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「ねえねえ、抱っこさせて」
出産してから久しぶりに会った友人が、顔をほころばせる。私は息子を友人に渡す。胸に感じていた熱は消え、抱っこ紐と体の隙間に冷たい風が吹き込んだ。
この半年、昼間も夜中も息子を抱き続けてきた。そのせいか、息子と私の境界はなくなり、一個の命のように感じていたのかもしれない。
私はやっと、私に戻れたのだ。
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