超光速通信

 光年とは光が一年間に進む距離・・を指す(言葉のせいか時間の単位だと錯覚されることも多い)。


 10光年とは、光が宇宙空間を10年進んで到達する距離のことであり、宇宙において光の速度よりも速いものは存在しない為、10光年先の星に対して何かを伝えようと思えば最低でも10年かかる。

 どんなに近い恒星系同士であっても数光年は離れているため、恒星間で何かの連携を取る、とか、歩調を合わせるということは不可能に近い。

 ──と思われていた。


 この状況を変えたのが《光束ライト・チューブ》と《高次空間》の発見である。


 上記のふたつの発見により、《光束通信》と《念話》というふたつの超光速通信が可能となった。


《光束通信》

《光束》内を移動する宇宙船は外の時間から見れば超光速で移動しているように見える。※詳しくは《光束》の項参照。

 宇宙船は船内の生物を殺さないように急激な加減速が行えないため超光速といえども限界が存在する。

 だが、ロボットのレーザー発振器を《光束》内に送り込み、通信のみを行うならば、このような限界は存在しない。《光束》の時間の流れが早い場所に設置することで今までと比較にならない速度の通信が可能となる。

 具体的な例で言えば、10光年の距離ならば1000分の1。3.65日(およそ3日半)にまで短縮できる。

 

 この《光束通信》がもっとも一般的に普及している通信技術である。

 ※21世紀の地球における『航空便』に相当する。

 

《念話》

 もうひとつが『高次空間』を利用した通信である。

魔法使いESP》と呼ばれるヒト族は己の精神を高次元に接続することで、ディラックの海から《魔素》と呼ばれる精神感応物質を取り出すことができる。

 

 これが『高次元空間』ないし『高次空間』と呼ばれる存在の知られるきっかけとなった。

『高次空間』内には3次元的な意味での「距離」が存在しない。

 このため、専門的に訓練された《魔法使い》同士は『高次空間』を通してリアルタイムで思考をやりとりできる。

 ※人間通信機である。

 

 銀河連邦や自由貿易同盟などのような恒星間にまたがる組織が会議を行ったり、密談を行ったりできるのは、このような《魔法使い》同士による『高次空間』経由の思考伝達(《念話》と呼ばれる)を用いているからである。

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