　・愚弟の感想

　サイバーパンクで町おこしというミスマッチが面白いです。

　独自の視点でのSF的解釈にも好感が持てました。そういったことを考えるのが好きなのだろうということが伝わってきます。

　ひとつ気になる点は、会話において誰が話しているのか分かりづらいというところです。

　誰が話しているのかが分かるようなセリフ回しを心がけてみるとより読者が楽しみやすくなると思います。

　幸い本作ではキャラクターの設定は個性的になっています。その個性に準拠した話し方、単語選び、口調、などを掘り下げてみてください。もしくは、誰が話しているのかわからない会話を思い切ってカットしてしまうのも一つの手だと思います。

　今後の連載も頑張ってください。

　・小山の感想

　SF世界で食事情を扱うというのはユニーク。最初に切り捨てられることの多い部分だ（作中でもサプリなどが出てくる）からこそ新鮮味がある。

　また、それを田舎でやるというのも昨今のスローライフ小説の流れに乗っており、アイデア◎といったところ。SF世界特有の設定もよく書けている。

　惜しむらくは話の筋にパンチが薄いことだろうか。

　盛り上がる話には障害がある。それを乗り越えるカタルシスが読者を熱狂させるのだが、この作品ではその障害をうまく表現しきれていないように思われる。

　魅力的な主人公には魅力的な敵役が必要だ。あえて、躓くための石ころについて考えてみるのもいいかもしれない。

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