るよ、米の代わりにリゾットにしたり、おにぎりにも出来るし。」
「へぇ~美味しいの?」
「・・・不味くはない。」
「把握。」
アハハと笑いながらも手伝う美桜と麗奈、青空達もコネコネしながら話す。
「オートミールクッキーの味はなににするん?」
「材料もうすぐ届くよー。」
千春がそう言うとリリ達妖精が入って来た。
「チハル~ココア持って来たわよ~♪」
「ナイスタイミング、ソラに渡してー。」
「ココアクッキーか。」
「果物混ぜてもいいけどしっとりし過ぎて冷えるとすっごい固くなるんだよね。」
「ほほ~?バナナクッキーとか作りたかったな。」
「あ!それなら!」
千春は材料を並べながら話す。
「バナナスコーン、バナナマフィン、バナナ蒸しパン、どれにする?」
「マフィン!」
「マフィン!」
「マフィン!」
「はいはい、マフィンねー、それじゃココアバナナマフィンにしよっか。」
「うぃっ!」
材料を並べながら千春はレシピを教える。
「オートミールを粉末にして、卵2個にバナナ4本くらい、あとはココアとベーキングパウダーね。」
「それだけ?」
「砂糖は?」
「砂糖入れたらダメじゃん!」
「あ、ダイエット用だっけ。」
青空達はマフィンを入れる容器を並べ、材料を混ぜ合わせ始めた。
「クッキー準備オッケーです先生!」
「はい、ミオさん、この天板にならべてくださーい。」
「はーい!」
「千春オカラの方もコレで良くね?」
「良い感じだね、こっちはちょっとふっくら感出すからスプーンで掬って落としていって。」
「ほいよ。」
千春は指示をしながらサフィーナに声を掛ける。
「サフィー、良い感じ?」
「オーブンは準備できましたよ。」
「うぃー。」
「これ、お菓子よね?」
「ダイエット用のね。」
「ダイエット用の料理を作るのかと思ったわ。」
「あー、そっちも気を付けて行くけど、原因は普段のお菓子の方だと思うんだよねぇ。」
「確かに良く食べてましたものね。」
サフィーナとオーブンを見ながら話していると、リリが声を掛けて来る。
「チハル、これ、ドライアド様から。」
クゥクゥと、他の妖精が籠を運んでくる。
「何これ。」
「しんちんたいしゃが良くなる食べ物って言ってたわよ?」
「なんですと!?」
そう言うと鑑定をする。
「鑑定!・・・ん?」
「どしたん?千春。」
「いや、コレ・・・もらったんだけど。」
「へぇ~なに?この木の実。」
「これはスボラの実よ~?」
「うん、鑑定でもそう書いてた。」
「へー美味しいの?」
「・・・辛いらしい。」
「カプサイシンか。」
「やっぱこっちでもカプサイシン効くのかぁ。」
「ショウガも良いって聞くよね。」
「血流が良くなって体が温まるから脂肪の燃焼を促進してうんたらかんたら。」
スマホを見ながらカプサイシンを調べる千春。
「で、これどうするの?」
「辛いんだよねぇ?唐辛子的な扱いかなぁ、リリありがと。」
籠を受け取ると、千春はスボラの実を半分に切る。
「・・・血の様に赤いんだがぁ。」
「うわぁ辛そう。」
千春は果汁をペロリと舐める。
「っかっ!!!!!!!」
「そんなにか。」
頼子もペロっと舐める。
「くぁっ!!!!」
「これは効きそうだぁ。」
「どうやって使うの?」
「飲む?」
「いや、この果汁のんだらヤバいって。」
「あ、それじゃ今日の晩御飯は辛い料理にする?」
「イイネ、私辛いの好き。」
「辛い・・・あ!」
千春はアイテムボックスからキノコを取り出すと、もにょもにょ動く。
「レッドファンガスちゃん!」
「うん、この子辛いよね確か。」
「辛かったね。」
「それじゃこの子とスボラの実と~。」
アイテムボックスを開くと、挽肉、豆腐を取り出す。
「はい!今日の晩御飯はコレ!」
「ほう?麻婆豆腐かな?」
「ぴんぽーん、激辛でな!」
激辛と聞いて美桜が手を上げる。
「甘いのも作ってっ!!!!!」
「甘い麻婆豆腐とかどうなんよ。」
「千春!激辛は任せろ!」
以前激辛20倍カレーを食べた麗奈がサムズアップする。
「レナって普段から辛いの食べてる?」
「めっちゃ食べてる。」
「だから太りにくいのか!!!!」
「さぁ?関係なくね?」
「辛くない辛い料理も作るかぁ。」
「どっちなんよ。」
「甘辛ってやつで。」
鶏肉やチーズも取り出し材料を切る。
「これは?」
「チーズタッカルビ、この前見てたらおいしそうだったんだよね~。」
「辛い料理って言われると、あの大きな国と半島な国想像するね。」
「だね~。」
「チハルーエビチリ食べたーい。」
日葵も中華な料理をご所望のようだ。
「いいよー。」
次々と材料を揃えて行く、すると外から声が聞こえ始めた。
「あら、良い香りね。」
「ほんと、お菓子作り?」
「お菓子の匂いなのに並んでるのが肉とかエビってどうなの?」
ママさんズがドヤドヤと入って来る。
「ちょっと辛い料理の話してたんですよ。」
「へぇ~、これは麻婆豆腐?」
「こっちは?」
「エビチリだよお母さん。」
「私達も作って良い?」
「お母さん達忙がしいんじゃないの?」
「用事が終わった所なのよ、今日の晩御飯でしょ?」
「うん。」
美桜ママ、麗奈ママ、そして頼子ママも腕をまくる。
「それじゃ私は麻婆豆腐作るわね。」
「トモミ、私はエビチリ作るわ。」
「エビの処理はしておくわね~。」
三人は手際よく料理を始めた。
「お母さん。」
「何?ヨリちゃん。」
「これダイエット料理だから。」
「あ~、へぇ~、そうなの?」
「うん。」
「任せなさい、レイコ、ミサキ、そう言う事だから。」
「年頃だと気にするわよね~。」
「それじゃダイエット料理作りましょ。」
「作れるの?お母さん達。」
「私達も通って来た道だもの、任せて頂戴。」
三人はそう言うと晩御飯の支度を始めた。
「あなた達はそっちのお菓子見てなさいな。」
「はーい。」
「仕事取られちゃったね。」
「良いじゃん、ママ達の料理美味しいし。」
「そだね。」
お菓子をオーブンに入れ、居間に移動する、すると春恵とアイトネがお茶をしていた。
「アイトネ・・・まだ呼んでない。」
『えへっ、ハルに用事が有ったのよ。』
「どんな?」
『えっと、元気かな?・・・って。』
「向こうからも見えるでしょ。」
『だってぇぇ!たまに忘れるじゃない!チハル!』
「まぁ、うん、ごめん。」
千春は素直に謝る、そして厨房から声が聞こえる。
「辛っ!!!なにこれ!」
「初めて見た実ね!辛いわ!」
「これ何に使うのかしら。」
スボラの実を味見したママさんズが大声で辛い辛いと騒ぎ出す。
「・・・言うの忘れてたわ。」
「・・・今言ったら文句言われそうだから放置しとこ。」
千春と頼子はウンと頷き言わない事にした。
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