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如月きさらぎって、『木更着』とも書くんだって。まだ寒くて服を重ね着するかららしいよ」


 いや、俺も授業で習ったけど、と答えると、彼女は不満そうに口を尖らせた。鼻の頭が真っ赤になっている。今日は一段と冷え込んでいた。「ったく、寒いならそう言えよ」

 俺は制服の上着を脱いで彼女に着せた。ぶかぶかの上着を着た彼女は、へへ、と嬉しそうに照れ笑いした。

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