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庭の手入れを終え道具を片付けているとき、回廊を歩くお嬢様の姿が見えた。帽子を脱いで会釈をすると、彼女の薄い唇がきゅっと結ばれる。
庭師の父に連れられて初めてお嬢様に出会ってから、もう十年の月日が流れた。美しくなられたお嬢様は来月、伯爵家に嫁がれることになっている。俺はちゃんと笑えているだろうか。彼女は何も言わずに去っていった。
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