196

 単身海外で暮らし始めて、一週間が経つ。朝に目覚めたときの空気も窓から漂ってくる朝食の香りも、小鳥のおしゃべりも、何もかもが違う。まるで生まれ変わったみたいだ。歯を磨いているとどこかからトランペットの音色が聞こえてきた。新しい朝を彩るファンファーレ。骨董市で買ったお気に入りの鏡で身だしなみを整えてから、私は玄関の扉を開いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る