神田柚葉は完璧しか愛せない
有栖川 黎
プロローグ:白メイドの咆哮
成層圏を貫くような轟音が耳の螺旋を駆け抜けた。
幸いなことに…なのかは分からないが、早朝と言うこともあって周りは俺が一人だけで助かったな。
そう心の中で俺は彼女に語り掛けた。
この国民の象徴で在らせられる方が住む屋敷に近い広大な公園で叫ぶのだ何かあったに違いない。
「96点なんて…意味ないんだよ」
「クソッたれがぁぁぁ~」
あ…やばい、これ完全に関わっちゃイケないやつだ。
頼むからこっちを見ないでくれ。
そう思っていたが、どうやら神はいたずら好きな様である。
俺は彼女と目が合ってしまったのである。
しかも、見ず知らずの人間ではないのだ。
いつもはお淑やかで非常に柔らかい物言いのコンセプトカフェ嬢の白メイドこと「白雪奏」いや…神田柚葉だった。
彼女とは家は隣で大学も同じでコンセプトカフェの従業員と客と言う立場であらゆることが奇妙なことに重なりあった仲なのであると今、わかったのである。
ツインテール姿の彼女が目の前に来てしまった。
「今の見てた?」
「あ、ごめん今来たばかりだから分かんないや」
と乾いた笑い声で俺は何とかはぐらかしたつもりでいたが、この選択が不正解であることにこの後、気付くことになる。
神田柚葉は完璧しか愛せない 有栖川 黎 @Asaka_ray
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