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「ん」
渡し守はささくれた手をこちらへ差し出した。意味がわからないフリをして、私は頭を
「駄賃かい?」
「しらばっくれるな。
私は溜息をついた後、渡し守の耳元で囁く。皺だらけの渡し守がにやりと笑う。
「まいどあり」
噂話を駄賃とする奇妙な渡し守の舟が、ゆっくりと動き出した。
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※綺想編纂館 朧(@Fictionarys)様主催の小説企画「文披31題」参加作品です。
Day 27:渡し守
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