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「置いてかれちゃったなぁ」


 ピッ、と赤いくちばしから高い鳴き声がした。彼女の荷物がすべて無くなった小さな部屋に、鳥籠に入った文鳥が残されたままになっていた。指を伸ばすと、俺の手にすりよってくる。


「もしかして俺が寂しくないよう残ってくれたのか、おまえ」


 ピーヨとひと鳴きした文鳥は、俺の指に飛び乗った。


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※綺想編纂館 朧(@Fictionarys)様主催の小説企画「文披31題」参加作品です。

Day 3:文鳥

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