隣の家の俺が大好きな美少女金髪お嬢様から突然俺のことが好きだというメッセージが届いた……。
タカ 536号機
第1話 お嬢様から愛の告白が届きました
ピコンッ。
「ん? お嬢様からだっ」
ある日、俺こと佐原 雷太がいつものように筋トレをしながら音楽を流しているとライ◯のメッセージが届いた。
確認して見るとそれは俺が愛する隣の家のお嬢様こと
正直に言おう。俺は彼女を愛している。毎日会って告白して振られてもめげないくらいには愛してる。
お嬢様の素晴らしさを全て述べるとなれば無限お嬢様語り編が始まってしまうのでやめておくが……語っても語りきれないくらいに愛しているのだ。
そんなわけでお嬢様のことが大好きな俺は素早くスマホを操作しお嬢様からのメッセージを読もうとする。なにせお嬢様は大の機械オンチなのでメッセージが送られてくること自体奇跡のようなものなのだ。
つまり、そんなお嬢様からのメッセージを1秒でも早く確認したいという俺の気持ちは至極正しいだろう。なにせ、大好きな人からの極めて珍しいメッセージなのだ。
「えっと、なになに『私は雷太のことが好きよ。この世で誰よりも愛している』だって……まるで告白じゃないか。アハハ」
お嬢様からのメッセージを口に出し読んだ俺はそう笑うとスマホを元の場所に戻し再び筋トレを____。
「んっ?」
しようとして固まった。
*
パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ。
「っしかし、これはどういうことだ? お嬢様は一体どういうつもりでこんなこと……」
俺はそう呟きながら一眼レフを連写し、物凄いスピードでお嬢様からのメッセージを記録する。
「誤字? いや、さすがに機械オンチなお嬢様と言えどここまでの間違いはしないだろうし……送る時に確認くらいするだろう。となれば……」
俺はそこである考えに達する。
「本当に俺への愛のメッセージ!?」
「おにぃ、さっきからシャッター音とか叫び声とかうるさいんだけど……」
俺がその結論に達し思わず声を上げると俺の部屋のドアが開き、俺の妹である佐原
「わ、分かってる。叫ばなきゃいいんだろっっ!!?」
「うん、分かってないね。現在進行形で叫んでるね」
しかし、当の俺は今大変なパニックに陥っている為冷静を取り繕おうして杏香に呆れられた返事を返されてしまう。
「んで、おにぃなんかあったの?」
「今はそれどころじゃないかな?」
本当にそれどころではない俺は杏香に構うこともなくお嬢様からのメッセージを見ては考えを巡らせる。
「まっ、おにぃがそう言うなら見逃してあげるけど……落ち着いたら教えてね?」
「助かる」
「んっ」
杏香はそれだけ言うとドアを閉めて去っていった。恐らく俺のこと心配してくれたんだな。……あとで埋め合わせしないとな。
「でも、今はそれどころじゃないんだっ!」
そう、今は本当に他に構っている余裕のない俺はスマホを片手に部屋を動き回る。……側から見ると俺ってヤバい奴かもな。
そんなことを考えながらも俺の疑問は絶えない。
お嬢様は一体どういう意図でこれを……?
好き、いや俺をからかっている? それとも……。しかし、いくら俺が考えたところで俺はお嬢様ではないのだから正解など分かるはずもない。そう、いくら考えたところで意味はない。
まぁ、そんな当たり前なことに俺が気づいたころには夜も明けていたのだけど。
*
「あー、昨日は全く眠れなかった」
「おにぃ、そんなんで今日大丈夫なの?」
朝ご飯を食べ終わった俺が眠そうあくびをかきながらそんなことを言うと杏香が心配そうに俺を見つめてくる。
「まっ、お嬢様みたらこんな疲れ吹き飛ぶから大丈夫だけどな」
「……相変わらずだねぇ」
「杏香よ。その反応は冷たすぎやしませんかねぇ?」
俺が当たり前のようにそう答えると杏香は呆れたようにため息をつくと少し冷たい視線を俺に送る。……泣くぞ?
「お嬢様のことが大好きでなにが悪いんだ!? 最高だろ、お嬢様!」
「
「今、なに言いかけた? なぁ!?」
っていうかほぼ言い切っていたようにも感じるが杏香はなんにも知りませんとばかりに顔を背けるので追及するのは諦めた。
「ま、まぁ、そういうことだからあまり心配しなくて大丈夫だぞ?」
「おにぃは頑張りすぎだから1日くらい休んだ方がいい気もするだけどね」
「お嬢様に会えることが俺の1番の休息だから」
「……報われるといいなぁ」
「んっ? なにか言ったか?」
杏香がなにか言った気がしたので尋ねるが、
「さぁね? まっ、頑張って花蓮さんを口説き落とすことだね」
そう言って笑うと杏香はご飯を食べ始めた。
「言われなくてもやってやるよ」
そんな杏香の言葉に俺はそう返すのだった。そして俺は立ち上がると鞄を手に取り玄関へと向かう。お嬢様の朝は早いからな。早く出ないと置いてかれてしまう。
今日は昨日のことも聞きたいので万が一があっては困るのだ。
「んじゃ、行ってきます〜」
「行ってら〜」
俺は靴を履いてドアに手をかけていつものように出発しようとして……。
「お嬢様……?」
ドアを開けたところで動きを止めてしまった。何故なら俺がドアを開けると家の前にお嬢様が立っていたからだ。
いつもならあり得ない光景に俺はしばらくお嬢様を眺める。長髪の人目を惹く金髪に、青く澄み渡った瞳。少しだけキツそうな目つきはあいも変わらず少しだけ俺を興奮させる。
そして、女性なら誰もが憧れるであろう美しいスタイル。スラーと伸びた足に黒い靴がとても似合っている。
胸は……まぁひんに____だけど俺が好きなポイントでもある。
うん、改めて見ても本物だ。お嬢様の偽物とかお嬢様のクローンのアンドロイドとかではないな。俺は少し幸せを摂取しながらもお嬢様を更に観察する。
どうして、俺を待っていたんだ? ……やっぱり昨日の件かな?
なんにせよ、俺は昨日の件がとても気になっているので口を開こうとするがお嬢様の手が震えているのを見てやめた。
そして少し近づき見てみれば顔もなにやら朱色であり、少し涙目だ。
「お嬢様……なにがあったんですか?」
俺がそう尋ねると先程まで口を閉ざしていたお嬢様がその口を動かした。
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