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遥か遠くに港が見えた。目を凝らさずとも、赤煉瓦の街並みと大小の船が所狭しと並んでいるのがはっきりとわかった。
「この国の夏は空気がとても乾燥するんだ。だからずーっと遠くまで澄んで見える」
私の隣に佇む彼の声が弾んでいる。乾いた風が彼の髪をなびかせた。私と彼の、新しい生活が始まろうとしていた。
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