　作品リンク：https://kakuyomu.jp/works/16817330650562896642

　・愚弟の感想

　積極的で押しかけ女房なヒロインが可愛い作品でした。

　特に一話のシチュエーションが面白く、どっかの美人が自分を理由に告白を断っていてフラれた男たちが聖地巡礼のように自分の元を尋ねてくる、という構図は秀逸です。

　そこまでされるとヒロインへの興味が湧いてきて、ページをめくらざるを得ませんでした。そのあとすぐにヒロインが現れたのも良かったです。

　ただ、もったいないなと感じたのが一点。

　これは好みかもしれませんが、ヒロインが幼馴染の女の子だという情報はもう少し伏せていても良かったのかなと思います。謎がストレスになるという意見もある昨今ですが、全てが暴かれてしまうと拍子抜けしてしまうことも事実です。序盤でヒロインがどんな女の子なんだ？　と気になったように、いったいこのヒロインの正体は！？　どうして自分にこんなにアタックをするんだ？　でもアタックされるのは嬉しい、というような心の振り子をぶんぶん揺らした方が主人公の感情は動くかなと思います。

　もし、たんにいちゃつく二人が書きたいのだ、というのであれば無視していただいても構いません。実際、二人がいちゃつくのをこれだけ続けられる作者さんの実力は確かなものです。

　しかしだからこそ、もしこの作品が一冊の本になると考えたとき、どこでヒロインの正体が明かされたら面白くなるか。そのことを考えてみても良いフェーズだと思います。

　・小山の感想

　後輩ちゃんが一途に諦めずにアピールしてくるのがとても健気でいい。

　主人公がクソボケなので、押せ押せのヒロインとよくバランスが取れていて、ラブコメらしいラブコメと言えるだろう。

　ただ、元幼馴染であるというそれだけで大きなイベントを一つ作れそうな情報を軽く扱うのはどうだろう。

　もう少しなぜ好かれているのかわからない、という状況を続けた後に、イベントとともに明かすことでより大きなインパクトを読者に与えられる。

　それ以外の部分はむしろ、大分よくできていてこれからも自信を持って書いていってもらえればと思う。