　・愚弟の感想

　切ない事件の結末……ということを書きたいのだと、文章から伝わってきました。

　しかし、実際には最後にかけては衝撃の展開を前に置いてけぼりを食らっていました。びっくりする真実が明かされて、それによって主人公は命を絶つわけですが、私には感情移入できませんでした。

　読んだ人を置いてけぼりにしないためには納得感が必要だと思います。よくできたミステリなどは謎が明かされてもそこに納得感が存在しています。作家は物語の作り手なので、いくらでも衝撃の事実を後出しできます。しかし、納得感を持たせて情報を開示することはとても難しいテクニックです。

　驚愕の真実で主人公の心が動いて結末へと向かう話を、感情移入して読んでほしいのであれば、それらの納得感がもう少し欲しいかなと思いました。

　・小山の感想

　少しだけ置いてけぼりにされてしまいました。

　何となくやりたいことはわからないでもないですが、読者がついていくには少し難しい展開が続きます。

　ミステリー風味なのは良いのですが、推理が決めつけで、そこから二転三転するということもなく犯人を殺してしまうというのは少し強引すぎる気がします。

　本来ならば、そこで驚愕の展開！　となる予定だったのかもしれませんが、説明などが不足がちで雑に見られてしまいます。

　終わりに主人公が死ぬのも驚きの展開ではないので、二転させるつもりなのだとしたら、そこがしっかりと急展開になっているかどうか、客観視してみましょう。

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