ドワーフの国に遊びに行くの巻!

「たっだいまー!」

「あー、家帰ってきた感。」

「ジブラロールが第二の家!」

「安心するよねー。」

 皆はフェアリーリングから出ると部屋に入る、するとエンハルトが寛いでいた。


「おかえりチハル。」

「ハルト、何してるの?」

「ん、泊りは無いだろうなと思ってな。」

「まぁ無いけど~、あ、明日ドワーフの国に行く予定なんだよ。」

「ガーラムか、明日なら俺も行けるな。」

「行く?」

「あぁ、ついて行こう、アリンにも伝えておく、チハルは母上にちゃんと報告するんだぞ?」

「はーい・・・モリー!よろしく!」

「へ!?」

「お母様に連絡よろー。」

「・・・はい。」

 モリアンは返事をすると部屋を出て行く。


「それじゃお風呂入って今日はゆっくりしましょ~♪」

「千春、お母さんはお父さんの所に鰻持って行ってくるわね。」

「はーい。」

 それぞれが戻り、千春達は温泉に浸かる、そして明日の準備を始めた。


コンコン


「ほーい。」

「チハル、ゲルダムに会いに行くの?」

「いえ?前行ったときドワーフの町探索してなかったので遊びに行こうかなって。」

「そう、私達も行って良いかしら?」

「達?」

 千春が言うと後ろから手を振りながらルクレツィアが現れる。


「はぁ~いチハルちゃん、私も良いかしら?」

「うん、護衛?」

「カラーシャに会いたいから。」

「カラーシャさんってたしか王妃様でしたっけ?」

「そ!」

「大丈夫ですよ。」

「いつ出発するのかしら?」

「えっと、明日の9時・・・朝2鐘頃ですね。」

「分かったわ、準備しておくわね。」

 そう言うとマルグリットとルクレツィアは部屋を出て行く。そして千春達は就寝するまで遊んだ。



---------------



「はい、準備終了。」

 早朝からお酒を受け取り、酒のツマミやお菓子を補充するJK軍団。


「ただいまー!」

「お帰り~、買えた?」

「買った買った。」

 買い物袋を頼子に渡す麗奈、頼子は影に収納する。


「こっちも準備出来たぞ。」

「ハルトおはよー。」

 庭から現れたエンハルト、後ろには昨日と同様にエーデルとホーキン、そしてドラゴニュートのレフト、ライトが立っている。


「護衛は4人?」

「あぁ、ガーラムの町は治安が良いからな。」

「そなの?」

「あぁ、ドワーフは犯罪に容赦ないからな、あの国で犯罪するなら命がけだぞ。」

「へぇ~、それは初耳。」

「ま、ドワーフ自体の気性が荒いってのも有るけどな。」

「大丈夫なの?それ。」

「行けば分かる。」

 説明をしている間にもマルグリットとルクレツィアも準備が出来たと部屋に入って来る。


「そろいましたかね!」

 千春はキョロキョロと見まわす、皆が頷き庭に出るとクゥクゥとリリがフェアリーリングの周りをくるくる回っていた。


「準備おっけーよー!」

「いつでも行けるわよー!」

「ありがとう2人とも、ヨロシクー。」

 皆は次々とフェアリーリングに入る、そして転移した。



---------------



「到着!」

「いつも思うけど便利すぎる。」

「たまには飛空島で旅行もしてみたいね。」

「いや、それするなら連休じゃないと無理くせぇ。」

「卒業旅行は異世界でとか?」

「イイネ。」

「おいおいまだまだ先の話じゃんよ。」

「その前に受験なんだよなぁ。」

「やめてダイア、思い出させるでない。」

「ソラ勉強してる?」

「やーめーろー!」

 JK達が話をしていると兵士が現れる。


「ジブラロールの!?」

「あ、おはようございます。」

「ガリウス、おはよう、ゲルダムは居るかしら?」

「はっ、マルグリット王妃殿下、お久しぶりで御座います、陛下は只今・・・多分部屋です。」

「そう、チハル行くわよ。」

「へ?私も?」

「挨拶くらいはしておきましょ。」

「はーい。」

「いらっしゃいませマルグリット様。」

「久しぶりコルラット、ゲルダムに挨拶するからこの子達をお願い。」

「はい、それでは応接間の方へ。」

 執事のコルラットは胸に手を当て返答すると頼子達を案内する、マルグリットとルクレツィアそして千春は、侍女のエリーナとサフィーナを連れゲルダムの所へ向かう。


「本日はどのようなご用事で?」

 ガリウスは案内しながら問いかける。


「遊びに来ただけよ、私とルクはカラーシャに会いに来たの。」

「私は町に遊びに行きたいでーす。」

「王女殿下は町ですかい?」

「はい!」

「それでは護衛を準備しておきましょう。」

「あ、護衛は沢山居るので大丈夫ですよ。」

「しかし案内はいるでしょう?」

「・・・はい、お願いします。」

 ガリウスは部屋の前に来るとノックを鳴らす、部屋の中から返事が有り扉を開けるとゲルダムが話しかけて来る。


「メグ、ルク、どうした?」

「遊びに来たのよ、カラーシャは居る?」

「あんたに会いに来たわけじゃ無いわよ~。」

「勿論居るぞ、チハル久しぶりだな。」

「お久しぶりでーす!あ、お土産ありますよー!」

「酒か!?」

「はい!お酒で~す。」

 千春が答えると嬉しそうにするゲルダム、しかし直ぐに真顔になる。


「あら、どうしたの?」

「いや、面倒事があってなぁ。」

 腕を組み考え込むゲルダム。


「何かあったの?貴方がそんなに悩むなんて珍しい。」

「俺だって悩む事はある、一応国王だしな。」

「へぇ~、ま、頑張ってね。」

 マルグリットはケラケラ笑いながら言い放つ。


「お母様悩み聞いたりしないんです?」

「しないわよ?ドワーフの矜持があってね、よっぽどの事が無い限り頼まないのよ。」

「へぇ~・・・で?何があったんです?」

 物凄く気になった千春は思わず問いかける。


「う~む、チハル、今日は誰か連れて来ているのか?」

「えっと、ハルトとアリン、それからいつものペット達とエーデルさん、ホーキンさん、2人が乗れるドラゴニュート2人ですね、あ、私とお母様の侍女も数人居ます。」

「ふむ・・・。」

「何?手助けが居るくらい面倒な事?」

「あぁ、鉱山にゴーレムが出た。」

「あら?ゴーレムくらいならドワーフでも倒せるでしょう?」

「それがなぁ、ミスリル鉱山で出やがったんだ。」

「えぇぇ、それは面倒だわ。」

「ミスリル鉱山でゴーレムだと面倒なんですか?」

 話を聞いていた千春がマルグリットに問いかける。


「えぇ、周囲の鉱石を集めてゴーレムになるの、ミスリル鉱山でゴーレムが出てきたらどうなると思う?」

「ミスリルゴーレムが出来る?」

「そ、物理攻撃は効かない、魔法も弾く、面倒この上ないゴーレムの出来上がり。」

「うわぁ・・・あー、だから私の連れ聞いたんですね。」

「あぁ、ドラゴンなら魔力でも物理でもゴーレムの上を行く、俺達ドワーフの比では無いからな。」

「ふむふむ~、ロイロに討伐してもらいますね。」

「お願い出来るか?勿論お礼は準備する。」

「お礼はいいですよ、町で遊ばせてもらえば。」

「助かる、詳しい話はガリウス頼んだぞ。」

「はっ。」

 楽し気に千春は答える、暇潰しが一つ出来た程度で考える千春は二つ返事で答えるとゲルダムの部屋を出る。


「チハル、大丈夫?」

「多分、最悪私とサフィーでどうにかなりますし。」

「・・・あ!アイテムボックスね?」

「はい、以前もゴーレム捕獲しまくったんで。」

「ほんっと頼もしいわ。」

 マルグリットは千春の頭を撫でる。


「えへっ。」

「それじゃサフィー、チハルをお願いね。」

「はい、お任せください。」

「ルク、エリーナ、行きましょう。」

 マルグリットは2人を連れ分かれる。


「さて、さくっと討伐して町探索しよー。」

「チハル、一応皆と計画組んで行きましょうね?」

「あ、やっぱり?」

「もう、いつもそうなんだから。」

 呆れた様に言うサフィーナ、ガリウスは心配そうに話を聞いているが、千春はケラケラと笑いながら皆の所へ戻った。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る