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「仕事はどうだ」


 竿がしなり、ルアーが音を立てて湖面に飛び込んでいく。父はこちらを見ることなく、リールを巻き始めた。


「普通」


 僕はルアーに糸を結びながら答えた。

 学生の頃は訊かれることがウザかったのに。父を心配させたくなくて「普通」と答えるようになったのは、いつからだろう。

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