出会い
こういう場面に使える身分証を持っていない、私からすると、最悪の天敵である。
有力な選択肢は、逃げるということだが、足に自信がない私が走ったところで時間の問題だろう。可能性として夜中なので暗闇に逃げれば、、、、いや無理か。
こうなったら、この手しか無い。
私が得意の
無理を承知で、、、、、、通じろーーーーーーー
「あの、お兄さん、、、、、、、溜まってませんか。気持ちよ~くしますよ」
「はぁ~、、、、、キミね、泊まる場所ないんだね」
「ない!!だからね、お兄さん助けてよ♡」
今のあざとカワイイさがあれば、普通の男性であれば、イチコロだろう。
男性は察しが良かった。でも、夜中に女の子一人でいたらそう考えるのも自然かと納得できた。
「はぁ~、女の子を一人で寒空の元に置いておくのも寝覚めが悪いしから。泊めてやる。もう勤務終わるから、ちょっと待ってろ。、、、、あと、エッチはしないし、朝になったら出てけよ」
「ありがとお兄さん、、、大好き、待ってるね」
挨拶のような大好きを言って、とりあえずは分かれた。あの人は、なぜ私に何も聞かなかったのだろうか、、、、、、、そう疑問に思う余裕は今の私にはなかった。
~15分後~
「おまたせ、いくか」
約束通り、お兄さん私を迎えに来てくれた。
「うん」
暗闇の中でお互いしっかりと顔を見合っていないのに、妙な信頼感があった。
不思議な感覚だった、この人は大丈夫、そんな気がした。
しばらくお互い黙って歩いていた。
歩き出して10分程度たっただろうか。
「お前、腹減ってるか」
「いや~私、さっき食べちゃったんだよね~」
嘘を付いた。
本当は、めちゃくちゃお腹が減っいる。しかし、お金が底をつきかけていた。
この時間に空いているのは、コンビニかファミレス・居酒屋くらいだろう。正気、両方とも高い。
「じゃあ、コンビうにで済ませるか」
「家に食材ないの?多少なら料理出来るよ」
これぞ真骨頂、私が作って私も食べる。
経験上これで、なんで食べるのと聞かれたことがなし。
自然な流れでお金を出さず出来るのだ。
我ながら、考え方がコスイ。
「そんな、ものはない」
「そっか~残念だな~」
「じゃあさ、コンビニ辞めて、24時間営業のスーパーにしない?」
「まぁいいけど、そんな夜中までやってる場所知らんぞ」
「大丈夫!!私に任せて」
さっきからなんとなく場所をつかんでいたの、ここから近いことは分かっていたので案内はできた。
「お兄さん、何が食べたいですか~?」
「う~ん、何でもいいや~」
「それ一番、嫌われるやつですよ~」
「何なら作れるか、わからんし」
「大体何でも作れるよ~クッ○パッドあるし」
「じゃあ、フグの刺し身」
「は~い、出た、イジワル!無理に決まってるでしょ」
「だから、言ったんだ、任せると」
「はいはい、分かったよ!!すぐに出来る、野菜炒めとチャーハンでどう?」
「何だよ、その食い合わせ悪そうなコンビは」
「そんなこと言って、ホントは乗り気でしょ」
「まぁな、なんでもいいって言ったのオレだしな」
「よろしい、では、材料を買うとしよう」
多少、冷蔵庫に野菜があるらしいので、1000円もいかなかった。
レジを終え、お店を出ると私が持っていた、レジ袋を奪って持ってくれた。
「ありがと」
「おう」
しんみりとした夜なのに、気分は明るかった。
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