サルベージ・アーク
鼠鞠
戦乱
序章
幼い頃からそこに行きたいと思っていた。
大草原が広がっていて、動物も人間も植物も仲良く暮らしている。王様はとても優しくて、みんなの憧れ。誰かを傷つける存在など一つも居ない、そんな眩しい世界。
「じゃあ、生物はどうやって生きていくの?」
誰かがそんな事を言った。
「みんな誰かを殺さないといけない」
幼子に言うには残酷だっただろう。しかしその人は続けた。
「本当の
すう、と息を吸う音がした。
「何も存在しない世界だよ」
今では食物連鎖だとか生態系だとかの知識があるためなんとなく分かるが、当時は幼すぎて何を言われているのか分からなかった。
しかしその人は誰だっただろうか。声は覚えているのに、姿かたちは一つも思い出せない。
「……でも、お前なら、お前が描く
「ほんと!?」
「ああ、お前は選ばれし子だからな」
その人は少しだけ笑っていた。高いとも低いとも言い切れぬ声で語りかけ、頭を優しく撫でてくれた。
「お前次第で、どんな世界も作れるよ」
サルベージ・アーク 鼠鞠 @mknorange___
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