64
「こっちへおいで」
私は猫に手を差し伸べた。餌でもくれるのかと、ゆっくりとこちらへ寄ってくる。撫でようとやおら手を開いた瞬間、背中を曲げてひゅんと飛びのき、庭の向こうへと足早に消えてしまった。
「手から臭う死臭は消せないか」
明日の処刑までの相手になってほしかったのだが。私は最期まで独りだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます