第4話 魔術テストの時間

「これから魔術テストを始める」

 どうしてこうなったんだろう、いきなりのテストクラスの雰囲気は最悪である。


そんな時アズ先生は起爆剤を用意していた。

「ちなみにこのテストでいい成績を取れば好きな席に席替えできる権利をやろう」


「え、マジですか?」

 いっきに皆の気分がブチ上がる。


 校舎から少し離れたところにおおきな運動場がある。少し寒さが残る中そこに集まった。


「そこに特殊なコーティングを施した人形がある。そこに思いっきり魔法を打ち込んでもらう。ただし自分の属性の魔法だけだぞ」


 よく見る魔術の威力をはかるものだ。離れたところにモニターがあり、魔法のステータスが数字で表示される仕組みになっている。


「まずは1番 イカナ・ゼイン」

 出席番号順にはじまった。


「よし、いくぜ <マイズ>!」

 そう唱えると火球が、人形のほうに打ち込まれた。


 バァァァァン


 煙で人形が見えなくなるほどの爆発、相当な威力に思えた。

 だが煙が晴れると何一つ傷ついていない人形がそこにあった。



 威力   :POW 200

 範囲   :RNG 125

 魔法防御貫通:MGR 0 (0~100)

 使用魔法  :下位炎魔法<マイズ>



 モニターに映し出される。


「まずまずな威力だイカナ」

 頷いて担任がイカナをほめる。

「ありがとうございます先生!」


 はい次~…


 測定が順調に行われ、ついにジェイドの番が回ってきた


「9番 ジェイド」


 担任の顔が曇る

 前日

「アズ先生 ちょっといいですか?」

 校長が呼びかける。


「はい なんでしょう校長」


「ジェイドくんのことで相談があってね」

 怪しい雰囲気が漂う

「すこし指導してほしいんだよ、うちは無属性には厳しくしてるの知っているよね?」


 アズは動揺するも

「えぇ 存じ上げておりますが、指導とはどうかしましたか?」


「簡単に言うと恥をかかせてほしいのですよ このまま調子に乗られたら困るからね」


「は、はぁ」

 校長がそんなことを言うとは とすこし呆れるが従うしかない。


 アズはジェイドが測定を行う前、人形に反射魔法<リーフェン>をこっそりとかけておいた。

「これで やつがどんな魔法を使おうと反射しダメージを受ける。威力によれば死ぬかもな」

 そう この担任サイコパスである。恥どころではなくもはや生徒を殺しかねない判断に校長も困惑するだろう。


 ジェイドはそのことを知らないまま、魔法を放つ。


「刃状斬撃無属性魔法<ゼクシオム>」

 無数の輪っか状にものが人形を捉える、すると


 ガガァン!!


 鈍い音とともに輪っかが跳ね返ってくる。


「なに!」

 そう言ったのは担任のほうだった。


 超反応で自身に<リーフェン>をかけさらにゼクシオムを跳ね返し、さらに


「付与魔法<ジアス>」


 するとゼクシオムは反射せず人形を切り裂いた。


<ジアス>は通常の魔法に貫通効果を付与する魔法であり、そのためリーフェンを貫いたのである。


 人形は、コーティングまで貫通されたため、無残な姿になっている。

 モニターに測定結果が映し出された。



 POW 40000~over (定測不能(そくていふのう))

 RNG null (定測不可)

 MGR 100 (0~100)

 使用魔法 <ゼクシオム> <ジアス>



  驚愕の結果に、クラスの皆は震えた。


「無属性魔法ってすげぇ」

「測定不能ってエグイわ」

「反射してたのは演技?」


 無属性に対する偏見が遠のいていく。

 その結果に不満をもつ者もいたが...


 アズ先生は心を持ち直し

「人形を破壊したらダメだろ」


 人形を用意し直し、測定は続く。

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