　・愚弟の感想

　ソシャゲ課金者をコメディとして描いた一作。

　劇台本として書かれただけあって、セリフのキレとテンションとテンポの良さには読ませる力がありました。

　しかし、後半にかけてボルテージが上がっていくにつれ、キャラクターたちのノリに振り落とされてしまい、うまく味わうことができませんでした。

　キャラクターたちと同じ景色が見えればより楽しむことができると思います。地の文での描写や、感情移入のための工夫がもっとあると、小説としての面白さに繋がるのではないでしょうか。

　とはいえ、劇台本を書かれるのであればセリフや役者への演技に関してのコメントに関する技術をよりいっそう磨くのも一つの手だと思います。

　・小山の感想

　ガチャの効能について書かれた怪文書？

　前半部とエピローグで、それら二つをつなぐ描写が足りず、落としどころがあまりよくないかもしれない。

　台本、コントのようなスタイルと考えれば、話構成はまぁ理解できる。

　絆を紡ぐという意志。そのテーマに対してキャラクターを構成する背景を投射することで、人間ドラマを生み出す。ここだけ取れば教科書的だが、ガチャを回すという行為をそのメタファーとして置くことでユーモアとユニークさを両立させている。

　小説という形態から見ると異端児であることは確かだが、現代劇として演じる分には実演に耐えうると思うがいかがだろうか。

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