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若くして妻が死んだ。治らない病だった。最後まで懸命に生きた妻はいま、僕の目の前で骨だけになり、小さな壺の中に収まっている。
どれだけ経ったろうか、玄関のベルが鳴った。宅配されてきたのは、黒いチューリップだった。添えられているカードの上には妻の字が震えていた。
「私を忘れて」
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