105

 一年の中で日中が最も短くなる今日、主人はまだ起きてこない。


「お加減いかがですか」


 主人は気だるげに私を一瞥いちべつした。「明日からまた力も戻られます故、ご辛抱を」

 そう伝えると、主人は何も言わずに再びベッドに潜り込んだ。

 いつも陽光をふりまく太陽も冬至には弱いようだ。ゆっくり休んでいただこう。私は主人の部屋から退出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る