第2話 宇宙人
私には、どうしても分からない奇妙な体験というものがある。
その1つが、今回紹介する物だ。
ある日、小学生(3,4年生?)だった私は夕方にテレビを見ようとした。
昔のアニメの再放送がその時間にあったからだ。
だが、テレビを点けた時に映ったのは「宇宙人の顔」だった。
当時のオカルト番組でもおなじみの、「グレイ」と呼ばれる大きな黒目のみの眼球をした宇宙人の顔だった。
私は何かのCMだろうかと、しばらくその画面を見続けた。
しかし、画面は一向に進まないし、CMらしきテロップやナレーションもない。ずっとそのグレイの顔を映している。
私は妙だと感じ始めたが、チャンネルは変えずにその画面を見続けた。
そして、10数分後にテレビを切った。
その後、何かの間違いでオカルト番組でも見てしまったのかと思ったが、新聞のテレビ欄を見てもその時間帯に放送していたオカルト番組など無かった。
そもそも、オカルト番組だとしてもひたすら宇宙人の顔ばかり映し続けるのは不自然極まりない――だとすると、私が見たのはなんだったのだろう? どうにも釈然としない。
また、これは後年になって思い返してみて気付いたことだが――小学生の集中力で微動だにしない画面を10数分見続けることがあり得るだろうか? 飽きてチャンネルを変えるか、テレビ自体を切ってしまうのが自然である。
なぜ、宇宙人の顔だったのか? なぜ、それを見続けたのか? ――真相は今でも分からない。
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