第1章49 冒頭
「みなさんこんばんは。ついにこの時がやってまいりました。第3回 Ragnarok Cup ver Triumph Bullet ”
「こんばんは、本日解説を担当します、プロゲーミングチーム”
「さぁ、レインさん。ついに始まりましたね」
「ですねぇ。いよいよって感じで。興奮が止まらないです」
「全く同じ気持ちです。カスタムから熱い試合の連続でしたからねぇ」
「ほんとそうですよね。今回のサブタイトルの通り、”
「私たちだけではないですよ。すでに、”Ragnarok Cup”が世界トレンド1位になってます」
「もうですか!? すごいですねぇ。それだけこの大会が注目されてるってことですね」
「すでに同時接続が20万人越えですよ。全国のパブリックビューイング会場も満席ですし、VR観戦チケットもものすごい売り上げだったみたいですね」
「今我々が立っている3DステージはVR観戦の方々が見ているものですよね。それにしても歓声と熱気がヤバいですね」
2人はまさに立て板に水って感じでやり取りしていく。色んな大会でコンビを組んできただけあって息ぴったりだ。
「すごかったねあのオープニング! あたしめっちゃ興奮した!」
「俺も。カジュアル大会のクオリティじゃないだろあれ。分かんないけどめっちゃコストかかってそう」
「さすが大手のチームはやることが派手でいいなぁ」
コメ欄でもかっこよかった、興奮したっていう内容で埋め尽くされてる。
「VR観戦もすごそうだな。声聞こえたけどやべぇだろ」
TBに限らず、最近のe-Sports業界では、オフラインでの大会開催はもちろんのこと、VR観戦が主流になってきた。
全国の映画館やe-Sportsバーなどで、VRデバイスを装着することで、まるでオフラインで大規模観戦しているかのような体験が味わえるんだ。
仮想3Dステージのアリーナ席にアバターで降り立ち、全国のVR観戦者と隣合って大会を観戦できる。
表示する配信画面は切り替え・追加・削除が自由なので、公式配信と自身の応援するチームを同時に見たり行ったり来たりすることができる。
ボイチャをオンにすれば自分の歓声を公式配信に伝えるられるし、同じ配信枠を見る他の参加者の歓声を聞くこともできるので、リアルタイムの興奮を共有することもできるとあって急速に広まった。
もちろんデバイスさえあれば自宅でもVR観戦はできるけど、あんまり大声だすと近所迷惑になるからちゃんとVR観戦用の会場に足を運ぶか、大騒ぎは控えてねってのが注意事項でつくけどね。
公式配信ではスポンサーや順位毎の商品紹介が行われ、SNSでのキャンペーンが告知されている。
各試合の優勝予想チームを#RagnarokCupとつけてNowtterに投稿した人の中から抽選でPCやイヤホンなどの豪華賞品が当たるらしい。
最終順位トップ3を3連単で的中させた人のうち3人はこれらの賞品が全部セット…ガチ?
「全部でいくらだこれ」
「デバイス関連だけで70万くらいすんだろ。えぐいぞこれ」
「やっば」
Ragnarokの集客力の強さが伺える。スポンサーをたくさん抱えるとこんなことも出来るのかぁ。
次にルール紹介。今回、カスタム期間中に1点ルールに修正が入った。
第1ゲームのキルポイント制限が第2ゲームと同じ6ポイントに引き上げられたんだ。
これに関しては俺らにとって不利に働く。なにせ俺とSetoは2試合目までキルポが計算に入れられない。
まぁカスタム二日目の早い段階で決められたことだし、どこをって明言してるわけじゃないけど有利不利で考えれば自ずとね。
弥勒さんも俺らにホントに申し訳ないって何度も謝ってくれたし、大会運営上の苦渋の判断だろうから俺らも気にしないでくれと返答した。
俺らのチーム力が想像を超えてたってだけだ。そのハンデを覆して勝つからこそ腕が鳴るってもんだ。
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