おかぁさんとプレーンオムレツ!
「千春ぅ~ミオ達きたよ~。」
「・・・。」
「ダメだこりゃ、アイトネ様お願い出来ます?」
『良いわよ、原因は私だし?』
春恵に抱き着いたまま顔を埋め動かない千春を2人は見つめる。
『それじゃ迎えに行くわね。』
「私も行きまーす。」
アイトネと頼子は門を通る、そして美桜と麗奈を連れて来る。
「こんちにわ~い・・・あれ?チハル正座してないじゃん、おわったん?」
美桜は春恵に抱き着く千春を見るが、千春は動かない。
「あれ?ヨリ、この人は?」
「・・・千春ママ。」
「「えー!!!!!!」」
「そりゃ驚くわなぁ。」
千春にそっくりのポニーテールにした髪型、横から見れば千春が大人になればこんな感じだろうなと言うほど似ている、頼子はアハハと笑い、千春の前に座る。
「千春ママはなんでこっちに・・・いや、生まれ変わった?転生?」
頼子は春恵に尋ねるとアイトネが話始める。
『私が向こう、日本に行くようになってウカちゃん達と交流してるでしょう?』
「らしいですねぇ。」
『その事を予測していた管理者が居たのよ。』
「・・・未来予知みたいな?」
『大雑把に言えばそうね。』
「凄いですね。」
「そんな神様居るんだ、すごぉ。」
「なんて神様なんですか?」
頼子が言うと美桜と麗奈も食い付く。
『死と運命の女神、生成と現在の女神、そして未来と義務の女神の三姉妹よ。』
「おぉーカッコいい!ってそんな神様居たんだ。」
『アマちゃんの知り合いらしいの、そして未来にこの扉と異世界、それから私やチハル、ハルエの事を知った三女が、長女に言って魂を受け取り、次女が魂を精神生命体にして待ってくれたのよ。』
美桜と麗奈はそれを聞き、ハッと春恵を見る。
「え?!ってことは神様なの?チハルママ!」
「そう言う事じゃないの!?精神体って言ってたよ!?」
「らしいよ~、さっきもポンって現れたもん。」
3人は千春の頭をナデナデしている春恵を見る。
「ちはるー、ママさん女神になったってよー?」
「・・・かんけいないもん。」
美桜に言われても、抱き着いたまま呟く千春。
「そりゃまぁ、うん、良かったね。」
「うん、良かったね、でもチハルの語彙が幼い。」
「千春ママはずっとこっちに居れるんですか?」
頼子は嬉しそうな春恵に問いかける。
「ここに現れる事は出来るけど、ずっとは無理ね、アイトネ様から力を分けてもらってるの。」
「でも少しなら来れる感じです?」
「えぇ、でもまだこの体、精神生命体?力が少ないのよ。」
「そっかぁ、アイトネ様そこはどんな感じなんです?」
『ある程度なら私が分けれるわ、それにチハルには借りが沢山あるもの、少しくらい融通利かせるわ♪』
アイトネは皆に言うと千春がガバッと起き上がる。
「アイトネ!今日おかぁさん泊まれる!?」
『えぇ、明日の朝チハルが学校に行くまで大丈夫よ。』
「・・・その後は?」
『まだ足りないんでしょう?十数年ぶりですものね、戻ってきたら数日は会えるようにしてあげるわ。』
アイトネは優しく千春に答えると千春がアイトネに抱き着く。
「アイトネ好き!」
『あら、私も好きよ♪』
「おかぁさんご飯食べれる!?」
「勿論、食べれるわよ。」
「プレーンオムレツ食べて!めっちゃ頑張って作れるようになったの!」
「ウフフ、知ってるわよ~、ウルズ様の所へ行ってからも、ヴェルザンディ様から千春の姿を見せてもらってたもの、スクルド様にも夢に送ってもらっていたわ。」
「神様?」
「えぇ、感謝しきれないくらい大事にしてもらったわ。」
「お礼したい!」
「それは大丈夫よ、ヨリちゃんの両親がこっちでやる仕事にお礼も含めて向こうの神様にも恩恵が行くから。」
春恵はそう言うと、頼子達は思い出す。
「そうだった!お父さん達は!?」
「お父さん達はエイダン国王様の所で、お母さん達はメグ様の所だよ。」
美桜に頼子が答える。
「これはお父さん達の仕事を手伝う流れか?」
「出来る事有ればやりたいね。」
「何処の領なんだろ。」
「近くの領って言ってたよ。」
頼子、美桜、麗奈が話していると千春がエンハルトに声を掛ける。
「ハルト・・・おかぁさんなの。」
「ハルエ様で御座いますか。」
「エンハルト君ね、千春の母、春恵です。」
千春にそっくりの笑みを浮かべる春恵。
「チハル・・・チハルさんとお付き合いさせて頂いております。」
「ありがとうございます、千春をよろしくお願いしますね。」
「はい、必ず幸せに致します。」
「ハルト!」
「なんだ?」
「もう幸せなんだけど!」
「そうか、それじゃもっと幸せにしてやろう。」
「よろしく!おかぁさんご飯作るから待ってて!」
「えー、お母さんも作って良い?」
「だめ!私が作るの食べて!」
千春はそう言うと春恵を座らせる。
「アイトネ、ありがとう!めっちゃ美味しいの作るから食べてね!」
『チハルの料理はいつもめっちゃ美味しいわよ?』
「ありがと、今日は最高の作るから!」
「チハル、手伝うよ。」
「ウチも手伝うー♪」
「私も手伝うよ、千春厨房行こっ!」
JK4人はそう言うと立ち上がり厨房へ向かった。
『良かったわね、ハルエ。』
「アイトネ様、私その呼ばれ方好きじゃ無いのよ。」
『古臭いんでしたっけ?』
「知ってたの?」
『タイキが言ってたのを聞いたわ、でもメグはココに居るじゃない?』
「千春を大事にしている人ね。」
『そ、どっちがどっちか分からなくなるわ。』
「う~ん、それじゃハルで良いわ。」
『安易ねぇ。』
「そうかしら、エを付けるとなんか古臭いのよね、そう思わない?エンハルト君。」
春恵はエンハルトを見るが、エンハルトは良く分からず首を傾げる。
「珍しい名前だとは思いますが、変では無いと思いますが、あと私の事はハルトとお呼び下さい。」
ニッコリ微笑むエンハルト、春恵は笑みを返し頷く。
「まぁ良いわ、チハルにハルト、そして私がハル、ハルだらけなんだけど・・・ま、いっか。」
春恵はそう呟くとサフィーナを見る。
「サフィーちゃんね。」
「はい、先程は失礼致しました。」
「千春を叱った事?」
「はい、申し訳ありません。」
「フフッ、もっと叱っても良かったわよ?」
「え?」
「あの子、叱られる事無かったの・・・私が死ぬまで、そして死んだ後も、叱ってくれてありがとう、サフィーちゃん、これからも何か有れば叱ってくれるかしら?」
「・・・お母様も一緒にお願い出来ますか?」
「勿論♪千春が悪い子としたら一緒に叱りましょうね。」
2人はクスクス笑う、そしてまだ挨拶をしていない者達に目を向ける、一番に目に入ったのは日本人形の彩葉だ。
「春恵!」
「久しぶりね。」
「会いたかったわ!」
テテテテと小走りで近寄る彩葉は春恵に抱きかかえられる。
「私もよ、あなたと話せたらと何度も思っていたもの。」
嬉しそうに言う春恵、そしてルプ達を見る。
「ルプ様、千春を見て頂きありがとうございます。」
「問題無い、俺がやりたくてやってるだけだ。」
照れるように言うルプ、春恵はロイロを見る。
「ロイロ様、いつも面倒を起こす娘ですがよろしくお願いします。」
「はっはっは、母君よ気にしなくても構わん儂も楽しんで居るからのぉ。」
ゲラゲラ笑うロイロは気さくに返事を返す。
「おかぁさん、アイトネ!出来たよー!」
千春と頼子が皿をもってプレーンオムレツを運ぶ。
「美味しそうね♪」
『ほんと、美味しそう♪」
「皆の分も今から作るから、まずはおかぁさんとアイトネね!」
2人はテーブルに座るとスプーンでオムレツを口に運ぶ。
「千春、とても美味しいわ。」
『えぇ、チハル、美味しいわ。』
千春は頼子と目が合うと満面の笑みになる、そしてまた厨房に戻り作り始めた。
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